見出し画像

TIM HARDIN

スミスのジョニーマーが最近「ロック音楽に飽きた」と発言していたが、その理由として「逆境」や「自分の感情」について唄ってる曲が多過ぎる事に嫌気がさしたらしい。

たしかに自分も主観を捨てて、野坂昭如のおもちゃのチャチャチャみたいな曲が作れたらどんなに素晴らしいんだろうと多々思うし、あまりに独りよがりな曲は誰も聴きたくないと思う。

だが自分を曝け出し、内面を正直に唄って時代を超える作品を残したアーティストは数多く存在しているし、

そもそもロックの原型のブルースやカントリーなんかは些細な自分の感情、貧困や身の回りに対しての愚痴を自虐的に唄った曲がほとんどである。

そんなルーツ音楽を基に、自分の喜び悲しみを正直に作品にして、現在でも聴き継がれている1人がティムハーディンだ。

ティム・バックリーと同じ1966年にデビューし、最期は39歳の若さで独り自室でオーバードーズで亡くなっている。

ジョンレノンが3週間前くらいに射殺されており、ほとんど亡くなった事も話題にならなかったらしい。

自分の好きな2枚のアルバムで、「SUITE FOR SUSAN〜」の方はvan morrisonの「tupero honey」と年代も近いせいか内容もよく似ていて、新しい家族を持ち、喜びに満ち溢れている内容なのだが、

レナードコーエンのカバーで始まる「bird on a wire」の方は妻のスーザンに捨てられ、なんとか自分をギリギリ保っているような不安定な心情を吐露していて、聴いてる方も胸が痛くなる。

正直に生きる事は難しい。そう思った。

いいなと思ったら応援しよう!