Vtuberモデルをもっとあなた「らしい」動きに!Z軸のすゝめ【#Live2Dアドカレ2021】
はじめまして!セルフ受肉Vtuber、飛鳴りんつと申します。配信の傍ら、イラストレーター、Live2Dモデラーとして個人を中心に依頼をお引き受けしています。
Live2Dモデラー、ナナメ((6) ナナメ🐭さん (@7name_) / Twitter)様主催の【Live2Dアドベントカレンダー2021】の17日目を担当させていただきます!
Live2D Advent Calendar 2021 - Adventar
(すみません……調べたとおりにリンクを貼ったはずなのですがなぜかカレンダー画像が表示されないので有識者の方いらっしゃいましたらカレンダーの貼り方をご教授ください……)
当記事では、Vtuberモデルをよりそのキャラクターらしく、かわいく、個性を反映させた動きにするにはどうしたらいいか、という観点から「Z軸」のモデリングについてお話しさせていただきます!
はじめに
あらためまして、飛鳴りんつと申します。
普段はセルフ受肉VtuberとしてYoutubeで配信をしつつ、モデル制作やモデリングのご依頼をお引き受けしています。
わたしがこの一年ほどでモデリングを担当させていただいたVtuberさんは20名超。たくさんのVtuberさんのモデリングをお手伝いさせてもらって、お話をしていて、あることに気付きました。
これだけ個性豊かなVtuberさんたち、個性を反映させたモデリングであればもっとかわいく、もっと魅力的に見せることができるのではないだろうか。
ひとくちに"Vtuber"といえど、「かわいい系」「お姉さん系」「元気系」「クール系」……色々なタイプがあります。たとえば、立ち絵のポーズひとつを取っても、「こんなイメージ」というポーズがあるはず。それであれば、モデリングでも同じように性格を表すことができるはず。
しかし、Vtuberモデルを動かすにあたってトラッキングできる項目は多くありません。その中で、キャラごとに動きを変更しても構わない項目となると、さらに限られてきます。
そこで、わたしが目をつけたのが「Z軸」です。トラッキングで言えば、首を横に傾げる動きです。「首をかしげる」とひとことで言ってしまえば簡単ですが、この動きを実際にしてみたとき、大きく動こうとすると体も動くことがわかると思います。そこで、首を傾げる方向はトラッキングそのままに、この「体の動き」を変えることで、キャラクターの個性を表してみることができないかと考えました。
そうしてたどりついたのが、3つのポイントで作るZ軸のモデリングでした。
わたしが首の角度のほか、Z軸のトラッキングに対応させる体の項目は、以下の3点です。
①肩の角度
②体の重心
③脚の動き
それぞれ、画像付きで解説をしていきます。
【①肩の角度】
Vtuberのモデルの多くが、配信中に映るのは胸から上の部分だけです。つまり、体の動きでも特に上半身部分は重要になります。
そこで、わたしが一番大きく印象を左右すると思っているのが、この「肩の角度」。
基本的には、肩の角度は首の傾きに合わせて傾いた方向に少し倒す……というモデリングをしている方が多いのではないかと思います。
ではまず、肩の角度を大きく首に合わせて動かしてみましょう。
次に、首の角度と逆向きに肩の角度を変えてみます。
どうでしょうか?大きく動かすと、元気なイメージ。逆向きに動かすと、少しおしとやか、あるいはセクシーなイメージになるのではないでしょうか。
今は例なので大袈裟な動きをさせていますが、ほんの少しだけ首と同じ方向に、あるいは逆向きに傾ける……それだけでも、キャラクターの性格を表現できる重要な要素です。
【②体の重心】
ざっくりと体の重心……と言ってしまうとどこを動かすんだ!と言われてしまいそうですが、わたしは体の重心を変える時、腰から上の位置を変えることが多いです。動かした腰の位置に合わせて足も違和感がないように軸足を変えていきます。
この動きは、比較的体型ががっしりめの男性モデルでも、大きく動かせる部分です。①の動きは、あまり大きく動かしすぎるとかわいらしすぎる印象になってしまいますが、これなら大丈夫。
軸足の移動は内股に作られた女性モデルの場合違和感のある形になってしまうことが多いので、女性モデルに実装する際は片足を浮かせるなど(③の項目)で軸足を変えています。
体の重心を変えると、肩を大きく動かさなくても体ががちがちにならず、胸から上だけが写ったときにも自然さが出るというメリットがあります。
クールなキャラクターはZ軸で動かし過ぎてしまうと、なんとなくイメージにそぐわない動きになってしまうことがあるので、はじめはその解決法として作った動きでした。ですが、実際に使ってみると、①と組み合わせることで元気な印象や楽しげな印象にも相性が良さそうな感じがあるので、最近は色々なモデルで導入しています。
【③脚の動き】
最後に、脚の動きです。脚は、比較的自由に動かすことができます。モデルは上半身が映ることが圧倒的に多い…とはいえ、全身が映ったときに足元ががちがちでは少し寂しいですね。
たとえば、足で性格付けをしようと思うと以下のような動きが考えられます。
まず、足を曲げて片方を浮かせる動き。
これは内股気味な印象になるので、かわいらしい女性キャラクターに向いています。ちょっと足が跳ねるところも、かわいいポイントですね…!
