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ドライブ.マイ.カー
石橋英子が音楽を担当している事がきっかけで観たけど、派手な演出もないのに3時間という長尺を感じさせない濃密な映画で、
最愛の妻を亡くし固く心を閉ざした男が、自分の弱さや愚かさと向き合い、雪の中で慟哭してしまうシーンは胸が熱くなった。
濱口監督が役者達との本読み稽古の際に実践しているという、感情を入れずに読み合わせする手法を、映画の中でも描いていたり、
言うとクサイ感じになる台詞も、映画の中の演劇のセリフで言わせることで自然に入ってきたり、車中後部座席での鬼気迫るやりとり等、伝え方の重要さを痛感させられる場面も多かった。
それにしてもたけしの「DOLLS」といい、今回の作品といい、哀しみを秘めた主人公を演じさせたら、西島秀俊の右に出るものはいないのではないかと思うくらいのハマり役っぷりで、
村上春樹と親交のあるポール・オースターの作品等も、演じたらきっと合うんだろうな〜と、勝手に想像してしまった。
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