モデリングど素人がVRChatアバター制作を3年間続けた話
これは僕がVRChatのアバターをモデリングど素人の状態から始めて今日に至るまでの軌跡を記録したお話です。苦節3年、進歩しているのかしていないのかよくわからない内容ですが、いったん総括的なものを書き残しておきたいという気持ちに駆られました。もしアバター制作に興味を持っていてこれから始めたいという方の参考になればうれしいなと思い、つらつら書いていくことにします。
VRChatを始める前
VRChatを始めたのが2018年12月。実はその前から3DCGのキャラモデリングには興味があったので、勉強をしていました。Blenderでキャラモデリングをする教本を買って愚直に書かれている通りに進めて2ヶ月ほどかけてキャラ完成まで漕ぎ着けました。そのときに使った本が友さんの『Blender標準テクニック ローポリキャラクター制作で学ぶ3DCG』です。これを選んだ理由は制作するキャラが可愛かったから。可愛いは大事。モチベーションに直結します。
この本は表紙に描かれているキャラクターをがんばって制作していく内容で、下絵の準備からBlenderでの表示のさせかたに始まり、モデリング、シーム入れ(UV展開する際にきれいに展開できるようにエッジに記しを付ける操作)、UV展開、ベイクによるテクスチャ作成、アーマチュア(ボーンのこと)の作成、ウェイトペイント(アーマチュアの動きに対してどれくらいポリゴンを構成する頂点が追随するかを決める)、そして最終的に歩行とまばたきアニメーションを入れて完成という流れになっています。この本はとても良い教材だと思いますが、1点だけ注意点があります。それは、付属のYouTube動画を見ないと完成させられないということ。紙面の都合や言葉による説明にも限界があるので、どうしても省略されたり、説明不足になってしまうのは避けられません。これは致し方ないことだと思います。まさに百聞は一見に如かずでYouTube動画を0.25倍速再生で見て、ねちねち進めていくのがいいでしょう。正直に言って完成まで持っていくのはかなりの根気が要ります。毎日2, 3時間やって約2ヶ月くらい。でもこれをやり遂げたおかげでキャラモデリングの一連の流れが掴めました。下のスクショは完成したBlenderの画面です。いや、苦労した。
VRChatを始めた直後
VRChatを始めてしばらくしてTrustランクがようやくVisitorからNew Userになりました。自由にアバターがアップロードできるようになったのです。VRChatのアバターは自作できるらしいという話を聞き、早速やりかたをぐぐって簡単な形状のモデルでアップロードを試しました。
そう、スライムです。モデルのなかに3本アーマチュアを鉛直方向の直線状に作成してUnityでDynamic Boneを入れてあるので、このスライムアバターで前後左右に移動するとその慣性ぶよんぶよんと揺れます。なかなかコミカルな動きで個人的に気に入っているのですが、ヒトのかたちはしてないですね。やっぱりキャラクターが作りたい!
初めてのヒト型アバター!
当時の少ないモデリング経験で知り得た知識を総動員して制作したアバターがこちら。
うーん、なかなか香ばしいですね。まず、当時のスキル的にスカートのような揺れものは作れないと判断し、パンツルックのキャラデザにしました。手がいびつ、全体的に被りものっぽい、目がイキイキしてないなどツッコミどころは満載ですがこれが当時最大限の成果です。これが2019年5月でした。
2体目のアバター
初の自作アバター制作でいろいろ悔しい思いをしたので、次を作りました。2019年12月のことです。
服装が少しだけ複雑な形状になりました。もっと軍服っぽくしたかったのですが、これが限界。目や髪に一応、テクスチャが書き込まれています。でも、かたちがカックカクだし、可愛さもちょっと…。まだまだですね。反省点を大量に残しつつ次の制作に入ります。
3体目のアバター
3体目となると「もう2体も作ったしな」という謎の自負が出てきて少し挑戦的なことがしたくなりました。揺れものを入れよう。そう思い、ワンピースを来たキャラクターにしました。
というわけでできたのがこちら。ジャンプすると一応は腰のひらひらが揺れるようになっています。この頃にフレンドさんに肌のテクスチャを作るならこれ(下記リンク)を使うといいよとアドバイスをいただき、その通り使った結果いい感じの肌になりました!
