英語読本の模索
話す勉強をする気になれない
なんとなーくダラダラと英語の勉強をしている。いや、勉強というほど熱心なものではない。学習法を読む方が面白くて、英語そのものの勉強はあまりしていない。
私の場合、英語を話すとしたら海外旅行ぐらいしかない。もし今後海外旅行に行くことがあるとしても、AIの進化を見るに、スマホがあれば乗り切れるんじゃないかという気がしている。
そもそも旅行先が英語圏だとは限らない。スマホならどんな言語も翻訳してくれる。実際、家の近所を散歩中にアジア系の人に道を尋ねられ、スマホを介して答えたことがある。
日常生活で英語を話す機会が1%もないのに、その勉強に時間を割くのは、なんだか無駄な気がする。
字幕で英語を聴く
一方で、英語圏の映画・ドラマは英語で聴きたいと思っている。字幕があれば、ある程度、英語を聴きとることは出来る。そして英語だからこそわかる感覚というのもある。
例えば、米ドラマ「THIS IS US」で「If you do, I'll be forced to Nagasaki your life and career.」というセリフが出てくる。Prime Videoでの字幕は「仮に去るなら君のキャリアを破壊する」。つまり「Nagasaki」を「破壊する」という動詞として使っている。字幕だけでは「Nagasaki」の存在はわからない。「Nagasaki」という単語が耳から入ってきた瞬間、ぞわっとしたが、この単語が聴こえなければ、こんなに暴力的な造語を使う男が、どれだけ無神経でイヤな奴なのかが、瞬時に把握出来ない。
逆に、米ドラマの中で、日本語セリフ&英語字幕のシーンに出会うことがある。あまりにシンプルな表現になっていて、いや、ちょっと、それは違うと思うことも多い。翻訳では、残念ながら消えてしまう「言葉の深み」というものがある。
だから、英語圏の映画やドラマは、出来るだけ英語で理解したいなという気持ちがある。でも、字幕なしでとは全く思わない。字幕ありでも案外英語は耳に入る。「ウィーン」が「Viena(ヴィエナ)」だと覚えたのは、このスタイルを通してだった。
それにしても、私が見る映画やドラマでは、「Viena」がよく登場するんだけど、みんな、ウィーンで事件を起こしすぎ。
フィットする英語本がなかなかない
英語を聴くことの手助けになるのが、英語を読むことだ。だが、その素材を見つけるのが、なかなか難しい。20年ぐらい前には、英語多読でオススメのPenguin ReadersやLadder Seriesなどを頑張って読んでみたが、あまり面白くなくて、数冊でギブアップした。
唯一読み切った洋書は、Louis sachar著「Holes」のみ。2cmぐらいの厚みのあるペーパーバックだったが、そんなに分厚いのに読み切れた理由は、事前に配信で映画『穴/HOLES』を見たからだと思う。この映画、日本での劇場公開はなかったが、シガニー・ウィーバー、ジョン・ヴォイト、シャイア・ラブーフと、日本でもよく知られた俳優が出てて、親しみがもてた。
じゃあ、映画やドラマの原作洋書なら楽しく読めるのかというとそうでもないのが、私のメンドクサイところだ。
NHKラジオ講座の復活
AI検索エンジンGenspark曰く、日本人全体の平均的な英語力はCEFR A2からB1程度で、社会人や大学生ではB1レベルが多く、中高生ではA1からA2レベルが一般的らしい。CEFRとは「ヨーロッパ言語共通参照枠」(Common European Framework of Reference for Languages)の略称で、言語能力を評価するための国際的な基準だ。
その平均的なレベルで構成され、読み聴きに特化したNHKラジオ講座に、「 エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」という番組がある。CEFRレベルは、月曜日から木曜日がA2、金曜日がB1となっている。
この講座の良いところは、ラジオでもテキストでも和訳がないことだ。和訳があると、つい、そちらを読んでしまう。日本語を介さず、英語のまま理解するクセをつけるなら和訳はない方がいいと思っている。どうしても日本語で理解したい場合は、翻訳ツールを使えば解決できる。
実はこの講座、随分昔から何度も聴いているのだが、今ひとつ内容が面白くなくて、ちょっと聴いては止めてというのを繰り返してきた。ところが、先月、久しぶりに聴いたら大幅に内容が変わっていた。
例えば、先月の水曜日は「Japan's Top Inventions」というテーマで、回転ずしのベルトコンベア、パックマン、自動炊飯器、傘袋装着機の開発話が取り上げられ、木曜日「Wisdom from the West」は、ミダス王、王様の耳はろばの耳、セイレーン、オリオンという馴染みあるギリシア神話、そして金曜日「Lupin, The Gentleman Thief」は、怪盗ルパンの話となっていた。どれも私の好みである。
ちょっと面白いなと思ったので、テキストも購入した。するする読める割にそれなりの手ごたえもある。ごく平均的な英語能力しかない私用の英語読本としては有効かも?と思っているところである。