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【これから】の人は【どこから】
当社の60歳以上のベテランさん方、
九州出身の方が殆ど。
創業者が、かつて九州の中学校を周り、
会社の紹介に走り回ったと聞く。
そこで、故郷を離れ、
遠く愛知の当社に来ることを選んで下さった。
所謂【金の卵】と呼ばれ、
中学校を卒業後、地方から長時間列車に揺られ、
見知らぬ土地に降り立った。
【働き方改革】【ハラスメント】
そんな言葉は何もなく、
【仕事は見て覚えろ】が当たり前の時代。
今の様にSNSやメールやスマホもない。
家族と遠く離れ、
石にかじりついて技術を磨き、
当社をずっと支えて下さっている。
どれだけ心細かっただろう、
どれだけの覚悟で列車に乗ったのだろう、
今、ベテランとして
年下の管理職を支えて下さる皆様の顔を見るたび思う。
★
当社には、稀に飛び込み営業の方が来社する。
保険や設備関係の方が多いが、
中でも多いのが【人材派遣】の方だ。
大抵は、
「当社には派遣の方はいらっしゃらない」
「当社に外国人実習生の方はいらっしゃらない」
そう、事実をお伝えすると帰って行かれるのだが、
ある日、『情報提供だけでも!!』
と仰るのでお話を伺うことにした。
外国人技能実習生の斡旋をなさっているそうで、
色々と仕組みなどをお話しなさったが、
う~ん。。と首を捻ってしまう事があった。
『日本人よりも、彼らは良く働く』
『若い日本の子たちみたいに文句を言わない』
外国人技能実習生を受け入れてらっしゃる企業さんの声として、営業の方がそうお話しされたのだ。
★
恐らく、営業の方は嘘は仰っていないと思う。
企業の方も、心からそう思っていらっしゃると思う。
でも、
『何かそれは違うんじゃないかな。。』
そう思ってしまう。
かつては、九州などの地方から来ていた人材、
それが今はアジア等の海外に移っている。
【外国人技能実習生】
その仕組みは素晴らしいと思う。
少子化もあって、どの企業も採用に苦しんでいる。
『働き手がいない』そんな声をしょっちゅう耳にする。
ただ、
40年程前は九州や東北から採用し、
今は海外から実習生を受け入れて、
次はどこから連れてくるのだろう。
この先も、本当に海外の方は、
日本で働くことを選んで下さるのだろうか。
嘗ては、愛知と九州は相当な距離
日本と東南アジアも、相当に距離がある。
おいそれと戻れる距離ではない。
『文句を言わない』
ではなくて、
『おいそれと戻れる距離ではないから我慢している』
『言わない』ではなく『言えない』
そんな可能性も無きにしも非ず。
★
私はかつて、商船と呼ばれる船を毎日訪問していた。
その中で、フィリピンやベトナム、マレーシア、様々な国の乗組員の方々とお会いした。
確かに皆さん、仕事に非常に一生懸命だ。
でも、今当社で働いてくれている、
地元生まれの若い社員たちの働きぶりが、
それらの船員さんと比べて劣っているとは全く思わない。
当社が、この地で根を張って、
これからもここで仕事をしていくと覚悟を決めた以上、
やはり地元の人たちに就職先として選んでもらいたい。
以前、こんな記事を書いた。
その中で、
【今当社で働いて下さっている方々に報いることが、これからの人たちに報いることに繋がる】
そう記述した。
世の中がどんどんボーダレスになり、
最初に就職した会社で勤め上げるよりも、
より良い場所に移る転職が当たり前な時代。
その時代とは逆行しているかもしれないが、
それでも
【ここで働くのは悪くないな】
そう思ってもらって長く勤めて頂く方がいい。
社員の皆さんのこれからのライフイベントを考えると、
頼れる人が近くにいる地元と言うのは
安心感にも繋がるだろう。
組織である以上、
新しく来てくれた人に、
組織に合わせてもらう部分がある。
でも、
会社も時代時代に周波数を合わせて、
これからの人たちに合わせる必要がある。
【これから】の人が
【ここから】来てもらうため、
今【ここで】働いている人たちに出来る限り報いること。
遠回りかもしれないが、
きっと、間違ってはいないだろう。