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未来をよくしたいと考えたら、『育休』を取る以外の選択肢がなかった

こんにちは、げんきです。

今日は、『男性の育休』がテーマです。

私には、今月2歳になる長女と2か月の次女の二人の娘がいます。
現在は、次女の出産に合わせて2か月間の育休を頂いています。残り2週間程度、家族との時間を最大限楽しみたいと考えています。

せっかくなので、がちがちの「家制度」の考え方で育ち、以前は「男が育休なんて…笑」と鼻で笑っていた(←実話)私が、育休を取得した理由について簡単に振り返っておきたいと思います。


乳幼児育児は、お母さんの仕事!?


北関東の田舎の村(比喩ではなく、実際高校生までは”村民”でした!)出身の私にとって、育児、特に乳幼児育児はお母さんの役目と心の底から思っていました。

もう少しいうと、お母さんが乳幼児育児をすることに対して、自覚的に「当然そうだ」と思うわけですらなく、空気がそこにあるのと同じような当たり前であって意識すらしないレベル。

「なんでだろう?」といった”疑問”すら生まれない状態でした。

男親の役割は、一緒に遊べるようになった3歳くらいかな~、というイメージ(こちらも、自覚的にそう思っていたわけではなく、なぁんとなく、というのが本心)で、これは自営業だった父に小さいころからとてもよく遊んでもらったことが原体験になっています。

端的に言うならば、育児(特に乳幼児育児)に対して『当事者意識』を欠いた人生を送ってきた、のがいままでの私でした。

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データで見る男性の育休


私の個人的な話を続ける前に、男性の育休についての全体感に触れておきたいと思います。

連合調査によれば、2020年の男性育休取得率は13.4%となっています。
2019年調査時点で、7.5%だったので大幅増していることがわかります。
とは言え、いまだ1割程度の取得率。
加えてこのうち、2週間未満の短期取得者が7割を占めています


この数字をどうとらえるか?

「出産」という大仕事を終えられたお母さんの視点から、評価をしてみたいと思います。


お母さんの産後6~8週間は、『産褥期』といわれ、子宮がもとに戻ったり臓器の回復など出産に適した体から元の体に戻るための移行期です。

出産自体、交通事故レベルの身体への損傷があるといわれており、いわばボロボロの状態

ホルモンバランスが崩れ、精神的に安定しない上に、赤ちゃんの睡眠のリズムもできていない為、満足には眠れない時期が続きます


夜も3時間おきの授乳で連続した睡眠もとれません。

逆に言えば、3時間は連続してねむれるのか!?

実際は、おっぱいをあげたいのに、乳腺炎でおっぱいもあげられず、激痛に耐えることもあり得ます(20~30%がなるそうで、私の妻は長女・次女ともにかかり本当に辛そうでした)。
夜も3時間おきと聞いてたのに、1時間くらいですぐに起きてしまう頻回授乳のケースもよく聞きます。

これらは別にレアケースではありません。

旦那は隣で寝てるのに、「仕事があるから…」、「おっぱいじゃないの?」と、寝息を立てる


ここまで読んでみてどうでしょう?

お母さんを徹底的にサポートし体を休めてもらわなければならない期間に9割の方が通常通り勤務をし、育休取得者の7割が2週間未満なのは、少ないと思ってもおかしくないのではないでしょうか?

「育休取得がえらい」とか「育休も長くとるのがよい」とだけ言っているわけではありません。(まぁ、言ってるんですけど笑)

言いたいのは、

・そもそも、男性の側から「産後女性のケア」を考えたことがありますか!?

・「出産は大変だけど、生まれたら奥さんが面倒をみるんでしょ?だって、ボクはおっぱい飲ませられないし!」と思考放棄していませんか!?



女性の社会進出で、ワークライフパニック


冒頭から「産後女性のケア」の視点で男性育休の意義についてまくし立ててしまいましたが、いつから私の意識が変わってきたのか?

田舎から出て、東京の大学を卒業し、社会人になってからも私の意識は特には変わりませんでした。

周囲が、「男性は外で働き、女性が家庭を支える」という価値観だったからです。

さらに言うと、女性の採用強化・社会進出の流れの中で、「女性は家庭を支えながら、仕事でも活躍してもらう」と女性の側に多くの負担がよるのが当たり前。

そんな流れの中にあったように思います。

やはりここでも一番問題なのは、みんなが意識的に「女性が仕事も家庭も頑張るべき」と考えているわけではなく、なんとなくそうせざるを得ない状況になっていることなんだと思います。
よっぽどでない限り、「女性は家庭も家事も両立して、社会進出で増えた負担は女性が頑張りましょう。」という人ははいないんです。
なーんとなくそうなっていて、それが前提となったうえで、社会が回っていることが問題なんだと思います。

