
noteデザイナーが読んでよかった、知識を深める珠玉の39冊
デザインの仕事を続けていると、新しいツールやトレンドを追うだけではなく、知識を深めることの大切さに気づかされるときがあります。
そんなときに本は頼れる存在ですが、noteで働くデザイナーも「読んでよかった」と思う本に出会ってきました。実務の中で直面する課題や悩みを解決するヒントを得たり、新しい発想を引き出してくれるきっかけとなったりすることも少なくありません。
今回紹介する39冊は、デザインの基礎から応用、心理学や思想、さらにはデザインを超えた分野まで幅広く集まっています。
本を通して、noteのデザイナーたちが普段どんな考え方で仕事に向き合っているのか、その一端を感じ取ってもらえたら嬉しい です。
※ この記事は noteのみんな Advent Calendar 2024 21日目の記事です。
▼ 行動と心理を活かした仕組みづくり[8冊]
人間の行動には明確なパターンと心理的要因が存在します。それらを理論的に学べる書籍たちです。
1. ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム
顧客が求めていることを具体化し、新しいイノベーションを生むための手法が学べる本
2. 「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ
ゲームを起点に、ユーザーが起こす行動の仕組みが理解できる本
3.Hookedハマるしかけ: 使われつづけるサービスを生み出す 心理学×デザインの新ルール
習慣化するためのフックモデル等の代表的なモデルについて解説されている。10年くらい前で事例が古いけど、それでもたまに見返しちゃう
4. ビジネスデザインのための行動経済学ノート バイアスとナッジでユーザーの心理と行動をデザインする
UIでユーザーを誘導する際のバイアス(悪)とナッジ(善)を学べる
5. 行動を変えるデザイン ―心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する
行動が起きる仕組みを行動心理学的に、なるだけ理論的に分解しつつ、その仕組みにしていくための改善フローまで書いてありおもろい
6. ゲームデザインバイブル 第2版 ―おもしろさを飛躍的に向上させる113の「レンズ」
ハマったり、面白いと感じるものを作るのに必要なある種の感性的な部分を解剖する、「ゲームのメンデレーエフになる」を目指した本
7. インタフェースデザインの心理学 第2版 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針
UIを理論的に説明しやすくなる。悩んだ時のリファレンスとしても◎
8. 誰のためのデザイン? 増補・改訂版
表層的なデザインだけでなく、認知科学や心理学の重要性を知れる本
▼ 直感的な体験の原則と設計[9冊]
デザインは単なる視覚的な要素と捉えずに、それぞれの本が異なる角度からデザインの原則を掘り下げています。
9. デザイニング・インターフェース 第2版 ―パターンによる実践的インタラクションデザイン
バイブルです。ソフトウェアのあらゆるベストプラクティスをざーっと知ることができます。
10. 融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論
UXをレイヤーで捉え、認知と体験を軸に透明なインタフェースの設計を学ぶ本。
11. オブジェクト指向UIデザイン──使いやすいソフトウェアの原理
オブジェクト指向を理解してる人の仕事はめちゃくちゃ構造化されててスピードが早いので、デジタルプロダクトデザイナーの必読書にしたい
12. 超明快 Webユーザビリティ ―ユーザーに「考えさせない」デザインの法則
「使いやすい」とは?ということの深掘りと、ユーザビリティテストの重要性と方法論を学べる
13.Modeless and Modal
ソシオメディアは課題図書がおおいですね🫡
14.ABOUT FACE インタラクションデザインの本質
こちらもutoさんおすすめ
15. Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー[第2版]
文言やラベリングでめちゃくちゃ役にたつ
16. はじめてのUIデザイン 改訂版
若干古くなってる部分もありつつ、これからUIを学ぶ人のために普遍的な内容になるよう意識しながら書いた本。何よりも100円!!
17. Nature of Code -Processingではじめる自然現象のシミュレーション
数学×物理×プログラミングで自然を実装していく中で、気持ちよさの正体や輪郭を実感できる本。
▼ デザインの倫理と責任について考える[2冊]
noteも特に意識している「人を傷つけない・陥れないためのデザイン」について、考え方と具体的な対策が紹介されている書籍たちです。デザインが意図せずに引き起こす負の影響や社会的責任を考えるきっかけになるかも。
18.ダークパターン 人を欺くデザインの手口と対策
具体的な事例とともにデザイナーでさえも耳が痛くなるような話がもりだくさんな本です。
19.悲劇的なデザイン ―あなたのデザインが誰かを傷つけたかもしれないと考えたことはありますか?
