2019年中山牝馬ステークス(GⅢ)検討③

カワキタエンカ 逃げ D
昨年の覇者。かなり恵まれての勝利であったと言える。

昨年の中山牝馬Sを振り返る。当時は毎日のように雨が降っており、土曜朝まで重、昼に稍重まで回復した程度。時計かかる馬場であった。
12.5-12.1-12.3-12.3-12.1-12.3-12.0-11.5-11.9 (49.2-47.7)
大外から好ダッシュ、他に同型もいないので外からすんなりハナをとりきる。道中もゆったりとしたペースを刻み、直線入り口で一気に仕掛ける。最後までフロンテアクイーンが食い下がってきたが、稍重ということもあってキレ負けすることもなくそのまま勝利。

続く福島牝馬Sでも2着に入っているが、この時も良馬場ながら時計かかる馬場。ペースが中山牝馬に比べて厳しくなったこともあり最後は差されてしまったが、タフな馬場で後続のキレる脚を削いでいく競馬では強いところを見せた。ただ厳しいペースで残れたのはメンバーレベルの低さも要因であるとは思う。
今回は先行馬も多く、クロコスミアやランドネ、ミッキーチャームといった実力のある先行馬もいるので楽ではないだろう。ハナは切れるだろうが、かなり厳しい戦いになるのは間違いない。ただしヴィクトリアマイル以降、キレ負けや暴走逃げ、ダート出走等敗因は明確。前走のターコイズもペースが厳しかった。今回の距離延長はプラスに働くだろう。あとは同型次第。

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クロコスミア 逃げ・先行 C
エリザベス女王杯2年連続2着と、牝馬戦線の最前線で戦う強い先行馬。
逃げなければいけない、という馬ではない。機動力があり、今回の中山1800でも立ち回れるとは思うが、平坦コースのほうが成績が良いのは事実。結構いいメンバーが揃ったし、休み明けだし、いろいろ不安要素が多い。

前走の海外遠征はさておき、2走前のエリザベス女王杯(京都外2200・良)を振り返る。標準~やや時計が出やすい馬場。
12.3-11.2-12.9-12.7-12.3-12.5-12.5-12.0-11.6-11.4-11.7 (61.4-59.2)
9番枠から好スタート。内のプリメラアスールが押しながらポジションとってきたのに対し、持ったままですんなりとハナを切る。道中はペースを落としてスローにコントロール。4角の下り坂で徐々に後続を引き離して直線。残り100mまで先頭で粘っていたが、最後はリスグラシューに差されて2着。
ペースをコントロールしてからの一脚の持続力は目を見張るものがある。また、京都の坂を下るのがうまい。ここで後続に差をつけている。

ステゴ産駒のイメージ的にタフなレース得意なイメージがあるが、平坦コース以外でペースが上がった時は脆さを見せている。まあ先行馬だしね。
おそらく平均ペースくらいならこなせると思うので、あとは状態面と枠順次第かな。

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デンコウアンジュ 追込・差し C
結構過小評価されがちな馬。まあ条件が合わなければ惨敗してしまうからなあ。
基本的に器用さは一切ない馬で、時計勝負も苦手。高速馬場で厳しいペースからの速い上がり、みたいなレースは全然ダメで、前走のターコイズSみたいな上がりがかかる展開が向いてる。以前は上がり勝負もこなしていたが、今はキレ負けるようになっている。それでも2走前のキャピタルSは上がり勝負で僅差での敗戦。まだまだやれる。

前走のターコイズS(中山外1600・良)を振り返る。やや時計が出る馬場。
12.3 - 10.8 - 11.1 - 11.3 - 11.5 - 11.8 - 11.7 - 12.2 (45.5-47.2)
ハイペースで消耗戦気味。6番枠から後方、道中もずっと後方。直線入り口で差し追い込み勢が外へ進路をとったためインにスペースができ、そこへ突っ込む。一瞬進路がなくなったが最後は最内へ突っ込んで3着を確保。スムーズなら、という内容だった。

