正しい知識で、正しく恐れる

 道具は間違った事をしない。使う人間が間違った事をする。
という基本的な事も分からないままAIを悪者として扱っている人を多く見掛ける。
AIだってしょせん道具でしかない以上、この例から外れる事は無いだろうに。

 さて、世界エイズデーはご存知だろうか?
12月1日。毎年この日はエイズに対する偏見や、患者に対する差別を失くそうと知識を広め、理解を求めるイベントが各地で開かれる。
未だに触られたら感染する、近付いたら感染するなどといった間違った知識からくる偏見で差別を受けている人達がいる。

私は子供の頃『ろくまるに触られたらろくまる菌がうつるwww』なんて扱いを受けた事があるが、このレベルの事をいい歳こいた大人達がやっている訳である。
なんともみっともない話だ。

 AIにしろ感染症にしろ、何かを恐れるには正しい知識が必要だ。
正しい使い方、正しい対処法が分からない内から悪い使い方、悪い対処法が分かる訳がない。

身近な例で言えば包丁。あれは調理器具として使うのが正しいのであって、人を傷つけるような道具じゃない。
ましてや、持った人が狂暴化して振り回すような呪われた道具なんかじゃない。
日々是勉強というのは、そうやって知識を得てコワいモノを克服する事なのだ。

ただ、何かある度に”道具が悪い!周りが悪い!自分は悪くない!”という考え方で大人になった人はもう手遅れかも知れない。
周りの人たちの努力むなしく、こういう人が改心した例は見た事が無い。

話を戻そう。
AIイラストに関していえば、自分自身の絵柄を学習させて作業のサポートに充てている人達は正しい使い方をしていると言える。

悪用されるのが悪いんだから悪用されないような仕組みを作れ、なんて言う人もいる。
そりゃある程度のセーフティというのか、そういうのは必要だろうけど優先すべきは使う人の知識や良心、道徳心だし、こういう使い方をする道具ですよと広めてくれる協力者も必要だ。

なのでまずアナタから理解して下さいねとか、協力して下さいねと言うと途端に黙って下向いちゃうんだこういう人達は。
何で自分が協力しなきゃならんのだと怒り出す人までいる。
これではいけない。

 繰り返しになるが道具にしろ感染症にしろ、何かを恐れるには正しい知識が必要だ。
テレビが言ってたから正しい、有名な人が言ってたから正しい、皆が言ってるから正しい。
そんな他人に流されて間違った知識を広め、偏見や差別を生むような事が無いよう気を付けたいものだ。

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