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プレゼンシート2 あらすじ編 解説

こんにちは。
五胡十六国入門」です。

五胡十六国時代は、いわゆる五胡勢力と東晋朝廷のぶつかり合い。ある意味ではすでに南北朝時代だったわけです。なので本日「五胡勢力」を、明日「東晋」を紹介します。

五胡十六国プレゼンシート2 あらすじ編

十六国? 覚えなくていいよ。

 五胡十六国とは、「たくさんの蛮族がたくさんの国を立てました」という意味で、その数字にはあまり意味がありません。ただ後世の人間が、整理をしやすいようにトップ5の蛮族とトップ16の国を挙げて歴史書にまとめました。つまり種族は割とあらすじに関わりますが、国は案外あらすじに関わりません。
 ここで主要国の見分け方を申し上げましょう。「前」「後」とついている、三組です。つまり前趙(匈奴)、後趙(羯)、前燕(鮮卑)、後燕(鮮卑)、前秦(氐)、後秦(羌)それ以外は一旦忘れていいです。まずはシンプルにいきましょう。
 というわけで、ここからは趙燕秦と北魏、そして東西晋のみで話を進めます。すでに三國志の三倍でつらい。

西晋の統一と匈奴来襲

 三國志が魏呉蜀それぞれの英傑の活躍にも関わらず、司馬懿の子孫によって魏が乗っ取られ、蜀と呉が併呑されました。英傑たちの戦いの意味って何!? と多くの方々にブチ切れられていることで有名な三国志の結末ですね。
 しかし西晋は間もなく皇族たちが主導権争いを開始。複雑だし目立ったヒーローもいないことで有名な八王の乱が勃発しますが、ここには訂正を入れないといけません。いました、ヒーロー。
 匈奴漢(のちの前趙)を建てた劉淵、後趙を立てた石勒です。
 八王の乱において、彼らは用心棒的役割でした。繰り返される内乱により八王の属する西晋は衰微、逆に彼らは成長。遂に主客が逆転するのです。これが永嘉の乱

羯の台頭、鮮卑の南下

 石勒は最初劉淵に従っていましたが、劉淵が死ぬとその後継者と対立、攻め滅ぼして華北を統一します。どちらも趙を名乗ってるのが本当に腹立たしいですが、先に滅んだほうを前趙、あとに滅んだほうを後趙と覚えるのが楽でしょう。
 その後継者が、この時代一の暴君として名が知られる、石虎。そのオモシロ逸話を語り始めるときりがないので省略しますが、一方で彼の配下には三人の名将がいました。漢人の冉閔苻洪姚弋仲です。石虎死後、冉閔が後趙を乗っ取って皇帝を自称すると、苻洪は西に逃れ、前秦を建てます。姚弋仲は東晋に亡命。
 頼れる名将を失った冉閔は、北から攻めおりてきた鮮卑慕容部に攻め滅ぼされました。この慕容部が皇帝を名乗ります。その国号が燕。いわゆる前燕です。
 こうして華北は、西を前秦が、東を前燕が抑える形となります。東晋に亡命した姚弋仲の息子にして、後に後秦を建てる姚萇は、前秦に降伏。

鮮卑と氐の激突

 イケイケの前燕ですが、かなり血の気が多く、割と内輪揉めも多いです。歯車が合ってると強いが、一旦噛み合わなくなると大変。この軋轢により、後に後燕を建てる慕容垂を前秦に亡命させてしまうという大ポカをやらかしてしまいました。もともと劣勢であった前秦ですが、これをきっかけに一気に形勢逆転。苻洪の孫にして五胡十六国時代最高の名君と呼ばれる苻堅の指揮のもと、華北の再統一を成し遂げます。

淝水の戦い

 苻堅のもとには姚萇に慕容垂という、当時でも最高の武力がありました。「私は光武帝のように天下を再び治める運命にある!」と思い込んだ苻堅、群臣の諌めは聞かず、むしろ姚萇慕容垂のそそのかしに乗り、南征。大敗を喫します。これが「五胡十六国における赤壁」として知られる、淝水の戦い。「なんで負けたのかいまいちよくわからない」ところまで一緒じゃなくてもいいと思うんですけどね?
 この大敗の後、苻堅は姚萇と慕容垂に離反されます。うーんこの結末。

西の羌、東の鮮卑、現れる拓跋

 苻堅さまが取りまとめた華北を姚萇=後秦と慕容垂=後燕がかっさらいます。他にもいっぱい雨後の筍のように国ができてますが省略。では、ここからこの両国の争いに……
 は、なりませんでした。
 慕容部が北からやってきたのと同じようなノリで、今度は鮮卑拓跋部が南下します。そして両国に喧嘩を吹っ掛けるのです。
 この頃、南の東晋ではいち武将出身の劉裕がのし上がって東晋史上最強の軍事力を現出させており、後燕後秦は南北の強国に圧を加えられた末、滅亡。こうして北に拓跋部率いる北魏、南に東晋から劉裕が簒奪をすることで生まれた劉宋がそれぞれ大国として成立するのです。
 ただこの二国、国力があまりにも拮抗しすぎていました。だので小競り合い以上はなかなかできず、睨み合いが長く続くことになります。
 明らかに戦いのフェーズが変わったので、ここから先を南北朝時代と呼ぶようになるわけです。

 以上が、五胡十六国を強烈に圧縮したお話です。鮮卑の二国とか冉閔が流れをぶった切ってくれるのが素敵です。ここに東晋の情勢が加わるんだから、更に厄介ですね☆(嬉しそうな顔)

 というわけで、次回は東晋についてなのです。

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