髪や目もテクスチャはそれなりに書き込みできたんですが、なんか目が怖い。あと、ワンピースが貫通して肌が露出してしまうことが多々ありました。アバターに服を着せることの難しさをここで知りました。2020年1月のことです。
4体目、256fesに着ていく
4体目はちょっと番外編な感じです。キャラモデリングチュートリアル動画をYouTubeに出されているワニ動画でおなじみのzenさん主催の256fesに出るために256ポリゴン以下のアバターを制作しました。256fesというのは256ポリゴン以下のアバターをみんなで作り、そのアバターでVRChat上でみんなで見せ合おうという楽しそうなイベントです。
Twitterで #256fes で検索するとみんな256ポリゴン以下という厳しい制約のなかで創意工夫していて、すごい高いクオリティの作品がたくさん見られます。いっぽう僕はというとこんなのを作りました。
ははは…(乾いた笑い)。可愛いミクさんを作りたかったのですが、なんか顔の圧が強いミクさんになっちゃいました。テクスチャもジャギーがでてしまいテクスチャ作成の難しさをここで知りました。はぁ。2020年5月のことです。
懲りずに5体目
実は256fesに出すミクさんアバターを制作しつつ並行して別のアバターを制作していました。それがこちら。
以前に制作したアバターと比べてちょっとずつ輪郭がなめらかになってきている気がします。とはいえ、やはり服が貫通、目が怖いなど改善点は山のようにあります。あと、Unity-chan Toon Shader のアウトラインのマスクのしかたがわからなかったので白目の周りにもアウトラインが出ちゃってます。まだまだですな。これも2020年5月のことです。
まだまだいくぜ6体目
引き続き、ひまを見つけてアバター制作をしていました。
僕にはまだ揺れものは早い、と割り切って揺れものは無くしてシンプルなキャラデザに戻しました。目の怖さが少し減ったかなと思います。この頃から髪の毛の作りかたが改めて難しいなあと感じ、途方に暮れてしまいました。2020年7月のことでした。
アバター制作はお休みして研究した
次第に漫然とアバター制作しているような状態になってきてしまったので、少し制作技術を底上げしたいと考えるようになりました。ヒト型アバター制作で一番大事だと個人的に思っているのはやはり顔です。一番最初に視線が行くのはやはり顔だからです。そこで、顔のトポロジーの研究をすることにしました。学ぶは真似ぶというように、やはりうまいひとが制作した作品のトポロジーを模写するのが良いかなと思い、以下リンクの『ゴトウ(の顔)』とそっくりそのまま同じものを作ろうと試みました。
上の動画がお手本となるモデルです。BOOTHのページからblendファイルがダウンロードできます。サブディスプレイにこのblendファイルを開いて表示し、見様見真似で手探りで模写を進めました。
これを。
こうして。
こうじゃ。というわけで、3週間くらいかけて模写完成です!けっこううまくできたと思います。
最新作、7体目
今度はトポロジーの流れを意識して作成しました。顔のトポロジーは上記模写で勉強しましたが、身体のトポロジーはさっぱりだったので、下記のblendファイルを購入して参考にしました。
サブディスプレイに購入したblendファイルを開いて表示しながらにらめっこして身体も作成します。
また、手や足の指の作りかたは『Blenderで作るキャラクターモデリング入門実践ガイド』という本を参照しています。
そんなこんなでがんばって作ったのがこちらです。
だいぶ、違和感の無い顔つきになってきたのではないでしょうか。とはいえ、まだ服が貫通している…。まだまだ道のりは長そうです。そう感じた2021年10月。
まとめ
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。3年間続けてこれぇ?とお思いかと思います。僕もそう思います。でも、ちょっとずつではありますが進歩しているようにも思えます。こればかりは経験を多く積まないといけないのでしょう。BOOTHで販売してもおかしくないクオリティのアバターが制作できるようになるのが目標です。それを目指してコツコツと努力していきたいです。社会人生活を営みつつ、時間を見つけてアバター制作にいそしむ日々をこれからも送ります。
続く!