わんだふるぷりきゅあ!で考える恋愛感情とその他の愛情の違い


三十路、女児アニメにハマる

突然ですが、三十路になってプリキュアにハマりました。わんだふるぷりきゅあ!というアニメです。
セーラームーンとおジャ魔女世代でプリキュアはぜんぜんだったのですが、たまたまテレビをつけたらアニメを放送していて、こむぎちゃんという犬のキャラクターの可愛さと声の可愛さにギュンと惹かれて、アマプラで1話から全話見ました。

※以外、テレビアニメと映画のネタバレを含みます

ザックリキャラクター説明

・こむぎちゃん

犬。ポメラニアン。飼い主(いろはちゃん)が大好き。いろはちゃんとお話したいと強く思い続けたら不思議な力で人間になれた。後にプリキュアにもなる。

・いろはちゃん

人間。世界中の動物と仲良くなることが夢。こむぎちゃんの飼い主。快活で博愛的。プリキュアになる。

・さとるくん

人間。いろはちゃんに恋愛感情を抱いている。勤勉。いろはちゃんと仲良くなりたくていろいろな動物のことを調べて詳しくなった。映画でプリキュアになる。

・まゆちゃん

人間。少し内気で集中すると周りの音が聞こえなくなっちゃう。それが原因で友だちと上手くいかなくなったことがあり対人コンプレックス気味。手先が器用。仲良くなった相手にはグイグイいける。プリキュアになる。

・ゆきちゃん

気高き白猫。クールビューティー。まゆちゃんを溺愛している。まゆちゃんのスパダリ。人になり、プリキュアにもなる。一見ツンツンしているが、懐に入れた相手には面倒見よく優しい。

衝撃の第36話 「特別なワンダフル」

こむぎちゃんの可愛さ意地らしさと、まゆちゃんとゆきちゃんの関係性へのトキメキで視聴を続けていたわたしですが、突然壁にぶち当たります。それが第36話です。

さとるくんはいろはちゃんに恋愛感情を抱いていましたが、「犬飼さん(いろはちゃん)は自分をそんなふうに意識していない」,「困らせたくないし今の関係を失いたくない」と現状維持をしていました。しかしいろはちゃんに親しい男性がいるかもしれない(勘違いでしたが)、告白しなければ先を越されて誰かがいろはちゃんの隣に立つことになるかもしれないという焦りから思いを告げようとします。でもやっぱり……となったところに、本人の意図しない形で、本人たちの目の前でさとるくんの恋愛感情がいろはちゃんに伝わってしまいます。そこで意を決したさとるくんは、「犬飼さん、きみが好きだ!」「恋愛的な意味で好きなんだ」と告白します。いろはちゃんは突然のことに顔を真っ赤にして逃げてしまい、恋愛感情の好きとその他の好きの違いに悩み、他者からのアドバイスを受けます。結果として、「さとるくんは特別」「さとるくんを失いたくない」という感情になり、自分も好きだと伝え両思いになりました。

恋愛感情って? シーン抜粋

クワロマンティック/デミセクシャルのわたしの心に爪痕を残したシーンを以下に抜粋します。

▼さとるくんの告白シーンの一部

こむぎ「さとる、いろはのこと好きなの?こむぎもね、いろはのことだーーいすき!いっしょだね!」
まゆ「えっと、こむぎちゃんの好きとはちょっと違うっていうか…」
こむぎ「違うって?」
ゆき「好きにもいろいろあるの」
こむぎ「いろいろって??」

▼いろはちゃんがまゆちゃんに相談するシーン

まゆ「兎山(さとる)くんはずっといろはちゃんを好きだったんだよ」
いろは「うそ〜?!」
まゆ「いろはちゃんはどう思っているの?」
いろは「どうって…。さとるくんは良い友だちで……、すっごく良い友だちで…。まゆちゃん!友だちの好きと恋愛の好きって、どう違うの?!」
まゆ「恋愛の好きは、ドキドキする感じ…?」
いろは「友だちといるとき嬉しくてワクワクするけど、ドキドキとどう違うの?」
まゆ「どうって、わたしも恋愛経験ないから…」

