2019年大阪杯(GⅠ)検討②:キセキ
強い逃げ馬としての地位を確立したキセキが2019年の始動戦を迎えた。
有馬記念を振り返る。
中山は後半からの雨で徐々に時計がかかっていき、有馬記念時は標準程度の馬場になった。
中山芝2500m・稍重
6.8-11.6-11.8-11.9-12.2-12.8-12.6-12.2-11.6-11.8-11.8-12.2-12.9
14番枠からスタートしたが、直後に15番のシュヴァルグランとぶつかって後方へ。しかし二の脚で一気にハナをとりきる。前半1000mは60.8。この馬場・距離にしては速いペースを刻む。残り1000mで一気に後続を引き離しにかかり、ラスト100mまで粘っていたが失速、5着敗戦。
この馬場でこの展開に持ち込んで5着を確保できたのは評価に値する。ミッキーロケット以降で追走していた各馬はスローバランスでレースしていたし、消耗戦で掲示板に唯一残ったのがキセキ。
有馬記念は結果的にオーバーペースになったわけだが、スローがいいというわけではない。毎日王冠を振り返る。
当日は時計が出やすい高速馬場だった。
東京芝1800m・良馬場
12.8-11.0-11.5-12.0-11.7-11.7-10.9-11.2-11.7
前後半4F47.3-45.5というスローペース。ラスト3F地点で10.9という速いラップを刻んでおり、加速力・持続力を問われた一戦。
前走の宝塚記念で後方からの競馬になり惨敗していたので、今回は1番枠から積極策に出る。アエロリットの直後を追走。直線でも必死に食い下がるが、アエロリットとステルヴィオの末脚の前に屈して3着。
高速馬場でペースを落ち着けすぎると、ラストの上がりは速くなる。末脚比べになるとやはり少し足りなくなる。
バランスのいい能力をもっており、どんな展開にもある程度は対応するが、どれか一つの能力に特化した展開だとやはり若干劣ってしまう。ただし、これは高いレベルの話。メンバーが落ちればやはり最上位の馬であることは間違いない。今回はいいメンバーが揃っているので楽ではないと思うが、レースを支配できそう。馬場も追い風になりそうで、ある程度流れを作って後続の脚を削ぐ競馬をしたいところ。