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【Jouvence】さりげなく、しっかりおいしい。

フランスに来るまでの顛末など書きとどめておきたいこともたまってきたのだけれど、同時に食事のネタもどんどん積み重なっていくので、優先順位を決めるのが難しい。
まあ、基本的にはフード・ダイアリーなので、食を優先しよう。

この日のランチは、ミシュラン掲載店のJouvenceに。
https://www.jouvence.paris/#1

割と庶民的なエリアのようで、トルコ、インド、中国系のレストランが軒を連ねるなかで、突如として現れる異色の店構え。
格式の高いバーのような店内。
大きな病院が近いので、医者がたくさん来るのだろうか。
日本でも寿司屋やフレンチで威張っているのはたいてい医者だしな(偏見)。
病院と役所の周辺には、ちゃんとした店が多い。
これ、真理。

予約なしでも入店できた。座席は8割くらい埋まっている感じ。
そして衛生パスの確認はなし!
感染対策、ぜんぜん徹底してないじゃん。
大丈夫なのか。

左は男性が一人。僕と入れ替わりで食べ終わって帰っていった。
右は男女2人組。距離が近い。僕との距離が。
あー、飛沫とんでそう、ドアも窓も締め切っているし。
感染するとしたら、今だろうな。
フランス語が自由に使えたなら、オミクロン株の脅威についてのご見解は?などと尋ねて会話を遮ってやりたいところだが。

ランチコースは、前菜とメイン(もしくはメインとデザート)で20ユーロか33ユーロ。前菜・メイン・デザートまで食べると25ユーロか37ユーロという設定。

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前菜に選んだのは、帆立のグリル。
人参のクリームがかかっていて、その上に人参のチップスが乗っかる(甘いので最初はリンゴかと思った)。
ここでも酸味づけにケッパー。
帆立がとってもフレッシュで、第一印象ではおいしいと思う。
人参のクリームがどういう役割を果たしているのかがちょっとわからなくて、食べ続けているとちょっとドスンとした感じになってくる。
食べ続けるといっても帆立は3つしかないのだけど。

昼なので自粛しようか迷ったけど、せっかくなので白ワインをグラスで。
ビオワインだった。
相変わらずジュースみたいな、とぼとぼした味。
さすがに慣れてきたし、どちらかというと「好き」の部類になってきた。
炭酸水を頼んだけど通じなかったのかスティルウォーター(ガスなし)が運ばれてくる。
両隣のテーブルは普通の水道水を飲んでいる。
今回の旅で感じるのは、無料の水道水を出してくれるお店が多いということ。
高級店ではなくカジュアル店を選んでいるからなのだろうか。
観光のオフシーズンに来たからなのだろうか。
イザヤ・ペンダサンの『日本人とユダヤ人』には、日本人は安全と水は無料だと思い込んでいるという記述がでてくる。日本でミネラルウォーターが売られるずいぶん前の話だ。
日本の飲食店では当然のように無料の水がでてきて、これは海外ではありえないこと、といった言説もちらほら耳にするような。
パリの無料の水。もう少し観察が必要かもしれない。

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メインはアンガス牛。
良い塩加減。赤身の肉の旨味が感じられる。
とってもおいしい。ああ、おいしい、と誰かに伝えたくなる。
つけあわせは、根菜のミルフィーユ(これもとってもおいしい)、ネギ、ビーツのソース。
ビーツをつけなくても、牛肉だけのほうがおいしいと感じてしまったのは、料理としてはどうなのかと思わないでもないけれど、個人的には大満足。

前菜もメインも、塩分控えめ。
素材の奥行きを感じさせるようなシンプルな調理。
いい店だと思った。

胃の負担も考えて、全部食べようとせず、少しずつ残す。
デザートもコーヒーもパス。

レジで会計する珍しいスタイル。
これでもかと並ぶアルコールを見せつけられて、夜にまた来ようと思う。
その時はちゃんと衛生パスをチェックしておくれよ。

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