短歌 #短歌 #tanka
死にそびれた季語が時雨から逃げるように
空を飛んでゆく
日曜はランチやっておらぬそば屋に
勃起した様なアンテナが立つ
どこへもいけるけんどからっぽの
駅に座ってままなにあせわんも
すてたおしめに似た色の空を
「ましゅまろ」と呟く やってらんねぇ
ポケットの二百円でアイスを買う
渡されるお釣りまでひんやり
「なんもいらねしもとめねから
そのひかりだあすきにしなせてやりな」
「いまカワセミが理想のまま骨髄辺りから
抜け出していきましたね」
所詮無機物ローションは粘性だけで
ひどくつめたいや だれにでも
へんに晴れた空へ古い葉書を破って
ゴミ袋に捨ててみせた
さんかくのお茶碗を泣かせる如くに
シンクへ水 、おちたね
あなたに無視された赤信号と目が合って
花束をすんと嗅ぐ