「デザインは人を殺すことがあるのか」というパワーワードから始まる本。デザインの力の強さを再認識させてくれる本
▼ 誰一人取り残さないための包括的デザイン[6冊]
こちらもnoteが特に意識している要素の一つ。アクセシビリティやインクルージョンを考慮し、すべての人が使いやすいデザインを追求できます。
20. 見えにくい、読みにくい「困った!」を解決するデザイン【改訂版】
アクセシビリティ虎の巻 レベル1
21. デザイニングWebアクセシビリティ: アクセシブルな設計やコンテンツ制作のアプローチ
アクセシビリティ虎の巻 レベル15〜30
22. ウェブ・インクルーシブデザイン Webのアクセシビリティとインクルージョンを実現するための実践ガイド
23. Webアプリケーションアクセシビリティ──今日から始める現場からの改善
アクセシビリティ虎の巻 レベル30〜99
24. カラー・アクセシビリティ
アクセシビリティ虎の巻 外伝
25. インクルーシブHTML+CSS & JavaScript: 多様なユーザーニーズに応えるフロントエンドデザインパターン
雰囲気でコードを書いているけど、いいUIをじぶんで実装したいあなたに
▼ 美しさを引き出す技術[2冊]
デザインの細部に宿る美しさを引き出すための技術を学び、完成度を追求します。所有率が高かったのが次の本。
26. タイポグラフィ・ハンドブック 第2版
たたずまいからして辞書のような装丁でものとしてアガる、エディトリアルデザインも洋書みたいでかっこいい
ネットの情報だと「なんか違うんだけどな」という情報も多いので、辞書的に使ってました
(第1版と比較して)タイポグラフィ・ハンドブックは半分くらい内容変わってるので、買い増してもいいかもです。和文・Web フォントとかの章がありますよ◎ なにより装丁が美しすぎるので、アートとして.......
27. 配色スタイル ハンドブック
このシリーズはよく参照してます、配色への苦手意識が克服できるかも。これに則ればおしゃれな配色ができちゃいます
▼ デザインプロセスの工夫で成果を最大化[4冊]
最終アウトプットに至るまでのコラボレーションや段取りを改善し、チーム全体で成果を最大化するためのヒントを得られます。
28. 世界一流のエンジニアの思考法
たくさんつくるのではなく、ちゃんと価値のあるものを速くつくるためのヒント
29. すべての仕事はデザインから始まる。
デザインを発注する側に立った視点、ステートメントシートなどの参考にした本
30. デザインの言語化〈クライアントの要望にこたえる4つのステップ〉
苦手な言語化の参考に。あるあるが多くてさらっと読める
31. みんなではじめるデザイン批評―目的達成のためのコラボレーション&コミュニケーション改善ガイド
チームでデザインをする際の必読書
▼ 横断的デザインの考え方と手法[2冊]
デザインやマネジメントを戦略的なツールとして活用し、組織や文化を通して持続的な価値を創る方法を学べる書籍たちです。
32. 銀行とデザイン デザインを企業文化に浸透させるために
三井住友銀行社内のデザイナーの葛藤、苦難、成果を描いた本で、ほぼ同業種デザイナーのエッセイでぐっときます
33. HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメント
昔々、会社の課題図書で読むことに。「朝食工場」の話が有名で、マネジメント本の超定番と思われます
▼ 経営学やテクノロジーの視点から思考を深める[2冊]
デザイン以外の切り口から、課題解決に取り組む力を養います。
34. デザイン・アート・イノベーション
論文に近い感覚の本。デザイン思考やアート思考などのバズワードに対する冷静な分析がされていて、俯瞰して捉えられるようになり面白い
35. A Brief History of Intelligence: Why the Evolution of the Brain Holds the Key to the Future of Ai
脳の進化とAIの発展に共通点がある、というお話。AIの発展が目まぐるしくなって、昨年くらいから「人間性とは?」みたいなテーマの書籍に注目しがち。
(全文英語ですが、ものすごく興味の惹かれる一冊。英語の書籍は面白そうなものが多いので、スラスラ読めるようになりたいな〜と思うこの頃です)
▼ 豊かな感性と想像力を養う[4冊]
特定の技術や実務的な内容にとどまらず、デザイナー自身の感性を磨き、思考を深めるためのヒントをくれる書籍たちです。
36. 文体練習
これは今年買ってよかった!文字組みって自由でとっても楽しいもんだよね、と思い出させてくれる。これを日本語にしてくれた翻訳も素晴らしい。
37. 白百
美意識と感性と文化とデザインと、美しい日本語で綴じられている本。
38. 小さな家: 1923
ル・コルビュジエが自宅を建築して、住みながら感じたことをエッセイにまとめたもの。美的に良いと思って植えた木を後々切ったり、塗装し直したり、大巨匠でも体験しながら学習していくんだと励まされる本
39. 新装版 デザイン随想 離陸 着陸
指針!尊敬するデザイナー、亀倉氏のエッセイ集です!私にとってデザインに向き合うときの指針です!!!
以上、39冊でした。noteには テックチャレンジ制度 があるので、気になった本を手に取りやすく、比較的本を読む人が多いかもしれません。また異なる切り口でまとめてみたいな〜と思ってます。
あなたの「読んでよかった」本が、この記事で見つかれば嬉しいです。
今回本を教えてくれたメンバーの紹介
わたしの好きな記事付きで紹介します✊ 便宜上ひとつだけなんですが、他にもみなさん良い記事をたくさん書かれているのでぜひ。
宇野さん(CDO)
鮎さん(プロダクトデザイナー)
zackieさん(プロダクトデザイナー)
kyonさん(プロダクトデザイナー)
カナタニさん(プロダクトデザイナー)
コウノ アスヤさん(プロダクトデザイナー)
Yasuhisa Hasegawaさん(デザイナー)
iguchiさん(コミュニケーションデザイナー)
utoさん(UXエンジニア)
そして、noteデザイナーたちも参加するイベント「これからのキャリアを考える!デザイナー新年会」が、2025年1月22日(水)にnote placeで開催されます。ご登壇いただくシニアデザイナーの皆さんのキャリアを振り返りながら、これから迎える新たな年への期待を分かち合う場にできればと思っています。こちらから応募できますので、ぜひ遊びにいらしてください👋
では〜!