私はというと、「やっぱり、働くお母さんは大変なんだな~。早めに帰れるように帰り間際に仕事を持っていくのはやめよう~」と、当事者意識のカケラもなかったように思います。

平成の30年間で女性の社会進出が進み、家庭も仕事もタスクを負わされた女性に対し、「ワークライフパニック」と名付ける方もいらっしゃいます。

私の周囲には、少なからぬ数の方が「ワークライフパニック」に陥っていたように思います。

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異なる価値観に触れ、当たり前を疑う


私の意識が少しずつ変わってきたのは、結婚が契機でした。

大学時代からの一人暮らしのおかげか、家事については特段の苦手意識がなかった私も結婚生活となれば別。
給料は奥さんよりも稼いでるし、残業も多い。
であるならば、家事負担を多めにするのは、奥さん側。
家事は不得意ではないし、できる範囲のことをやる。
平日早く帰れたらご飯も作るし、お弁当は一緒に作ろう、休日は1日2食くらいは僕の方でやるよ。
掃除も一緒だね。

こんな感じです。

一般的(?)な男性よりもやっているんだ、というスタンスでしたが、前提となっていたのは、心の奥底にある「家事は女性がやるもの」という意識でした。
さらに言えば、料理やガーデニングが趣味の母を見ていた経験から、「女性は家事を楽しみながらやるもの」とすら思っていた節もあります。

一方、私の奥様。

家事はそもそも大嫌い。やらなきゃいけないタスクとしてはこなすものの、それ以上はしたくない。


パートナーとして最低限のことはやってもらえるものの、根底に流れている価値観が全く異なるのです。

建設的なものや醜いものを含め、言い争いをとてもたくさんしました。


言い争いで得たこと。

それは、今まで空気のように当たり前だ、と思っていた価値観のおかしさに気づいたことです。


言い争いの中で、妻から問われます。

「なぜ食事を作ることが、私だという前提になっているの?」
「夜の授乳はすべて私なの?ミルクを作ればあなたもあげられるよ。」
「保育園を考えるのもすべて私?」
「給料が低いということで私が家事をするということであれば、あなたより給料が上がったらあなたが家事をすべてするの?」
「私にだって、やりたいことや夢はあるの。『応援してくれる』といった言葉は口だけなの?」
「あなたと一緒に結婚生活を作っていきたいし、子育ての時間も共有したい!」

普段から考えもしていなかった私が屁理屈以外で答えられるわけがありません。

妻からの鋭い質問によって、少しずつ私の考えも変わってきました。

少しずつ「当たり前」だと思っていたことに、疑問が湧き始めたのでした。

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大切なのは無理して頑張ることではない


大変な状況にあるとき、そこでとれる選択肢は二つあります。

一つ目は、気力・体力の続く限りがむしゃらに頑張ること
二つ目は、他のやり方を考え実践すること

です。

家事・育児の負担が女性の側によってしまって大変、幸せになるために結婚したり、子育てをしたりしているはずなのに、日々の生活に疲れてしまって疲弊するばかり

という状況に男性が取れる方法は、

仕事で大変な中で、さらに寝る間を惜しんで家事・育児を抱えて、がむしゃらにやる

というものがあります。

結果として、それで回っていくことも多いかもしれません。

もしかすると、私の家事レベルであれば、乳幼児二人を抱えながら、奥さんの産後ケアを若干ないがしろにすれば、何とか走りきることも可能だったのかもしません。


一方でその頑張りによって、「乳幼児が二人いても、仕事と両立するのは問題ない」という従来の無自覚な価値観を強化することにつながってしまうかもしれません。

職場へ負担をかけても、「男性の育休」が新米パパたちの現実的な選択肢に挙がるきっかけになり、未来がより良い形になるためのきっかけにしたい。

それも育休取得に踏み切った主要な理由の一つです。


「いやいや、周囲に迷惑をかけながら自分勝手すぎるのではないか?」と異なる意見をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

奥様の側からしても「私は家事・育児をすることが好き。旦那が仕事に全力投球できるためのサポートが生きがいだから、育休なんか取ってほしくない」という方も一定数はいるんだと思います。

個人の価値観なので、否定をするものではないですが、

・乳幼児育児はお母さんだけのもの、という『無自覚な』当たり前に気づくきっかけになる
・その結果、現実的な選択肢として、男性の育休取得
が現実的な選択肢に挙がるようになる

こういった目的ももって育休を取得しているということを理解してもらえると嬉しいです。
5年後、「は?何言ってんの?」とこの記事自体が意味のないものになるくらい、男性が育休を取って奥様のサポートと家族との時間を大切に過ごせる社会になっていてほしいなと思います。


無自覚な当たり前にまずは気づくことから!!

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