別名ゾンビタウン 薬物が蔓延する町 "ケンジントン地区"
突然ですがSkrillaというラッパーを知っていますか？
2024年僕の中で最も注目されたラッパーです
最新のアルバム"Zombie Love Kensington Paradise"ではLil BabyやRob49を客演に迎え
アンダーテイカーの入場かよと突っ込みたくなるようなダークなビートに淡々とラップするスタイルで僕の心はチョークスラムされました
そんなSkrillaはペンシルバニア州フィラデルフィアのケンジントン地区出身のラッパーです
フィラデルフィアは全米で6番目に人口が多い大都市で、アメリカの歴史を語る上で欠かせない独立宣言が行われた建物もここにあります
そんなフィラデルフィアの中心部から北東に行くとケンジントンという地区があります
ここは別名ゾンビタウンとも呼ばれアメリカで最も薬物が蔓延している地区です
Skrillaはここ出身です
という事で今回はそんなアメリカの闇
フィラデルフィアの薬物問題を紹介します
史上最悪の麻薬 "フェンタニル"
ケンジントンの薬物中毒者の多くはフェンタニルという薬物を使用しています
これは強力な鎮静剤で合成オピオイドの一種です
オピオイドとはケシから採取されたアルカロイド、またはそれを合成させた化合物の事です
モルヒネやコデインは半合成オピオイドで、合成オピオイドにフェンタニルがあります
もうパルスのファルシのルシがコクーンでパージ状態ですけど、ここは別に知らなくていいです
このフェンタニルに他の薬物を混ぜて使用するケースが多く見られ、ヘロインやコカインと混ぜて摂取する事で呼吸困難や低血圧、心拍数の低下を引き起こし所謂｢ゾンビ｣の状態になります
最近ではキシラジンという本来動物に使われるような鎮静剤と混ぜて使われるケースが増えています
このフェンタニルは非常に強力であり、僅か2gで死に至ります
いくら何でもヤバすぎるこの薬物が流行った経緯を次に纏めます
労働者が集まる場所
ケンジントンは元々製造業が活発で、多くの労働者が仕事を求めて集まりました
ですが製造業が衰退すると代わりに麻薬取引が盛んになり、1970年代には既に薬物が蔓延する危険な地区となりました
今やケンジントンはアメリカの中でも格安で薬物が手に入る薬物中毒者にとって天国のような場所であり、全米から麻薬を求めて人が集まるようになります
そんな彼らに対して地元住民は怒りの声を挙げており、Facebook上の地元グループでは｢麻薬売人をその場で処刑すべきだ｣｢中毒で緊急搬送された人はその場で死なせてあげるべきだ｣といった投稿も見受けらます
というわけでアメリカ社会の闇でもあり、資本主義の負の部分ともいえるケンジントン地区ですが
実はアメリカだけの問題ではなく、これにはある国が関わっています
現代の"アヘン戦争"
アヘン戦争とは1840年にイギリスと清の間で起きた戦争のことです
イギリスはインドで生産したアヘンを清に輸出することで巨額の利益を得ていました
自国にアヘンが蔓延した事に対して全面禁輸を断行し、それにキレたイギリスが戦争を仕掛け清をボッコボコにしましたイギリスはクソ
余談なんですけど、この戦争の結果を受け取った日本は｢クソ強い国だと思っていた清がボコボコにされるとか俺らもヤバいんじゃね？｣感が高まり
｢外国の船とか撃ち落とせ｣とか言ってた幕府が｢外国船も良いよね👍｣とか言い出したため
攘夷の思想が強くなり、やがて明治維新からの大日本帝国へと繋がっていきます
話を戻しますと、アメリカで蔓延しているフェンタニルの多くは中国で製造された原料をメキシコの麻薬カルテルが加工したものです
アメリカ次期大統領のトランプが中国とメキシコの関税を追加でかけると発言したのはこういった理由があります
この関税は1月20日の就任初日に大統領令で発令する考えを明らかにしており「麻薬、特にフェンタニル、全ての不法滞在者がこの国への侵略を止めるまで有効」と述べています
これに対して中国側は｢フェンタニルはアメリカ側の問題だ｣とした指摘し、メキシコも過去最多となる1100キロのフェンタニルを押収したと発表し、取り締まりの強化をアピールしたと同時にアメリカが関税を課した場合、報復措置も辞さない考えを示しています
この対立構造が現代のアヘン戦争と呼ばれる所以です
この薬物問題はケンジントンだけではなく、アメリカ全土で社会問題となっています
年間10万人が過剰摂取で命を落としており、支援団体も活動していますが全く追いつけてない状況です
最後にケンジントンの王と自称するSkrillaの最新アルバムを置いておきますので
興味を持った方は是非