▼いろはちゃんが母親に相談するシーン

母「友情と恋愛の違いか…。言葉で説明するのは難しいな。」
(中略)
母「つよしくん(夫)がいると楽しくて、これからもずっと一緒に居たいなって思ったから」
いろは「友だちとも一緒に居たいって思うけど、それとは違うの?」
母「うーん、違うかな。上手く言えないけど。特別だから、つよしくんは」

▼いろはちゃんがひとりで悩むシーン

いろは「特別な気持ち…。特別な気持ちってどんな感じ?こむぎを好きっていうのと、どう違うんだろう?」

▼いろはちゃんがさとるくんに告白するシーン

いろは「わたしね、困ったり悩んだりしたとき、いつもさとるくんの顔が思い浮かぶの。(中略) あのね、わたし、さとるくんといるとすっごくワンダフルなの。普通のワンダフルじゃなくて、特別なワンダフルなの。こむぎやみんなといるときはワンダフル!!って感じて、さとるくんといるときはワンダフル♡って感じ。伝わったかな…?」

疑問と思考

なんかいろいろ言いたいことというか、考えが渦巻いているので箇条書きにしていきます。癒やされるから見てたプリキュアでこんなに頭を使うとは。知恵熱出そう。

・結局恋愛とその他の愛情の違いってなに?!

わからん。第36話では結論を与えられることができませんでした。

・愛情と恋愛感情を分けるという感覚は、一夫一妻制に起因するのではないか

ふと、恋愛感情=特別、唯一無二、みたいな感覚は、結婚できる相手がひとりだけだからでは?と思いました。
婚姻制度が社会の基盤となっていることが前提で生きているため、無意識に好意に順位をつけて、その筆頭にいる相手へ向ける感情に恋愛感情と名前をつけているのではなかろうか。
いろはちゃんはこむぎちゃんを大好きだけれど、例えば"勉強を教えてくれる"とか"将来安定した仕事に就きそう"とかいった社会生活を共にするメリットはさとるくんの方がたぶん大きいし、犬であるこむぎちゃんとは婚姻関係という制度でメリットを享受することができない。そう考えたときに現在の日本社会で、好きな人たちの中からパートナーとして選ぶ(=恋愛感情を向ける)のはさとるくんになるのかなと。

ウッ…。ちょっと古傷が痛みました。興味があれば併せて以下の記事も読んで頂けると嬉しいです。

・恋愛感情は、性欲を伴う愛情だと仮定した場合

これが個人的にシンプルで標準化しやすいと思っている説。わたしは飼い猫がだいすきで、ぎゅーってしたいしお腹に顔うずめたいけど、性欲が向いている訳じゃない。家族や友だちに対しても然り。
「ドキドキする」とか「触れたいと思う」とかが恋愛感情として持ち出されることが多いですが、それらが性欲に起因する感情ならば、ドキドキを伴うものが恋愛感情というのは納得です。
一目惚れというものも、瞬時に性的に惹かれたということであれば、あり得ることなのかなと。

・恋愛的指向と性的指向を分けて考えた場合

このときは恋愛感情と性欲が他者に向くことが分けて考えられているため、性欲説は✕ですね。無理くりですが、2つ上の項目が当て嵌まるかなと。順位付けして一番好きでメリットが大きくてパートナーとして選びたいという気持ち=恋愛感情説。

さいごに

ここまで雑多に脳味噌の整理をしてきましたが、お付き合い頂いてありがとうございました。もやもやを解決したくて筆を執り、なんとなく自論が導き出せて落ち着いたので眠れそうです。
もしわんだふるぷりきゅあ!をご視聴されている方がいらっしゃれば、第36話と第37話で何を感じたか教えて欲しいです…。わたしは終始もやもやしてました。みんな恋愛感情を持ってて当たり前みたいな感じなのね…って。そんな当たり前みたいにしてるのに明確に言語化してくれないのおかしくない???っていう。
ちょっと愚痴っぽくなりましたね。すみません。本当はレインボーフェスタに行ったお話を記事にしたくて書きかけの下書きがあるのに、感情の揺れと勢いでプリキュア記事を書き上げてしまいました…笑
レインボーフェスタについてはまた時間をつくってちょいちょい加筆していきたいと思います。
それでは、このへんで終わりにしようかな。あなたの心の柔らかいところに少しでも寄り添えていたらうれしいです。ではまた。

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