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ジョギング習慣の限界、そしてチャリンコに跨った俺
2025年の正月から続けていたジョギングの習慣に限界を感じ始めたのは二月も半ばに差し掛かる頃であった。
一ヶ月やそこらでは俺の二十数年にわたる運動不足で鈍りに鈍った身体機能はまともには戻ってくれない。それはそうだ。足腰はヘボヘボのまま、復路はもはや歩いた方が速いんじゃないかというような足取りでベタベタと走っている。
それでも、翌日の筋肉痛がなんだか心地良いと感じられる日がある。
クソ寒い中走り抜き、クソ熱い風呂に浸かりトリップする快感を知る。
そういえば日々の階段の登り降りが少しだけ楽になったような気がする。
俺も気付けばマゾヒストの仲間入りを果たしたのかもしれない。ジョギング、なかなか悪くないかもしれんな…と感じると共に、毎日同じコース走るのマジで飽きるな…とも感じている。ヘタに走るのに慣れてきたせいで俺の心のウザい部分が「毎日同じ景色でワロタ!いや、ワロエナイ」とかなりキモくヴィンテージな叫びを上げている。
我が家の近所にはジョギングにお誂え向きの遊歩道が整備されている。とても安全・快適なおかげで他のコースを考えたくない。
別のジョギングコースの候補となる道はと言えば、自動車は常にトップスピード、いつだってブレーキを踏んだヤツが負けがこの町のルールといった趣であり、交通量も多く、うるさくてかなわない。
そういうわけで毎日同じコースをぐるぐると走っているわけであるが、ある日限界を迎えた。体力というのは一ヶ月やそこらで倍になるようなものではない。少しずつ着実に成長しているぞと自分に言い聞かせながら走ってきたが、そろそろ別の景色が見たい。なんならこの先に美味しいパン屋さんがあると聞く。だが俺の錆び付いた脚と肺ではまだ辿り着けない、というかパンを抱えて復路を走るのは無理だ。フランスパンを突っ込んだ紙袋を抱えて走るキショいオタク、想像するだけで冷たい汗が分泌されるのを感じる。
試しに今日はジョギングではなくサイクリングという名目でいつもの道を走ってみようか?運動にもなるしな。
チャリンコは偉大である。俺が口から心臓をこぼしながらベタベタと走っていたいつもの道を瞬く間に通り過ぎて、目当てのパン屋さんで買ったあんパンを店先のベンチで平らげて、さらに別の道へ、普段であれば通らない道を通って時々迷いつつもいつの間にか遊歩道へ戻り、いつもの道を通って家路につく。
サイクリング最高!