器用な競馬はできないので、今回も内枠だった場合は前走のように恵まれないと厳しいかと。外枠のほうがいいな。展開は向きそう。引き続き中山で狙いたい一頭。

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ノームコア 差し・先行 A
ここまで抜群の安定感で自在に競馬をしてきている。牝馬戦線で最上位の一角を担っている。

前走の愛知杯(中京2000・良)はスタートで躓き後方からの競馬を余儀なくされたが、大外から差し込んでの2着と新しい一面を見せた。
12.9 - 11.4 - 12.9 - 12.8 - 12.2 - 11.8 - 11.7 - 11.8 - 11.2 - 11.3 (62.2-57.8)
かなりのスローで直線勝負。ラスト2F、11.2-11.3と速いラップを刻んでる区間でもしっかり差を詰めているし、質の高い末脚だった。

ただこういうスローからの末脚比べ、というよりは今回のような中山1800っぽいレースのほうが向いてると思う。紫苑Sは最後の坂でもすごい脚だったし、パワーは間違いなくある。3~4角でうまく進路確保しつつ立ち回れば、この相手なら。

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フローレスマジック 差し D
前走の中山1600から今回1800へ延長するのはプラス。ゆったりと運んで末脚を引き出してきた。
前走のターコイズSは後方からインに突っ込むがイマイチ伸びきれず。やはりあのペースは忙しかったと思われる。
今まで少頭数のレースが多く、またそのレースぶりからしても内枠が欲しいところ。外からこのメンバーをねじ伏せるほどの脚は見せていないし、このクラスの中山1800適性がどうかなあというのはある。中山1800実績あるといっても条件戦のペースだし。

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ここまで書いて出馬表が発表されてしまった。。。
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フロンテアクイーン 差し・先行 C
安定感抜群の善戦マン。5枠7番というめちゃくちゃ微妙な枠になった。
ある程度速いペースにも対応できるが、使える脚はそこまで長くない。外から動く形になるとちょっと厳しい。
一昨年の中山牝馬Sは14番枠から中団外で進め、3~4角で動かなければならない競馬に。直線しばらく踏ん張っていたが、最後の坂で失速。平坦や少頭数なら外からでもなんとか踏ん張れてるんだけど、中山ではなかなかそうもいかない。
インに先行馬が多く、内をとるためにはポジションを下げることになるかもしれない。やや評価を落とす。

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ミッキーチャーム 逃げ・先行 C
秋華賞では厳しいペースを刻んで強い2着。今回は同型も多く、また最後には中山の急坂も待ち構えている。そんなに楽ではなさそう。
枠の並び的に逃げるのは難しそうだが、番手からでもやれる馬。あとは極端に後ろにならないようにポジションとって、外から動いてどこまでやれるか、って感じ。

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ランドネ 先行・逃げ D
距離短縮○。パワー系の先行馬だが、前半忙しすぎると後半厳しくなりそう。マイペースで逃げられるという感じでもなさそうなので、かなり苦戦させられそう。実際秋華賞ではミッキーチャームに大差つけられてるわけだし。

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レイホーロマンス 追込・差し B
地味ながらエリザベス女王杯以外は善戦している。昨年と同様、愛知杯→中山牝馬Sのローテーションだが、今年は愛知杯7着。しかし、展開も向いていなかったのは事実で、今回の中山替わり&短縮&外寄りの枠替わりで一変してもおかしくない。デンコウアンジュ同様、過小評価されがち。展開も向きそうなここは期待できる。

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ワンブレスアウェイ 差し・先行 D
愛知杯の覇者。内でうまく立ち回って直線ちょい差し、という競馬で勝ってきている。今回は大外枠、ポジションは後ろ寄りになりそう。前目のポジションとれたとしても外から動く立場になるので苦しい。前走とは全く違う適性を求められると思うので、買ってもヒモまでかな。


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