③dayBirthができるまで
コロナの感染拡大により集まる「場」が失われた
2020年、春。人々の生活は激変しました。その影響は株式会社60にも当然の如くありました。大勢で集まる場は制限され、緊急事態宣言下においては人に会うことも許されない。そんなことが日常になってしまいました。
このままでは「みんなの還暦式」の開催が出来ない。オンライン化を推進していくことも議論しましたが、一旦は世間の動向を確認するべく静観することに。考える時間がたっぷりある中、これからどうやって会社を経営していくか。そんなことを頭の中でグルグルさせる日々が続きました。
集まれなくても、写真を残すことは出来る?
元々、株式会社60としては「みんなの還暦式」を世の中に広めた後に、60歳以上の方々のセカンドライフを充実させるために、様々なサービスを構築していく予定でした。(というか今もその予定です。)
しかしその計画も、みんなの還暦式が認知されていってこそ実現できたプラン。このままでは、どうすることもできない。そんな歯がゆい日々。
還暦式を実施した時に撮影した写真は、その方のいつかの遺影の写真としても使用できるようにという意図もあったので、この写真だけでも撮影することはできないか?そんなことを考えるようになったのが緊急事態宣言真っ只中のゴールデンウィーク前。
60overの方々は写真は好きだけど、恥ずかしさもある。遺影の写真を自分から頼むことには、多少なりとも抵抗があるのではないか。そんな懸念もあり、どうすれば良いかを悩んでいた時。GWの半ば、5月1日に37歳の誕生日を迎えた盟友冨士くんがSNSに投稿したのが次の記事でした。
冨士くんが自分の誕生日に母へ送った花束
彼のSNSには、この写真とともにこんな文章が載せられていました。
今日は母と久しぶりに電話で
話できて良かった。
もともと肺炎を患ってる母だから、
今のコロナが蔓延しているのは危なくて。
外には出ないでほしい。
祖母も花が好きだったし、
母もやはり花を愛している。
花には、人の心を明るく、
穏やかにしてくれる力がある。
そこに私の誕生歴分
37本の花を贈りました。
お母さん、いつもありがとう。
今日も俺は前向きに明るく、
生きています。
僕はこの投稿を見て、またいつものイタリア人気質が出てる彼らしい投稿だなと思うと当時に、こんなにも嬉しそうにしている冨士くんの母親の笑顔が最高だなと思ったんです。
自分の誕生日に、親に感謝を伝えるためにプレゼントを渡す。
この投稿をヒントに、僕の中でインスピレーションが湧いたのです。
このプレゼントをお花ではなくて、写真を撮影する機会の提供、そしてご実家で飾ることが出来るパネルを渡すのはどうだろう?そうすることによって、親の写真は自分の手元にデータで手に入れることが出来るので、万が一のことがあっても、その写真を遺影として使用することができる。
この想いを毎週の定時MTGで冨士くんに話し、そこから一気にコロナ禍における新サービスとしてリリースしようということになりました。
自分の誕生日の概念をひっくり返す
誕生日の概念をひっくり返す。『おめでとう』から『ありがとう』へ。ということでサービス名は「dayBirth(デイバース)」となりました。
インスピレーションが湧いてから、サービスリリースまで約5か月。早いのか遅いのかわかりませんが、ようやくここまで来ることができました。
1ヶ月でサービスの概要を固め、即座にサンプルモデルを募集し撮影。そしてコンセプトムービーの作成。後半は事業モデルの確立と、さらなるモニター撮影。改めて振り返ると怒涛の数か月でしたね。でもサービスが出来上がる瞬間って、おそらくこんな感じなんだと思います。
最高のコンセプトムービーも出来上がりました。是非一度ご覧ください。
dayBirthの今後の展望については、また次に書くとして、次に冨士くんが実際にdayBirthのサンプル撮影した体験を通して感じたことを記事にしてくれます。