次に、伸ばしたまま片足をあげて軸足に体重を寄せる動き。
これだと、先ほどよりも少しおてんばな印象です。ボーイッシュなキャラクターや、元気いっぱいな子、ちょっと幼い少女なども向いているかもしれません。
そして、地面から足を離さず片足に体重を乗せる動き。
上半身が動いていないので少し違和感はありますが、くねっとした動きは大人のお姉さんにもぴったり。首と肩を近付けるような動きとの相性がよさそうです。
これ以外にも、ステップを踏ませる、もっと大きく動かす……など、基本的にはZ軸対応なので重心移動中心にはなりますが、色々な動きがつけられそうです。パーツ分けが十分であれば内股、ガニ股の切り替えもできないことはないかもしれません。
ところで余談になりますが、わたし個人は、あまり足の設置面が横にスライドしない動きの方が好みです。実際の人体の動きに寄せようと思うと、スライドしてしまうとなんとなく地面に立ってる感じが薄くなってしまう気がするので……逆を言えば、宙に浮遊しているときなどは横スライドで大きく動かすことでより「人外感」をアピールできるような気がしています。
と、いうのは置いておいて……。
作例
今上げた3つの点を組み合わせてみると、Z軸は思っているよりも自由に動くことがわかります。それでは、実際にわたしのモデルを使った5種類のZ軸を、一気にご覧ください!
わたしは普段の配信では、この5つを組み合わせて使っています。
たとえばゲームコラボの時などは、「あまり横に動かない方がほかの人の立ち位置を邪魔しないな……」と考えて横の動きが少ないものを使ったり、個人の雑談の時はトークの内容に合わせて横揺れの大きいZ軸を使ったり……と言った具合です。まだ実際に使ってはいませんが、首と肩が近付く様な動きは「おちゃめ機能」のMVに代表される様にリズミカルにも見えるので、歌枠にも向いていそうです。
また、より大きく足を動かすと、こんなこともできます。
これはLive2D Creative Award2021の応募作品で使った動きなのですが、大きくステップを踏み、重心移動を大きくすることで、ダンスしている様なアクティブな動きに見せています。
さいごに
いかがだったでしょうか!
……と、ここまでZ軸の話を言っておいてなんですが、実のところ配信中は、思いのほかZ軸は大きく動かないことが多いです(特にゲームなどをしているとき……)。たしかに、日常生活でも基本的には上下、右左に動くだけのことがほとんどですね。
ですが、だからこそZ軸はモデラーが遊べるところだとも考えています。
元気な子、ちょっとあざとい子、ひかえめな子、大人っぽい子…それぞれ、この子ならどんな動きをするだろう?というのを妄…想像しながら、あるいは実際にご本人と打ち合わせをしながら決めていく、モデラーのたのしいところだと思っています。
と、言うことで、最後まで読んでくださった方、ありがとうございました!
Noteが不慣れで読みにくい記事になってしまったかもしれません……
が、Live2Dアドベントカレンダー2021はこの後も続いていきます!
いち読者としてここから先も楽しみです…!
次の投稿は明日、12月18日!makotok1様の記事となります!
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