この人と死ぬまでいっしょにいるんだろうなぁと入籍した話
お久しぶりです。1年くらい空きましたが元気にしています。そしてお付き合いしていたパートナーと入籍しました。
何から話せば良いのやらなのですが、お付き合いを始めてから入籍までのパートナーとの関係性の変化をざっくり綴っていきたいと思います。ちなみに、読んでいたら察すると思うのですが、この1年の間にわたしのセクシュアリティ自認がアセクシャルからデミセクシャルに変化しています。この話はまた別の機会にまた深堀りできたら。
出会いから同棲
2022年の8月にアプリで出会い、2022年の10月からお付き合いを始めて、2023年の11月から同棲を始めました。
同棲を始めたのは、彼が仕事で月の2/3ほど出張のため、会うタイミングを合わせるより一緒に住んだ方が効率的なのと、家賃光熱費折半の方が経済的だからだったのですが、この同棲でお互い(主にわたし)の心の距離がぐっと近付いたように思います。
同棲生活に慣れるまでは正直、彼に対する警戒心や恐怖心のようなものがありました。彼個人として見るのではなく、どうしても背が高く恰幅の良い男性、という意識が強かったのだと思います。
なかなか懐かないわたしと気の長い彼
彼個人にも同棲生活にも慣れるのには半年ほどかかりました。
彼は出張が多く家にいないことも多いですし、当時わたしはフルタイムで常勤しており身体的にも精神的にも疲れていて、帰宅後やることを済ませてすぐ部屋に帰って寝てしまう…ということも多かったです。(ちなみに我が家は2LDKで完全に個室があります。)
ただ彼が同棲前に、「ただの同居人の生活は嫌だ。いっしょに居る時間を大切にしていきたい。」と言ってくれていたので、余裕があるときや、常勤を辞めてフリーランスになってからは、お互い同じタイミングで家に居るときは、リビングでテレビや映画を見たりいっしょに桃鉄をやったりと、なるべく時間を共にするようにしました。それも彼が「今日は映画見ない?」とか家電量販店に行ったときに「いっしょにゲームしようよ。どれやりたい?」とか「出張のお土産にお酒買って来たから今日はいっしょに飲もう」とかいろいろ提案してくれたことが大きかったです。今思えば、かなり気を遣ってくれていたなぁと。
そんな優しい彼なのに、わたしは時間を共にすることに多少の義務感を感じていました。付き合って1年経っていましたがまだまだ他人の距離でしたし、デカイしやっぱちょっと怖いし。「いっしょに居るためにいっしょに居る」という感じでした。しかし、やはり時間と経験を共有することはとても大切ですよね。「この人はこういうところで笑うんだ」とか「こういうことに興味があるんだな」というのを繰り返すうちに、だんだんと人間像が深まっていき、彼自身を愛おしく思うようになっていきました。
愛おしいという感情
今でも思い出すのが、テレビ番組『それSnowManにやらせて下さい』で、SnowManがダブルダッチに挑戦した回を見ていたときに彼がポロッと泣いたんですよね。短期間で忙しい中努力して練習を重ねたけれど思った結果を出せず悔し涙を流す彼らを見て、「あ〜年とったからこういうの弱いんよね」と。
そのときに胸がキュッとしたといいますか。可愛いな、とふいに思わされたんです。
それがきっかけだったと思います。なんとなく彼を見る目が変わりました。
先述した通り彼は出張が多く、3週間の出張後、1週間出勤して3日出張、そのまま別の出張先に4日間…といった生活をしているのですが、出張の度にお土産を買って来てくれていました。それはもう付き合った当初からずっとなのですが、最初は「マメな人だなあ」としか思ってなくて「お金かかるし嬉しいけど次は大丈夫だからね」と伝えていました。それに対して「喜ぶ顔が見たいだけだし、無理はしていないから気にしないで。重いならそう言ってくれたらやめるから」と言ってくれていて、そう言われたらなぁ。と、毎回「ありがとう」「うれしいよ」と受け取っていました。
それがだんだんと彼という人間の解像度が上がって行くと、「この人は本当にわたしのことを大切に思ってくれているのかもしれない」「好きって何気ない会話で言ったこと覚えてくれていたんだな」「前買って来てくれた中で一番美味しいと思ったやつまた買って来てくれてる」など、行動の背景や彼の感情を慮れるようになりました。
そうしたら「ありがとう」とか「うれしい」とか「好き」とか「大切にしたい」とかいう感情が湧き出てきて最終的に愛おしくなったんです。
手放しで好きと思えるということ
それからは割と早かったと思います。手を繋いだりハグしたりキスしたりのスキンシップも、1年くらいぎこち無いし頻度も低かったのですが、わたしの心のバリアが溶けてなくなってからは、当たり前みたいに手を繋げるようになりましたし、自分からハグもキスもしたいと思うようになりました。
今まではスキンシップの先にセックスがちらつくことが怖くて嫌で、警戒心みたいなものがまとわり付いていたのですが、たぶん「この人は大丈夫」と思えたんだと思います。もともとわたしはスキンシップが好きだし、愛しい気持ちになったらコミュニケーションでそれを伝えたいと思っていて、でも異性にしてしまったらめんどくさいことになるからと気を揉むことが重なって警戒心が生まれてしまっていた訳で。彼の気の長さと二人で重ねた時間で、彼が異性から一個人になったんだと思います。警戒しなくても良い、自分の思うように愛しても良い、手放しで好きと言える。他の記事でも綴ったのですが、元来依存心の強いわたしにとって、そういう人がいてくれることは本当にうれしくて幸せなことなのです。
