ブラックスノウ 名馬列伝

主な勝ち鞍:牝馬G1完全制覇、アイルランドオークス、コロネーションS、ドバイターフ

名牝オーヒロインの6番仔、全兄には言わずと知れたマルゼンスキー三兄弟が居る。
また、6、7、8番仔(ブラックスノウ、オータムサニー、ゼブラニムバス)はマルゼンスキー三姉妹と言われ、その長女として競馬ブームを牽引した。
オーヒロイン初の牝馬となった当馬はその血統から大きな期待が寄せられた。
そのデビューは鮮烈で、夏のデビュー戦ではもったまま大差勝ちを果たす。
ヘビーレインの再来と言われた同馬は2歳時戦績を5戦5勝。G1勝ちは阪神ジュヴェナイルフィリーズの1勝のみとなったが、同年末、兄セイテン、クラウディが後を任せるように引退。任せろと言わんばかりの大差勝ちだった。

年が明けても快進撃は続く。
桜花賞を10馬身でも足らないほどに大差を付け勝利するとNHKマイルカップへ出場。
牡馬相手に引けを取らないスピードで完勝。続くオークスも大勝すると3冠への道がはっきりと見えたと調教師は語った。
秋華賞前は海外へと遠征。アイルランドオークス、ヨークシャーオークスと世界のオークスを席巻。最早3冠が通過点とも見える走りで秋華賞も圧勝し無敗で牝馬三冠を達成した。
この時点で母オーヒロインは牡牝クラシック三冠馬を輩出したことになり、一時代を築いた偉大なる母として確固たる地位を築いた。
エリザベス女王杯では古馬相手にも圧倒的な走りを見せたが、兄たちのような年末のローテーションを組むことは無く、年末はG2阪神Cで3歳を終えた。
その戦績は10戦10勝。無敗での牝馬三冠を含むG1 8勝の記録は前年ターフを去った兄たちへのメッセージとも思える一年だった。

4歳に入り陣営は年明け早々本年での引退を表明。
ラストイヤーとなるこの年はよりハイレベルな牡馬相手のレースも選択していくこととなる。
京都記念で初戦を制すると、その後ドバイターフへ挑戦。
本年での引退が惜しまれるほど完璧なレース運びで優勝をもぎ取る。
その後日本に帰りヴィクトリアマイルへ出走。最早牝馬に敵なし、国内マイル戦線で猛威を振るっていたダイイチルビーを寄せ付けず牝馬G1完全制覇を成し遂げた。
その後はアメリカ(ニューヨークS)、アイルランド(プリティポリーS)、イギリス(ナッソーS)と各国中距離戦線を荒らしまわり引退した。

生涯成績21戦21勝、内G1 14勝。
マルゼンスキー三姉妹長女として恥じぬ戦いを見せた同馬は100年に一頭の名馬、世紀の怪物と言われその一時代を築き上げた。

姉妹揃って無敗で堂々引退。後を三女のゼブラニムバスに任せ繁殖生活へと入った。


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