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『斉木楠雄のΨ難』 3巻 感想

概要

著者:麻生 周一

初版発行:2013年
デジタル版発行:2013年
発行所:集英社

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発行者による作品情報

超能力者・斉木楠雄が迎えた体育祭。超能力の調整をしながら、無難にしのぐものの、突然の危機が!!楠雄の頭についている謎のアレを、燃堂に引っこ抜かれてしまったのだ!!アレの役割とは…!?【同時収録】特別読切 劇団!!インプロビゼーション
Apple Books|麻生周一『斉木楠雄のΨ難 3』

感想

 斉木が超能力者ということ込みで「そうはならんやろ」とツッコみたくなる展開続きでした。超能力者が主人公なのに日常の「あるある」的な話が多くてそこも面白いです。
 特に好きなのは第28χ「Ψ厄に遭わない為には…」です。占いの館を巡ってのやりとりは勿論、単なるギャグだけじゃなくて海藤の良い奴っぷり("騙されやすさ"でもあるのだが…)も出ていたので、海藤への親しみやすさがさらに増しました。

 第29χ「照橋さんΨ大の試練」の最後で斉木が(モノローグとして)言った「あそこまで完璧に演じきれるならこの子はもはや完璧なのかもしれない…」という台詞の由来は『徒然草』第85段の「偽りても賢を学ぶばんを、賢といふべし」でしょうか。
 (斉木のような特例を除いて)人は心の中まではわからないので、表に出る言動で判断するしかない。「完璧な人間」に徹せているのであれば、本心がどうであれその人は「完璧な人間」と評価されるもの、ということなのかなと思いました。

 「おかし」のあいうえお作文(第26χ)といい、覚えたての佐藤健(第28χ)といい、1エピソード内で同じギャグを連発しているのにくどさを感じないのは流石。

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