入籍という選択肢
お互い三十路ですので、最初から結婚の二文字はちらついていました。ただ、出会ってすぐに彼には話したのですが、わたしは子どもを望んでおらず、結婚願望もなく、ただ死ぬまで人生を分かち合い支え合えるパートナーがほしい。それがすべてでした。なので、入籍は別にどちらでもよかったのです。しても良いししなくても良い。したい訳じゃないし、したくない訳じゃない。正直なところ、両親が不仲になって不倫して離婚しているため、結婚に夢みたいなものはなかったということもあります。結婚したって離婚するときはするんだから、どっちゃでもええがな、と。
ただドライめなわたしと違って彼の方は割と結婚願望はあったようでした。
遠回しなプロポーズと勘の悪いわたし
彼との性行為にも抵抗がなくなった頃、確か同棲して半年くらいだったと思います。その頃に、いわゆるピロートークの中で「プロポーズされるなら、日常会話の中でサラッとと、サプライズでされるのどっちが良い?」と聞かれました。わたしは、サプライズはそれに見合ったリアクションを出さなきゃというプレッシャーがしんどいので、「日常会話の中かな〜」と答えていました。
それから1~2ヶ月後くらいだったと思います。彼がとてもマメな性格で、出会った日とか初デートした日とか付き合った日とか同棲した日とかを細かく覚えてくれていて、そういった記念日に色違いやサイズ違いの物を増やしていっているのですが、何かの記念日でおそろいを買って帰った日に、「そういえば、こうやっておそろいも結構増えてきたよね」と言われて「そうだね〜」と返したら「そろそろ名字もおそろいにする?」と言われました。彼としてはそれがプロポーズだったらしいのですが、わたしはそれに気付けず、また気障なこと言ってるなと思って「ハハッそうだね〜」と流してしまったのです。なんという悪手。
もちろん意地悪とかでなくて本当に理解していなかったので、そのまま日常会話に戻り、彼のプロポーズはなかったことにされてしまいました。
アンフェアかもしれない
闇に葬られたプロポーズをわたしが知ったのはお酒の席でした。おうちで晩酌をしているときに、まあまあ酔った彼に「まあプロポーズ流されたもんなあ」と言われて、「は?!そんなことしてないしプロポーズなんかいつされた?!」と返してちょっとしたケンカになりました。よくよく話してわたしも理解して、(それでも分かりにくかったし、わたしの勘が悪いことはもう分かってたでしょと思いましたが)、気持ちを蔑ろにするようなことをして申し訳なかったと謝りました。そしてわたしはあなたのことを大切に思っているし、これからもずっといっしょに居たいし居るんだろうなと思っていると伝えました。たぶんとっても勇気を出してくれたんだろうから。アンフェアじゃいけない。わたしも結婚したいと思っているよ、と。
入籍日と指輪
そんなこんなで入籍することになり、入籍日は付き合ってすぐいっしょに行ったお笑いライブの開催日(その日から2週間後。今年もいっしょに行く予定だった)に決め、その週末に帰省して親御さんにご挨拶をし、無事入籍することができました。忙しない。
ちなみに結婚指輪はもめもめした日の翌日に見に行って購入しました。勢いって大切だよね!オーダーメイドなので完成するのは11月中旬予定です。アトリエタマリさんという心斎橋にあるジュエリーメーカーさんなのですが、色やテクスチャ、彫りなどいろいろ好みにオーダーできてとっても楽しかったです。これもまた別の記事にしたいな。
夫婦、あるいは伴侶という関係性
個人的には、生活に変化はあまりないように思います。もともと同棲していましたし、名字が変わったくらいで。ただ名字も仕事は旧姓で行っているため、マイナンバーと保険証くらいしか実感ないです。そういえばマイナンバーの旧姓併記ってとても便利ですね!!金融機関巡りしなくて良いのだと知って小躍りしました。
他に変わった事といえば、彼が生命保険の受取人をわたしに変えてくれたことと、彼のお給料に配偶者手当が付いたことくらいですかね。入籍したことで保険を見直してくれたのは、なんか頼もしいなぁと思いました。何回NISA勧めてもやってくれないからお金には無頓着なんだと思っていたので。そういうのも愛の形なのかな、と思います。わたしはわたしで、お金や保険のことをまとめているファイルの置き場所を伝えて、「わたしになにかあったらとりあえずこの黄色いファイル見て!」と伝えてあります。ミニエンディングノートも入れてあるやつ。お互い、支えながら生きて終わりを迎えるまで共に歩む気持ちになったのかな、と思ったり。
終わりに
長くなりましたが、いろいろ端折りつつこれがここ1年の顛末でございます。
関係性がパートナーから配偶者になり、わたしのセクシュアリティ自認はアセクシャルからデミセクシャルになりました。こっちの話は深くしていないので、また別の記事で書きたいなと思います。
とても長く取り留めのない文書を読んで下さってありがとうございました。
わたしの徒然が、あなたに何かおすそ分けできていたらうれしいです。それでは。