クラシックの弦楽器奏者の方にジャズをオススメしたい5つのワケ
こんにちは!ジャズバイオリニストの佐治拓人です。
今回は、僕が特にクラシックの弦楽器奏者の方にあえてジャズを強くオススメしたい理由を5つに絞って書いていこうと思います。短めなのでぜひ最後まで目を通してみていってください。
①即興演奏に抵抗がなくなる!
一番大きな理由がこちらです。
ジャズは演奏のほとんどが即興演奏で成り立っています。ジャズミュージシャンの演奏を聴くと、10分以上も音を奏でていたのに譜面を見るとB5一枚分32小節ほどしかなかったなんてことがよくあります。
即興とはいえそれだけの演奏をするには練習が必要です。がむしゃらに演奏しているわけではありません。
ジャズの練習を取り入れていくことで、「譜面ないけどこれ弾ける?」という現場でありがちなことに技術的にも精神的にも対応しやすくなります。
より本格的にジャズに打ち込めば打ち込むほど、どんどん高度な即興のやり取りができるようになっていきます。
②ハーモニー(和声)に対する理解がより深まる
音楽はメロディとハーモニー、リズムが一体となって出来ています。
例えばピアニストの方でしたら左手でハーモニー、右手でメロディを弾くことができるのでハーモニーを理解する機会は非常に多いと思います。
それに対してバイオリンなどの旋律楽器は単旋律を弾くことが多いので、極論ハーモニーは完全に人任せで何も知らなくても演奏ができてしまいます。
ジャズの練習では例え単旋律でもハーモニーが聴こえてくるような演奏技術を身につけることができます。ジャンル問わず、自分がハーモニーに対してどのように響く音を出しているのかを理解していると、表現力の幅が圧倒的に広がります。同時に作曲技術や楽曲理解の度合いも深まっていくことにつながります。
③リズムに対する理解もより深まる
ジャズはブルースやゴスペル、クラシックやラテン、さらにロックやヒップホップなど実に様々な音楽が融合して出来ています。
クラシックでは流動的な楽曲、つまり明確なビートを持たないものが多いです。対してジャズでは4ビートや8ビート、16ビート等ベースやドラムが伴うようなはっきりとリズムが刻まれる楽曲が大半です。
この違いにより、クラシックの場合といわゆるバンドサウンドで演奏をする場合ではボウイングやフィンガリングが異なってきます。(このあたりに関しては別記事にてまとめる予定です。)
リズムに対してタイトに演奏したり、あえてルーズに演奏したりなど感じ方の部分でも様々なアイディアが増えるのではないでしょうか。
④セッションや小規模ライブなど演奏の機会が増える
ジャズのお店では定期的にセッションイベントが行われています。スタンダードと呼ばれるよく好んで演奏される曲を知らない方同士でも気軽に演奏しています。
クラシックでも知らない人との合奏もあったりしますが、なかなか都合よくみんなが演奏したことのある曲で全パート集結するということは簡単ではないですよね。それなりのサイズの場所も必要です。
ジャズは2人でもいればどんな変則的な組み合わせでも楽しめます。バイオリン二人でもいいですしヴィオラとチェロでもなんでもいいです。
通常よくある組み合わせはフロント(メロデイ楽器)+ピアノやギター等(コード楽器)+ウッドベース(低音楽器)+ドラム(リズム楽器)で4人編成です。これくらいの規模であれば大きな会場でなくても演奏できます。カフェやバーでのジャズ演奏も最近はよく見かけますよね。
セッションを通じて同じ音楽を愛する様々な年代の仲間と出会うことができます。そこで意気投合してバンドを組んでいる方もよく見かけます!
⑤より'個'が尊重される
ジャズは自由でスリリングな音楽です。その演奏はプレイヤー同士の即興と個性が混ざり合って成り立ちます。良かれという方向性はありますが正解があるわけではありません。「その人達」の演奏が聴きたいのです。
たとえ同じ曲を演奏してもプレイヤーのメンタル、組み合わせによって全く変わります。同じメンバーですら全く同じ演奏はできません。演奏をしている自分たちでも思ってもよらなかったことになることがよくあります。もちろん良い時も悪い時もです。
即興の部分が強いゆえそういった何が起こるかわからないリアルタイムの緊張感、ワクワク感がジャズの一番の醍醐味だと思います!
延々と決まりきった書き譜のソロを毎回演奏していてはこういうことは起こりえません。そうではなくバンドメンバーで作り上げていく即興演奏に一音でも踏み出し共有することに意味があります。
さいごに
いかがでしたか?色々と書きたいことがありすぎましたが今回は5つの点に絞って書きました。
各項目の詳細な内容については以降一つずつジャズバイオリンを扱う記事にて書いていく予定です。ご興味のある方はぜひそちらもご覧いただければ嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!