つけジットな日々
みなさん、こんにちは。丸岡城の麓、お天守前公園の片隅で週末だけおでんを売ってるおでんのだんなです。
今日は最近お天守前公園をざわつかせている「つけジット」というチケットがなんだか色々と面白い変化を起こしそうだなーというお話をしようと思います。
つけジットって?
「つけジット」、これは大人が先払いしてくれたおでんチケットのこと。一枚300円で、子供たちはチケットを使って自由に好きなおでん3品を食べることができるんです。手ぶらで公園に来た子供たちも、おでんで小腹を満たしてまた遊びに戻る。そんな日常がお天守前公園に生まれ始めています。
最近、僕が想像していなかった事が公園で起き始めました。おでん屋台のテントの中で子供達が宿題をしているんです。
東大に合格した人は家のリビングで勉強していたなんて話を聞いたことがありますが、適度に騒がしい方が勉強が捗るのでしょうか。将来東大に入った時に、おでん屋で勉強していたエピソードを話して欲しいなーと考えながら、だんなはなるべく音を立てないようにビールを飲んでいるのでした。
ほかにも大人と子供が一緒にモルックをしていたり、何気ない日常の中で自然と大人と子供が関わる空間が生まれているのです。
毎週来てくれる常連の子供たちもいて、来ない時が珍しいくらい。燻製を目当てに来る渋い中学生もいれば、我が家の子供と一緒に遊んでくれる子も。これがまた子育て世代としてはありがたくて、嬉しい限りです。
何より嬉しいのは、子供たちがテストが終わったことや部活の大会があったことを報告してくれること。小さなおでん屋台がただの食べ物を売る場所ではなく、地域の人々が繋がる場所になってきました。
「つけジット」の役割
大人も子供が関わり辛くなったなーと最近特に感じています。
実際に僕も近所で知っているのは自分の子供の友達くらいで、その他の子供と知り会うきっかけなんて全くありませんでした。
実際に新しく子供達と知り合う機会が増えてきた今は、おでん屋のオヤジとしての距離感を模索しています。近すぎず遠すぎす、遠くからおでんのように暖かく見守っていきたいなと考えるのです。
子供達にとっても大人との上手な間合いみたいなものを図る経験を沢山して欲しいのです。人との関わりは人生に一生ついて回るもの。子供の時にしか体験できない大人との距離感を沢山感じて欲しいのです。その経験を磨く事はその後の人生で武器になると僕は信じています。悪い大人もいるのです。なんとなく察知する能力を養う為にも多くの人に関わるのはとても大事なこと。
つけジットはただのおでんが食べられるチケットです。おでんもただのきっかけです。大人が子供にチケットを「つけて」くれる、その一つ一つの行動が大人の方もまちの事を自分ゴトとして考えるきっかけにして欲しいと願っています。
僕が考えるつけジットの楽しみ方は、お天守前公園で遊ぶ子供たちが今日もおでん食べてるかなーってまちの営みを想像することかなと思ってます。
まちのエンジンを回す着火剤がつけジットです。まちを回し続ける燃料はそこに住む人達なのです。グルグルと回り続けるまちでありたいとだんなは今日も考えて公園でビールを飲むのでした。
おしまい