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東京赤坂ホテルニューオータニのラウンジにて

彼女の赤坂での仕事ミーティングが終わり、彼女と合流した僕は、完璧なデートプランの通り、ホテルニューオータニに向かった。

外は汗ばむくらいの陽気。まだ残暑の雰囲気が残っている雲ひとつない空だった。

二人は今日が初めての出会い。たどたどしく話しながら歩く赤坂の風景は、まったく目に入らない。僕は会話がとぎれないように必死に話題を探していた。

赤坂見附側からホテルニューオータニに向かうと、本館のラウンジは結構遠かった。しかも建物が入り組んでいて、階数の繋がりがわかりにくい。なんとかラウンジにたどり着いたときには午後2時を回っていた。ちょうど先客たちのビュッフェランチが終わりかけていた。

二人ともしっかりと目をみつめながら話をする。彼女はとてもかわいい。いや49歳の女性に向かってかわいいというのは失礼なのだが、そう表現するのがもっとも合っていると思った。

いろいろな話をした。これまでLINE電話で散々いろいろな話をしていたのに、まだ話すことがあるのかと我ながら不思議に思いながら、二人の会話は続いた。

過去の話。現在の話。また過去の話。友人の話。弟の話。妹の話。父母の話。仕事の話。また過去の話。

あっというまに2時間が過ぎていた。ほぼ満席だったラウンジに、人影が少なくなっていた。僕の完璧なデートプランでは、六本木に移動する時間をすぎてしまっている。そろそろここを出なきゃと考えていたときである。

ここで衝撃的な言葉が彼女の口から飛び出した。

それは予想だにしなかった内容。普通の人なら10秒くらいフルーズして、だまりこんでしまうような内容。

しかし、僕は、その問に間髪いれず答える事ができた。

(To Be Continued)


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