HINOMARUの話
タイムライン上で上がっていたRadwimpsへの抗議行動呼びかけを見ての投稿です。
まず表現者の端くれとして、表現の自由を毀損するその行動に対して反対の意を示します。
そういった内容ですので、不快な方はスルーしてください。
個人的に初期radwimpsのファンとして、HINOMARUという曲が発表されたのは大変残念でした。ですが、だから歌うなとは思いませんし、その権利もありません。上記した表現の自由の範囲内である、と思うからです。
表現の自由が規制される場合は現行法上以下の2点です。
・他者の名誉や人格を傷つける内容の場合。
・ワイセツなものの場合
2つ目の線引きに対する議論はまだまだなされるべきですし、事例によって変わるとは思うのですが。それはそれとして、今回の曲は上記二つに当てはまるでしょうか?
名誉を棄損された、とするならば、事実とは違う内容で書かれてしまった日の丸、およびその管理団体(つまり国)でしょうか。
日の丸自体が国のアイデンティティとして使用されだしたのは、幕末船舶用国籍旗として使用されてから。明治から戦争の終わりまでは国旗は日の丸でなく旭日旗ですから、国旗となったのはさらに最近です。
「古からの」の記載が虚偽である、と言えるかもしれません。
または、神社等の「御霊(みたま)」をお祭りしている組織です。「御霊」は神様の和魂、荒魂等の形を差します。俗にいう「英霊の御霊」は、英霊として祭られた方の神様としての形、という事になります。
「僕らの燃ゆる御霊」という表現が「御霊」の在り様を間違って伝えている、「御霊」に対して不敬であるというクレームが出れば、それは正当なものでしょう。
ですが、抗議団体の方々はそういった方たちなのでしょうか?そうならば、それはデモではなく法廷で戦うべきです。
また、国内法ではなく、国際人権規約に基づいて考えるならば、戦争の喧伝、差別の助長に対しては表現の自由は規制されなくてはなりません。
「軍歌のようだ」が上記にあたるかです。たしかに、軍国主義的なワードに対しての配慮は表現者として行うべきですし、そこの配慮がない曲に対しては残念というほかありません。ですが、それは数の暴力をもってなされるものではないでしょう。
同時に、「軍歌のようだから自粛してほしい」と伝えることは発信者の自由です。ですが、数の暴力をもってそれを行うのは表現者の権利を毀損しています。
ならどうしろと、と言われれば答えは一つです。気に入らなければ聴かなきゃいい、が正解です。
あ、あの歌は聴くな、を喧伝するのはアウトです。威力業務妨害です。気に入らなかったあなたが聞かない、それだけです。
問題だと思うのならば、気にいらなかったあなた自身が、表現者に対して気に入らない、と伝えることです。
それを受け取るか受け取らないかを決める、という内心の自由が我々全員に保証されています。
そしてもし彼らが、「うちてしやまん」「その身は御国のためならん」といいだしたとき、はじめて「憲法の規定する基本的人権を否定する内容だ」と言えばいいのです。
以上の理由をもって、表題の曲に対するライブ会場前の抗議行動に反対致します。
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