ショートストーリー「黒い消しゴムの僕」
こんばんは🌙
授業で身近なものを言語化するという課題があって、その時に書いたものを紹介します!
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僕が生まれてきたとき、両親は目が点になったらしい。
自分達とまるで違う色だったからだ。
「既に汚れてるじゃないの」と母は嘆いた。
鉛筆で書かれたものを消すために存在している僕達にとって、黒色はタブーとされていた。
しかし、トンボ一族みんなから心配されていた僕は、初仕事でみんなを感心させた。
消しても消しても汚れないのだ。
両親の純白なボディは遺伝出来なかった代わりに、唯一の欠点だった汚れの目立ちやすさが無くなったのだ。
母は、初仕事を終えて少し丸みを帯びた僕の頭を撫でて言った。
「心なしかケースもクールに見えるわね」
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