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鈴本演芸場 八月上席(落語鑑賞覚書)

上野鈴本 琴調の夏

寿限無 十八
ジャグリング ストレート松浦
西行鼓が滝 貞弥
安兵衛狐 さん花
千早ふる 扇辰
漫才 風藤松原
鉄千早 小ゑん
藪医者 市馬

中入り

紙切り 楽一
山内一豊〜出世の馬揃え 琴鶴
芝居の喧嘩 歌奴
粋曲 小菊
四谷怪談〜お岩誕生 琴調

(敬称略)

夏の鈴本として初の試みとなる、講談をメインに据えた番組でした。出る講釈師さん出る講釈師さん皆仰ってますが、鈴本所有の釈台は相当に良い物らしい。勿体ないのでどんどんこう言う番組やってほしいですね。貞弥さんの西行鼓が滝は正蔵師匠や歌奴師匠がよく演られる落語版とほぼ内容は一緒ですが、所どころのディテールが講談調で違った雰囲気が楽しめました。千早ふる〜鉄千早のリレーは文蔵師匠だと聴いた事ありますが、扇辰師匠とは初めて。琴鶴先生のネタはどうやら琴鶴ファンにはお馴染みの演目のようですが、私は初めて。てか、色んな講釈師さん聴くようになって今更ながら気付いたのですが、この方、同世代では滅茶苦茶上手い人な気がしてきました。古典も新作も満遍なく手掛けられますし。琴鶴先生の後は歌奴師匠なんですが、釈台が出たままになってたので、これは何かあるぞと楽しみにしてたら、張り扇持って芝居の喧嘩。なんでも歌奴師匠の張り扇、琴鶴先生の真打昇進の時に偶々貰って、今日初めて使ったそう。初めてとは思えない大きな音にすげえ!と思いましたが、終盤は落語に集中してきた所為かペチペチ音になってホッと安心(性悪)ヒザの小菊師匠、初めて裏の背戸やが生で聴けて嬉しい。この歌好きなんですが、蛙ひょこひょこと同系統のくだらなさなので中々狙って聴けないのです。トリの琴調先生は夏らしい怪談噺。この方は落語協会にも所属されてるので比較的聴く機会が多いんですが、明るい芸風だし聴きやすいので、講談ブームになった後も変わらず好きですね。怪談そのものの怖さと、ちょいちょい入る変なくすぐり(笑)の落差を楽しませていただきました。

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