もしもわたしの人生にロックバンドがなかったら
昔から何事にも熱しやすく冷めやすい、だからわたしにはこれと言える特技も趣味も、深いものがひとつもない。
何年もバンドサークルに所属しているというのに、そこのみんなのように機材や好きなものの話はできないけれど、わたしは4回、音楽に人生を変えられたタイミングあったので、そのときの話でも綴ってみたいとおもう。
ロックバンドに触れるまで
1回目は小学5年生のとき。
BUMP OF CHICKEN / ラフ・メイカー
この曲を聴いたときの高揚感は、今では絶対に味わえないもので、初めて音楽を聴いて興奮した。学校で流行っていたおもしろフラッシュで見かけたアスキーアートの動画だった。
お年玉、誕生日、クリスマス、全てを前借りで母親に頭を下げて全てのアルバムとシングルを買ってもらったのを鮮明に覚えている。本当にこれが黒歴史と言うんだろうな、というくらいにハマっていて、その後のことはあんまり思い出したくない。今でもBUMPのライブに行ったら膝から崩れ落ちて大泣きすると思うし、行く勇気がないので一度も行ったことがない。
ここからバンドを聴くようになった。RAD WIMPSとUVERworldとアジカンにどっぷりハマって、これまたTSUTAYAでアルバム全部集めてウォークマンに入れては流していた。とはいえ中学生はほとんどボーカロイドと東方に時間を費やしていた。
この頃(小学5年生〜中学2年生の終わり)のわたしの大好きな曲たち
BUMP OF CHICKEN / 夢の飼い主
RAD WIMPS /なんちって
capsule / jelly
YUI / How crazy
Perfume / セラミックガール
ボーカロイド / リンネ
東方アレンジシリーズ(もう曲名もわからん)
アニソン(とらドラ!とみなみけが大好きでした)
2回目は中学2年生の時。
10-FEET / super stomper
な、な、な、な、な、なんだこれは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
という気持ちで全身撃ち抜かれた気分になったのを鮮明に覚えている。
かっこいい。今までもバンドサウンドに触れてきたつもり(この頃まわりでBUMPやRADを聴く人がまったくいなかったわたしは「コアな音楽を好きな私」と思い込んでいた。実際は友達が少なかっただけなんだけれど、もう1から10まで悲しいのでこの話はやめる。)の自分の常識が全部ひっくりかえった。
なんでこの曲に出会ったことで人生が変わったかというと、10-FEETのおかげで人生を大きく変えた人物と仲良くなったから。
10-FEET / MONKEY
ASIAN KUNG-FU GENERATION / ロケットNo.4
UVERworld / ENERGY
相対性理論 / LOVEずっきゅん
YUKI / 歓びの種
JUDY AND MARY / BATHROOM
サカナクション / アイデンティティ
チャットモンチー / 染まるよ
デブとの出会い
高校にあがるとなぜか野球のマネージャーになったわたしは、相変わらず「みんなが聴かない音楽を聴くワタシ」と思いながら静かに静かに中二病をこじらせ続けていた。
野球部の1つ上の先輩で、ポジションはライトなのにめちゃくちゃデブな先輩がいた。全く話すことはなかったし(顔怖かったし)多分「マネージャーとかいらない」と思っていたに違いない。怖いし無口だしなんか怒ってる、そんなデブ先輩が急に話しかけてきたことがあった。
「お前、10-FEET好きなの?」
そこから先輩はわたしのことをめちゃくちゃ可愛がってくれた。練習帰りはラーメンに連れていってくれ、USBに自分のおすすめ曲をたくさん入れては帰り道におすすめのバンドをたくさん聴かせてくれた。彼が勧めてくれる音楽に外れはなかったし、何よりも世の中にはこんなに素敵なバンドが溢れているのか、と知らない世界をたくさん見せてくれた。
一緒に京都大作戦のDVDを見たり、ライブのために少ないオフの日にパンパンにバイトを詰め込んで「やべー!」と愚痴りあったり、同級生の音楽好きな友人を紹介してくれ、3人でライブにいったりもした。野球のこともたくさん教えてもらったし、全然強くなかったチームだけど、彼の引退が寂しくて大泣きしたのをよく覚えている。
デブから教えてもらって聴くようになったバンド(今思うとチョイスなんか変だし、とても書ききれないのでざっくり覚えてる範囲。)
音速ライン
忘れらんねえよ
アルカラ
0.8秒と衝撃。
NUBO
BUZZ THE BEARS
PAN
カフカ
グッドモーニングアメリカ
ACIDMAN
BRAHMAN
androp
B-DASH
a flood of circle
Hi-STANDARD
RIZE
彼から教えられて度肝を抜かれたバンドとの出会いが3回目。
ガレージロックとの出会い
a flood of circle / Blood Red Shoes
は〜〜〜〜〜〜〜!??!???!?
