#11 歯医者
ここ2ヶ月ほど、歯医者に通っている。
10月になってから、右の歯がたまに痛む、というか違和感があったので診てもらったところ、虫歯があるので治療しましょう。と先生に普通に言われてしまった。
そこからぼくのスケジュール帳には2週間おきに「歯医者」という3文字が記されている。
虫歯になった理由は明白で、朝、晩と必ず歯磨きをするのだが、大体、適当に済ますからだ。(反省)
朝は慌ただしいから支度をしながら、さくっと済ますし、夜はスマホに集中していて明らかに歯ブラシを咥えているだけの時間の方が長い。
要は、めんどくさがりなのだ。
世の中にはめんどくさいが溢れている。
掃除したり、自炊したり、お皿を洗ったり、歯磨きをしたり。
本当にめんどくさい。
だけど、そのめんどくさいをなるべく軽減させるようなサービスやモノも、これまた世の中に溢れている。
全自動掃除ロボットとかお弁当屋さんとか食洗機とか。
それらはどれも+@のお金を支払うことで、ぼくたちに便利さと、新しい時間という恩恵を与えてくれる。
会社や個人がサービスを産み出し、世の中に価値を与え、ある程度、浸透すると、もっと安く、もっと良いサービスをと、競争する。
その一連の流れを経済とか社会と呼び、今日の便利な暮らしが造りあげられてきた。
人類の進歩、万歳である。
自粛期間中。おうち時間で自炊を楽しむ人が増えたらしい。
これまで「〜ながら」が強制させられる忙しない日々を過ごしてきた現代人にとって、料理に手間をかけることができる等といった「余白時間」の大切さが再認識されたそうだ。
再認識というのは、技術の進歩が乏しかった昔には認識されていたということであり、最短の時間、最短の距離を求めることによって忘れられていたということでもある。
考えると昔よりずっと便利になったのに、それでも時間に追われる現代って少し矛盾している。
進歩は大切だが、発展すればするほど、失ってしまう「豊かさ」みたいなものは確かにあり、それは自分で意識してポケットの中にしまっておくしかないのだ。
だいぶ話が脱線しました。
一番めんどくさいのは、ぼくなのかもしれない。
この間、再び歯医者へ行った。
家で作ったごはんを食べ、入念に歯磨きをしてから向かったのだが、もう少し歯磨き頑張りましょうね〜と先生に普通に言われてしまった。
あぁ。今度、あれ買ってみようかな。
電動歯ブラシ。