どうしても笑わせたい人がいる
生まれと育ちは九州なのに大学が関西なので関西弁という、よくわかんないとても頭のいいおじさん(お兄さん)がいる。以下、亀さんとする。わたしは別に芸人じゃないし、そもそも常にウケを狙って生きている人間ではないのだけれど、どうしても「この人にウケたい」と思うのが、この亀さんである。この記事も亀さんにウケたくて書いている。
どういう関係?
軽音サークルで出会った亀さんは、とにかく話が面白くて、いつも酔っ払っている。わたしはこのおじさん(お兄さん)のことが大好きすぎて、なぜか「仲良くなりたい」よりも「認められたい」という欲求が上回ってしまい、どうしても隙あらば笑わせたくていつもくだらないちょっかいをかける。そんなんなので、女性に紳士的な対応をする亀さんだが、わたしのことは錦鯉も驚きの強さで頭を引っぱたく。わたしと亀さんはわりと大人数の飲み会でしか会わない、そんな関係だ。
亀さんってどんな人?
わたしから見た亀さんは、とにかく好奇心が強い。人がわたしって○○なんですよね〜といえば、必ずなぜそう思ったか聞く。なんでその考えに至ったのか、人への興味の持ち方まで知的なので、こちらも試されている気分になるが、たぶん普通に気になるだけなのである。厄介である。
このおじさん(お兄さん)は頭がいいので、努力の仕方がうまく、楽器もうまい。そして人を褒めるのがべらぼうにうまい。飲んでて人を気持ちよくさせる天才なのである、、でも、今のところいいところしか知らない。絶対に探せばどこか人として終わってる一面があるはずなんだ。
サシ飲みが決まった!
そんな亀さんがある日、こんなツイートをしていた。
これ、企画内容ガン無視して「サシ飲みしましょう!」って連絡したらウケるかな……
と、わたしの中の「亀さんにウケたい気持ち」が高まり、殆ど連絡をとったことがない亀さんのLINEを探した。変な名前で登録してなかったのですぐに見つかった。よかった。
わたしはこの時バカなのでこう思った。
ええ!?!?!?!?!
カホンまでくれるの!!?!?!!?!
ラッキー!!!!!!
ということでサシ飲みをした
当日、張り切りすぎて30分遅刻したわたしを気さくに受け入れてくれた亀さん。
「久しぶりやな!」
亀さんはいつも変な柄のシャツを着ているのだが、店を外したくなくてちょっとだけオシャレなところを予約したからか、亀さんもちょっとオシャレだった。
こんなやりとりをしたのに「最近どう?」とめちゃくちゃニコニコ話してくれる亀さん、遅刻した女に対してこんなに気をつかって喋ってくれるなんて、器のデカい男だ。
でも今日の目的は「亀さんを爆笑させる」ことである。最近あったおもしろい話、ちょっと卑怯だけどお笑いの話、あの手この手で色んな話題を出すも、亀さんは「楽しく飲んでくれてる」の域を出ない。本来ならわたしがもっと気を遣うべき相手なのに、まるで丁重に扱われている。
このままではわたしがもてなされて帰ると言っても過言ではない。そんなことがあってはならないのだ。
このままでは………
わたし「そういえば、亀さんを笑わせたいって周りにも話したら、下ネタとか言ったら笑うんじゃないかなって言われてましたよ。」
亀さん「その通りやな、僕は下ネタがめちゃくちゃ好きだしね」
わたし「まあ、下ネタって万人共通のコミュニケーションですもんね。この世で一番おもしろい四文字、ちんちんだと思いますし」
そのとき、
亀さんが大きく口をあけて笑った。
めっちゃウケてる…………………
下ネタでめちゃくちゃウケてる……………………
さっきまで「僕はどうしても堅苦しい表現をしてしまうから、等身大の言葉を選ぶはるかちゃんの文章がとてもいいと思ったよ」なんてこのうえなく素敵な褒め言葉をかけてくれた亀さんが
「ちんちん」で今日一番ウケてる…………………
「ちんちんって、書くと丸いんだよな」
亀さん?
「ちんちんでこんなにウケてると、亀さんって名前も由来が怪しくなってくるな。」
亀さん?
何でも言えばいいってもんじゃないぞ、と厳しく指摘をしてくれたあのときの亀さん、お元気ですか。あなたは3年後に「ちんちん」でいままで見たことないような笑顔を見せてくれます。