かっこよすぎでは〜〜〜〜〜〜〜!!!!!??!?!????!?!??!??!
が第一印象。ベースとギターの違いもわからない私、エルレは洋楽だと思っていた私、初めて「わたしはこういう音楽が好きなんだ!!!」と痛感したのがフラッドだった。デブから勧められる音楽だけを聴いていた私がはじめてPCにかじりついてバンドのことを調べた。
どうやらガレージロックというジャンルらしい。
そこで出会ったミッシェル、ブランキー、50回転ズ、ギターウルフ、MAD3(女子高生が聴く音楽ではない)「ガレージロック」と調べれば自分がここまで感情が高ぶるバンドに出会えると気づいたあとはもうどっぷり音楽にハマって、いつのまにかアニメもボーカロイドも東方も一切聴かなくなっていた。
この頃
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT / 世界の終わり
Blancey Jet City / くちづけ
a flood of circle / I LOVE YOU
THE 抱きしめるズ / 東京震災
クリープハイプ / ウワノソラ
BEAT CRUSADERS / JAPANESE GIRL
そしてここで今でも世界一大好きなバンドにたどり着く。
THE PINBALLSというバンド
THE PINBALLS / アンテナ
初めて音楽を聴いて泣いたのを覚えている。いや、これは別に全然泣ける曲じゃない。本当に今思えば高2病というやつだと思う。心底恥ずかしい、黒歴史を晒すためにこれを書いてるわけじゃないのに。
でもいまだに覚えてる、「やっと出会えた」みたいな感覚。やめなよ本当に。誰なんだよお前は。
衝撃だった。全部好き。初めてラフメイカーを聴いた時のあの衝撃がもう一度味わえたのが本当に嬉しかった。音楽はいつだって私の知らない世界を教えてくれるんだなと。
月に多くて5回はライブにいった。ライブを重ねる度に増えていくファンの数にドキドキが止まらなかった。こんなに1曲1曲を大切に思ったのは初めてだったから。
これはそんなPINBALLSのスノウミュートという曲の歌詞。
雪のない街に住む人が はじめて雪を見るような
海のない街に住む人が はじめて海を見るような
胸騒ぎが
君に会えて良かった 悲しい事ばかり
苦しい事ばかり 起こった気もするけど
思い出してみるよ
この曲が出た時、こんなに当時PINBALLSに出会えたときのことを思い出す曲もないな、と泣いたのを覚えている。本当に気持ち悪いな
この頃、デブはすっかりメロコア界隈にズブズブで、彼もまた拗らせすぎて「お前が聴くには早い」といってバンドを教えてくれなくなった。お前も大概だな
お互い別々のライブに入り浸るようになり、それぞれコミュニティができて、ライブ友達とばっかり遊ぶようになったわたしたちは、すっかり音沙汰がなくなったけれど、受験期は合格すれば連絡しあったり、仕事が決まれば連絡しあったり、本当に仲良くしてもらった。色っぽいエピソードは一切ないけれど、だからこそ綺麗な思い出だし、彼がいなかったら、音楽を通じて100人以上できた友達とは一人も出会うことはなかったのだろうと思う。ありがとう
ここから出会ったバンドはもう語りつくせないので、いろんなバンドに触れる記事も、また機会があれば書いてみたい。
WEBデザイナーになったいま、師匠に「デザインは目的のための手段だよ」と教わっている。わたしにとって軽音をやることは、そこで楽器に触れることは、より大好きな音楽に触れるための手段だったんだな、と思っている。楽器自体が好きなわけではないのでちっともうまくならないけど、こういう形があってもいいのかなと思える。
さて、もしもわたしの人生にロックバンドがなかったら。
もう少しおしとやかだったと思います。