クラウディ 名馬列伝

主な勝ち鞍;イギリスダービー、イギリス2000ギニー、アイルランドダービー、チャンピオンS

マルゼンスキー三兄弟の三男
上二人の兄とは違い短距離〜中距離を主戦場として活躍した。
その高い素質は2歳時から発揮され、6月デビュー戦を大差で圧勝。
函館2歳S、モルニ賞と、兄たちが通らなかった1200mのレースを連勝。
暮れに日本へと戻り朝日杯へ出走、単勝1.5倍の一番人気に支持され堂々の優勝を果たした。2歳時成績はG1 4勝を含む7戦7勝。マルゼンスキー三兄弟の中で1番のポテンシャルを秘めていると噂されるようになり、ファン達は来年のクラシック戦線を期待した。
しかし、陣営はこの時点で前人未到の三兄弟クラシック無敗三冠制覇を期待されていることが分かってはいたが、ステイヤータイプである次男セイテンと違い、完全な短、中距離タイプの同馬に菊花賞を乗り切るのは困難と判断。
なんと欧州三冠路線への参戦を発表した。
兄二人の芝適正や海外適正の高さからの判断だったが、これには実力を評価するファン達からも無謀だという声が聞こえていた。

明けて共同通信杯からスタートした。
同レースではトウショウマリオの末脚に苦戦を強いられたものの半馬身差の勝利。
続くスプリングSでは調子を戻し快勝。その後海外へと旅立つ。
イギリス2000ギニーを大差で勝利すると無謀と言われていた欧州三冠への道に期待するファンも増えてきた。
欧州三冠の一戦目イギリスダービー。先行逃げ切り策を打つ同馬にカヤージが猛追するが追いつけず。6馬身差の圧勝劇を披露し、その強さを世界へと知らしめた。
次戦アイルランドダービーではまたしてもカヤージに苦戦したが辛くも勝利した。
そして挑んだキングジョージ6世&クイーンエリザベスS。1.9倍の一番人気に支持されるもまさかの3着。古馬として完成していた怪物ムトト、トニービンの前になすすべなく玉砕したのだった。
この敗北は同馬初だけでなく、マルゼンスキー3兄弟としても初だった。また、マルゼンスキー6兄妹で敗北を喫したのは同馬だけである。
その後ムーンランドロンシャン賞に挑むもここでは6着。
最大目標の凱旋門賞では、常勝兄弟に初黒星を付けたムトトがまたも立ちはだかり2番人気ながら7着。
3→6→7着と続きその評価は地に落ち、三兄弟一のポテンシャルという評価から、三兄弟一の落ちこぼれと言われるようになった。
しかしその後のチャンピオンSでは5馬身差を付ける完勝。
その雑言を実力でねじ伏せた。
しかし暮れの香港マイルでは調整不足からまたも優勝を逃し3着という結果になった。

3歳時成績は10戦6勝。決して悪い成績では無いが兄達と比べると見劣りする結果となった。しかしこの年、そのレースぶりを評価され欧州の年度代表馬に選ばれている。

明けて4歳に入ると期待されていた程の活躍を残せず。
この年は高松宮記念に勝ったのみで、10月に引退。
兄二人に比べると一番のポテンシャルを秘めては居たが、全盛期と選択レースの相違からその真価を発揮することが出来なかったと陣営もその強気なレース選択を悔いていた。

その後は欧州にて種牡馬入り。

いいなと思ったら応援しよう!