【実占トーク】その2・あなたの弱点、ダダ漏れしてませんか?
前回は一般論としての前フリです。こちら。
「大嫌い」の強調は、意図せぬ自己紹介
誰にとっても「あいつが嫌いだ」「あいつがムカつく」「あいつが許せない」と感じる気持ちは、頻度の差はあれ、多かれ少なかれ人生の中で向き合う瞬間があるでしょう。腹が立つこと、許せないこと、絶対に忘れないぞ!というネガティブ感情はわたしにも幾度もあります。
しかしながら、それを大きな声で言えばいうほど、ご自分の心の最も柔らかい部分がどこなのかを自分から明らかにして、ご自分に大きな打撃をもたらすスイートスポットはここですよ!と、いう自己紹介にもなります。
感情に任せて、激しく相手を攻撃する姿を見せれば見せるほど、意地悪く言えば「わかりました!自己紹介ですね」と取られることも少なくないでしょう。
お客さんの代わりに怒ることもある
もちろん怒るなとは言いません。なにごとにも感情が動かない冷めた人間になる必要もありません。
「そこはもっと怒らないと!」と鑑定で申し上げることはしばしばあります。怒りを感じるまでに長い時間がかかって、あとからこみ上げる、というお話も少なくないので、「うーん、それはもっと反射神経を磨いてすぐに怒らないと!すぐに怒ったほうがいいですよ」と申し上げるケースもたくさんあります。
怒ると自分が無防備になる
しかしながら、うっかり無自覚に怒り続けると、自分の弱点が剥き出しになりやすいです。
「ムカつく!ムカつく!」と腹を立てているお客様に「うーん、たいへん申し上げにくいですが、さっきからおっしゃている問題って、あなたの中にインストールされている弱点ともそっくりですが…」なーんて指摘するのは冷や汗ものです。
特にお仕事の場であれば、出会う相手とすべて心からわかりあって慈しみあう関係になる必要もないわけです。「あいつが嫌いだー!それなのに日々のほとんどの時間をあいつと一緒の場にいるなんて耐えられないー!」という気持ちを抱くことはふつうにあるとおもいます。(わたしにもあった)つらい。
王様の耳はロバの耳
お外では言えない、やり場のない気持ちを「王様の耳はロバの耳ー!」と掘った穴に向かって叫ぶように、第三者としての占い師を使ってくださるのは大歓迎です。
それでも、最終的には「あなたの心配はごもっともだけれど、そもそもその会社はあなたの会社なの?」と問わずにはいられないような場面もあります。つまり、ご自分と会社(や組織)とを、同一化しないでほしいのです。
はひふへほ応答の勧め
サービス業や、対人援助職のように、常に対人での臨機応変な応答が必要な職種の人たちは、多かれ少なかれみなさんそれぞれのやり方やメソッドを開発してお持ちではないでしょうか。
もともとわたし自身は、瞬間湯沸かし器のような超!短気なキレ系ですが、仕事の時はめったにキレません。「へーえ」「ふーん」「はあー」「ひえー」「ほおー」「そうですかー」と、はひふへほ応答を繰り返しています。
はひふへほ応答、めっちゃ便利ですよ。相手の話に耳を傾けてちゃんと聞いていますよ、というサインですが、必ずしもぜんぶ共感・同意しているわけではありません。
相手の言い分に納得できない点があっても(個人的には同意しかねる点があっても)「わたしはあなたの話をちゃんと聞いていて、あなたがそう思っていることを理解しました」と表明するための相槌です。
すべて共感などできるはずもありませんし、そんなことを求められても応えられません。「あなたのお話を伺って、その上でご提案できるプランをお話ししますね」という姿勢で、わたしは占いの仕事をしています。
真に「感情的」とは?
怒ったり笑ったり感情のアップダウンが激しいことを「感情的」と呼ぶのは不適切です。自分でもコントロールできないくらいに感情に突き動かされると、すべからくロクなことになりません。真に「感情的な」人は、とても穏やかです。
ちなみに、もともと私自身はナマの感情を扱うことは苦手です。うまくコントロールできずにすべてが顔に出ていた若いころからずっと訓練されたので、いまはだいぶ個人的な感情を表に出さないでいられるようになりましたが、まだまだ修行が足りません。
凍って乾いているわけではない「豊かな感情」とうまく付き合っていけるようになるために、永遠に続く修行のようなものだと思っています。
占いだけでなく現実についても知ろう
いろんな職種の人たちに、職場の状況や業界の様子などをたくさんたくさん聞かせてもらうと、視野も広がって「いろんな立場やいろんな考え方があるんだなー」と実感できます。
わたしは治療家としてたくさんの人たちの働く現場のお話を大量に伺ってきているので、そうした蓄積は占いをするときにも非常に役立っています。占いのロジックを現実にどうやって当てはめるかは、占い師の腕の見せ所です。
そもそも占いの技能そのものはあるのがあたりまえです。現代の状況にそぐわないような古い世界観のまま占い師の脳内がアップデートされていなかったら、占い結果もそのようになるでしょう。
幅広く豊かな知識を持つことが、相手の激しい感情に巻き込まれたり振り回されることからあなたを守ってくれるかもしれません。
現代の「感情労働」とは?
ちなみに「感情労働」という言葉をご存知ですか?
これについてはまたそのうち改めてお話ししますが「相手のニーズにあわせて、相手のニーズを満たさなくてはならない」業務の人にとっては死活問題ともいえる大きな問題です。
占い世界でのあなたの探検が、よりよい旅路となりますように!