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smc_213
まだ、もう少しだけ.....。
風が、あたたかくなった。
今日、外を歩いていてふと思った。
実はわたしは結構な冷え性である。寒いのなんか真っ平ごめんだ。暖かくなって、うれしい。
うれしい、はずなのに...。
いつも春は、なんとなく気持ちが落ちつかない。
これまではわりと、新しいことが始まる、新しい環境になる、わくわくとした高揚感という名のわくわく感が落ちつかなさの主たる原因だった。
けど、なんだか今は暖かさがうれしいと思えない。
なんだか、心もとなくて、気持ちがざわざわしている。
暖かさは、もうそこまで迫る春は、
ここから見える景色、
この人たちと一緒に働ける時間、
この子たちと一緒に過ごせる時間、
一つ一つのカウントダウンを意識せざるを得なくなってしまう。
社会人になってずっとお世話になった場所だった。
はっきり言って辛いことは、たくさんあった。
思い描いていた理想とのギャップ、
伝えたいことが、相手に届かず、言葉が目の前で消えていく虚しさ。
特に一年目は、悔しくて、申し訳なくて、やるせなくて、自己肯定感なんかどこかに飛んでって、こっそり泣いたことも一度や二度とじゃなかった。
けど、過ぎてみれば、一つ一つが経験として身になり少しずつ自分を強くしたのかもしれない。
周りにたくさん支えられ、
時にはちょっぴり支え...
楽しいと思えたり充実感を覚えたりする瞬間がだんだん増えてきた。
そしていつの間にか大事な場所になっていたんだなあ、と改めて思う。
まだ、暖かくなんてならないで欲しい。
まだ、お気に入りの黒いコートも着ていたい。
まだ、あのニットだってもっと着たい。
まだ、したいことだってある。
まだ、春なんて来ないでほしい。