できる!リモートワークでのUXデザイン
この記事はGoodpatch UI Design Advent Calendar 2018の20日目の記事です。
この秋から私、ごかいち@5kaichiはGoodpatch Anywhere (と、smartLureというスタートアップ) にジョインし、約3ヶ月ほどフルリモートのUXデザイナーとして、Goodpatchのある東京ではなく北海道の札幌で活動をしてきました。
今回はみなさまに「リモートワークかつUXデザイン」という、ちょっと無理がありそうなお仕事をどう進めているかご紹介します。
結論から言います。リモートワークでもUXデザインはできます!
なぜリモートでのUXデザインは無理がありそうなのか?
UXデザイナーはユーザーへ良い体験を提供するための存在です。例えばペルソナやカスタマージャーニーマップに代表されるユーザーモデルの中間成果物をまとめ、プロダクトの方針を作り、それをチームに浸透させて実際のプロダクトにつなげていくことが中心となる作業です。
そのためにはプロジェクトメンバーとの密なコミュニケーションが重要です。良い成果を作るにはエンジニアを始めとした専門家のチカラが必要ですし、「作って、見せて、はい終わり」ではユーザー像やプロダクトの方針をチームに浸透させられません。また、意思決定者と共通認識をとりながら進める必要もあります。
しかし、リモートワークでは一般的にプロジェクトメンバーが近くにおらず、一緒に作業することはできません。もちろんワークショップなんて不可能です。
リモートワークはUXデザインをする環境として無理があります。が、大丈夫です。問題は解決できました。
実際にやったこと
どう解決したかをお話する前に、実際の事例をご紹介します。
1. カスタマージャーニーマップの作成
カスタマージャーニーマップを作る際に、模造紙に付箋を貼り付けるワークショップで要素の洗い出しを行うお馴染みの作業があります。あのワークショップをリモート実施しました。
リモートでカスタマージャーニーを作るワークショップを行うにあたり、作業を行う場として同時編集機能のあるFigmaを利用しました。
具体的にはユーザーストーリーの洗い出し&整理とドットボーティングを行い、カスタマージャーニーマップに記載するユーザーの行動と優先度の見える化を行いました。上の画像は実際にFigmaを使って作成したカスタマージャーニーマップ。白い四角が付箋の代わりです。
これとは別に、ビデオチャットを用いて「私がリモートでファシリテーションし、相手側がリアルでワークする」というスタイルのワークショップにもチャレンジしたこがあります。これもなんとか進めることはできたのですが、ビデオチャットでは私から相手側の付箋に書かれている内容が見えないのです。そのせいで、アウトプットに応じた場のコントロールができませんでした。Figmaはこのあたりの課題をしっかり解決してくれます。
マイクロシナリオ記述
こちらもFigmaを使ったワーク。ドメインマスターとUXデザイナーで実施しました。カスタマージャーニーマップの粒度を細かくし、ユーザーフローにまで落とす作業を、Figma上でフロー図や情報構造を書きながら、実際にUIデザイナーが作業できるレベルまでシナリオを精緻化します。Figmaを使うことで、ホワイトボードを使った議論に近いことができました。
UIデザイン / UIレビュー
UIデザインにもFigmaを使いました。
Figma上でペアデザインしたり、プロダクトマネージャーがFigma上にコメントをガシガシ入れながらUIデザイナーがデザイン修正…という感じで、プロジェクトメンバーとUIデザイナーが双方向的にデザインをしています。時にはFigma上でデザインにコメント入れた数秒後に修正されてた、なんてことも。このあたりの詳細は昨日ささやんがまとめた記事をご参照ください。
なぜリモートでのUXデザインができるのか
Goodpatch Anywhereでは、以下のようなチーム環境を意識してプロジェクトを進めています。
メンバー間の双方向性が高い環境
・クライアントと一緒に作業する
・成果はすぐに共有する
・極力宿題を作らない
距離を感じさせない環境
・すぐに、いつでも、気軽に声をかける
・デイリーMTGなどで日々の顔合わせする
・いつも情報をオープンにする
このような環境にSlackやZoomなどのコミュニケーションツールとFigmaのようなデザインツールを組み合わせることでUXデザインが上手く進められています。
また、このような環境を保つための土台として、Goodpatch Anywhereは「心理的安全性」というものを大切にしています。心理的安全性とは、自分がどんな発言/アクションをとっても大丈夫だと思える空気のことです。心理的安全性がチームもららす影響についてはGoogle re:Workに詳しく書かれています。
それはリモートのせいじゃない
もちろんプロジェクトを進める上でコミュニケーションが上手くいかなかったこともあります。ですが、その原因がリモートワークだったことは無かったといっても過言ではありません。リアルでも気軽に声をかけられなかったり、一緒に作業できなかったり、宿題持ち帰り型で密にコミュニケーションをとりにくい…そんな作業環境は決して珍しくありません。リモートで起こることが予想される課題は、リアルな現場でも起きているのです。
チームにとってリモートかリアルかは手段レベルの話でしかなく、重要なのは双方向性高く密にコミュニケーションをとれることなのです。
リモートワークのメリット
リモートワークは時間と場所の成約を受けません。例えば打ち合わせのための移動が不要になるので、そのぶん多くの時間を仕事に使うことができ、結果として業務効率が高まります。
また、私は札幌在住ですが、東京でも仕事をしますし、支笏湖からリモートで作業することもあります (ちなみにこの記事は帯広へ向かう列車内で書いています)。リモートワークの環境さえ整えてしまえば、やるべきことのためにベストな場所、ベストな時間で、ベストな作業ができる、これがリモートワークの何よりの強みです。
もちろんすべてをリモートにする必要はなく、必要があればリアルで会えばよいのです。
📺ここで突然のCM 📺
Goodpatch AnywhereではリモートでもUXデザインができる環境が整いつつあります。場所の制約にとらわれず、本来やるべきことに集中できる環境に興味のある方、一緒に働きませんか?Goodpatch Anywhereは大絶賛仲間を募集中です!
まとめ
適切なツールと適切なスタイルでコミュニケーションをとれば、密なコミュニケーションが必要とされるUXデザインであってもリモートワークで進めることができています。今回はざっくりとした内容しかご紹介できなかったので、興味がある、詳しいことを聞いてみたいという方は私までご連絡くださいませ。
ワークショップの場としてのFigmaの可能性はそのうち書きます。ほぼ無限の作業場所や同時編集可能性についてなどファシリテーターとして書きたいネタがたくさんあるのじゃ。