バンドスタイルのバイオリニストを目指すために~①音名の読み替え編~
こんばんは。ジャズバイオリン奏者の佐治拓人です。
今回から主にクラシックバイオリニストがバンドに加わることになった時に知っておくと役に立つを書いていきたいと思います。内容としてはポピュラー向け音楽理論やセッティングについてなどになります。
というわけで第一回目は音名の読み替え編です。
ギタリスト「エーの音出してー」
⇒バイオリニスト(弾く)⇒
ギ「違うよ、エーだって」
⇒バ(合ってるからまた弾く)
⇒ブチギレギ「エーだって言ってんじゃん!!」
・・・こんな理不尽なことになったことはありませんか??
まあもちろんフィクションなんですけれども。ないことを信じています。
エーの音という言い方は非常に紛らわしくてこういった意思のすれ違いが起きがちです。
ここで改めて音名の読み方について確認してみることにしましょう!
こちらが様々なタイプの音名の読み方です。昔学校の授業やレッスンで嫌々覚えさせられた人も少なくないと思います。僕は非常にニガテでした。
よく耳にするドレミファソラシドはイタリア式です。聞きなじみがありますね。
そして先ほどの話でかみ合わなかったエーの音を探してみましょう。
・・・ドイツ式とアメリカ式にそれぞれひとつずつありますね。
ドイツ式ではE(エー)つまりミの音、アメリカ式ではA(エー)つまりラの音を示しています。
日本のクラシック系バイオリニストはドイツ式のほうが慣れ親しんでいることが多いです。それに対してポップスやロック、ジャズなどの音楽ではアメリカ式をよく用います。
つまり先ほどの話はギタリストはラの音が聴きたかったのに対してバイオリニストはミの音を弾いていたんですね。
もう一点ややこしいポイントがシの音です。ポピュラーではB(ビー)表記となります。
Bとみるとドイツ式に慣れている方はシ♭を想像するのではないでしょうか。これはドイツ式ではシ♭のことを変則的にB(ベー)と表記するためです。
(※通常は レ♭⇒Des,デス ミ♭⇒Es,エス などのように語尾が変化する)
ではアメリカ式のシ♭はどう呼ぶのでしょうか。
答えはB♭(ビーフラット)です。このようにポピュラーではC#(シーシャープ)とかE♭(イーフラット)などのようにシンプルにアルファベット+記号の読み方をします。
慣れないうちは紛らわしいと思いますが、このようにアメリカ式への読み替えを覚えていくと後に解説するコードシンボルやコードタイプへの理解が早く、より直感的になれますのでぜひ覚えてみてください!
最後にもう一つ。
「ハ長調」とか「嬰ヘ短調」とか
音階の日本式の言い方を覚えるのが非常にニガテで、子供のころレッスンで尋ねられるたびに脱走したくなった記憶があります。
これを大人になってアメリカ式を覚えてから理解できるようになりました。ご存じの方も多いと思いますが読み替え方を書いておきますね。
ex)
ハ 長 調
⇔C メジャー スケール
嬰 ヘ 短 調
⇔ F # マイナー スケール
日本式音名のハやらヘやらは先ほどの図をみてアメリカ式のCやFに置き換えます。
その後ろの長・短調はそれぞれメジャー、マイナースケールを表します。
先ほどの例のように、たまに音名の前についてくる嬰・変という厄介な漢字はそれぞれ #・ ♭を示しているだけなので恐れる必要はありません。なお重嬰・重変となった場合はダブル#、ダブル♭となるだけです。
丸暗記をするよりもこういった規則性を覚えると応用が利くようになります。
さて、このシリーズの続きではコードの読み方について解説していこうと思います。コードを理解できるとアドリブや作曲にも大いに役立ちます。和声法を学習した方は共通しているけど言い方が違う項目がありますのでよろしければご確認ください。
今回は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました!
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