風邪のための常備薬
寒くなりました
つい先日まで暑い暑いと言っていたのに、ここ最近、朝晩がぐっと冷え込み、「寒い」と感じるようになった。この間など、お風呂から出て、しばらく机で作業をしてからベッドに入ったら、足先が冷たかった。そしてその冷たさがなかなか消えなかった。久しぶりに「湯冷め」という言葉を思い出した。
寒くなると、ちょっとしたことで、すぐに喉が痛くなる。そして発熱し、ひどい咳に悩まされ、鼻水が出てきて終了というのが、私の風邪の通常コースである。だから、風邪をひかないためには、喉の痛みを抑えるのが必須事項となっている。
喉の痛みを抑える常備薬
子どもの頃から、喉が痛くなると、医者に処方されたうがい薬を使っていた。頻繁に喉を痛める私は、そのうがい薬を常備薬としていた。
しかし、その薬が私の風邪を抑えることはなく、ほぼ100%発熱した。頑張りが足らないのかな?と、何度もうがいをしたが、結果は変わらなかった。
ある日、ネット記事で「うがい薬が喉の痛みを悪化させる」という記事を見つけた。当時使っていたうがい薬は「殺菌消毒作用」を目的としたものだったが、使い過ぎると粘膜障害や口腔内の常在細菌まで殺してしまう可能性があるらしい。そして、喉の痛みを抑えるには、痛みや炎症を抑えてくれる「抗炎症作用」のある薬の方が良いと書かれていた。
「殺菌消毒作用」ではなく、「抗炎症作用」が良い。ああ、なるほど。まさに。そうか。症状への対処法が間違っていることに気づいた。
早速、「抗炎症作用」のスプレーを購入し、喉の痛みが出た時に使ってみた。なるほど、症状が治まる。「殺菌消毒作用」のうがい薬を使っていた頃は、喉の中に白い膿を作り、唾液を飲み込むにも涙が出るぐらいのことも多々あったが、「抗炎症作用」のスプレーを使い始めてからは、一切そんなことはない。
何十年とうがい薬で頑張った日々は何だったんだろうと思わないわけでもないが、悪化しない手段が得られたことの方が数倍嬉しかった。
それが約10年前。常備薬は、「殺菌消毒作用」のうがい薬から「抗炎症作用」のスプレーに変わった。そのスプレーは、常備薬として今も活躍している。
ひどい咳を抑える常備薬
「抗炎症作用」のスプレーによって、風邪をひく確率はかなり低くなったが、それでも悪化することはある。そして最も辛いのが、24時間止まることのない咳である。
ずっと咳き込むので、眠ることが出来ない。咳が頭に響いて頭痛がする。腹筋運動をしたようにお腹も痛い。ひたすら息を吐き続けるので、つられて食べ物を戻す。さんざんである。
更に問題なのは、医者に処方してもらう薬が効かないことだ。
実は母も同じく、ずーっとひどい咳に苦しんでいた。ほぼ毎年、冬の間は四六時中咳をしていた。だから、これは遺伝であり、この体質は治らないものだと思い込んでいた。
ひとり暮らしをしてた時、いつものように風邪をひき、止まることのない咳に苦しんでいた。どうしたものかと悩んだ末、徒歩1分の薬屋さんに行くことにした。
その薬屋さんの店主は、かなり年配の女性だったが、非常にキツイ性格で口うるさい人だと、近所でとても有名な人だった。だから、出来る限り避けていたのだが、咳がひどすぎてそんなことはどうでもよくなっていた。少しでも症状を軽くしたい。その一心だった。
店主に症状を述べると、彼女は笑顔で「これが効くよ」と、ある咳止め液を出してくれた。いつになく優しい彼女に、意外な気持ちを抱きつつ、お金を払って部屋に戻り、勧めてくれた薬を服用した。
すると、ほとんど途切れることのなかった咳が、時々咳き込むレベルに下がった。医者の処方薬もあらゆる市販薬も効かなかったのに、まさか、私のこのしつこい咳に効く薬があるとは。あまりにありがたくて、その後、その店主にガミガミ言われても、あまり嫌な気持ちにならなくなった。
以降、その咳止め液も常備薬として欠かせない存在になっている。
それでもひくときはひく
喉が痛くなりそうになると、これら常備薬を取り出し、使用期限を確認する。期限が数か月後の場合、買い足すようにしてるのだが、最近は、期限切れになっているのを見つけることが多くなった。何故かと言うと、風邪をひく回数が減っているからだ。
以前は冬の間に、咳止め液を2本ぐらい消化してたが、今は1本無くなるかどうかぐらいだ。大声で話す講師業を辞めたこと、在宅勤務で体調が悪くて出勤することが無くなったこと、毎日軽い運動をしていること、平日はほぼ自炊で栄養バランスを考えた食事を摂れるようになったこと、などなど、生活が変わったせいかもしれない。
が、どんなに注意していても、風邪をひく時はひく。実際、今年6月には喉の痛みからの発熱で数日寝込んだ。それでも、頼りになる常備薬のお陰で、症状は抑えられ、治るまでの期間も短くなっている。