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とんだ!茶番ランド(落語鑑賞覚書)

とんだ!茶番ランド
なかの芸能小劇場

五段目 白浪・馬太郎
象のサーカス 小はだ・小駒・小もん
太神楽 小花・和助
頼政鵺退治 小はだ・小駒・小もん・和助
蕎麦屋 㐂三郎・きく麿

仲入り

死神 楽屋一同

(敬称略)

上のチラシ画像にある通り、落語なし、全編茶番というマニアックな会でした。芸人さんのやる演劇には茶番のほかに鹿芝居、俄(にわか)がありますが、素人了見で分けるとしたら、規模の大きさ(上演時間の長さや出演人数の多さ)で比較すると、大きい順に

鹿芝居>>>俄≧茶番

ってとこか。あと、鹿芝居や俄が、あくまでパロディ元となる歌舞伎や狂言ありきなのに対して、茶番はパロディもあれば現代で言うコントとほぼ変わらないものもありより自由な感じです。かつて、茶番は明治期にはほぼやり手が無くなってたそうなのですが、太神楽の一門の中でギリギリ残っており、今かけられている茶番は和助さんが古書の僅かな文章から復元し、壊れた道具を作り直し復活させたそう。さらっと書いてるけど、やってる事は故・米朝師匠と変わらなくないか…?

トップバッターは五段目。その名の通り仮名手本忠臣蔵の五段目のパロディ。明治期に無くなりかけた茶番のうち、唯一、続けられていた演目。白浪さんが与市兵衛、馬太郎さんが定九郎に扮して…なのですが、まー、ドリフのコントだわ(笑)時系列的にはドリフが茶番の方法論を取り入れたのかも知れないけど。

象のサーカスは、調教師が小駒さん、象の前足と後ろ足が小はださんと小もんさん。象の着ぐるみを使った結構迫力のある大掛かりなもの。調教師の指示で象が色んな芸をし、最後にある人が象の背中に乗ろうとするのですが…この辺りは実際に見て欲しいです。あと、ふと思ったのですが、伊○夢葉さんから鞭借りられたら、今度は張り扇ではなく鞭でやってほしい(笑)

太神楽は寄席でお馴染み、和助さん、小花さんのコンビ。寄席では滅多に見ない花籠鞠の曲や、寄席では出来ない大掛かりな装置を使った「人間ピタゴラス○ッチ」が楽しかったです。

頼政鵺退治は、平家物語の中の、源頼政が鵺(ぬえ)という妖怪を退治する伝承が元になった演目。頼政を和助さん、頼政の部下二人(名前失念)を小はださん、小もんさん、主役?の鵺を小駒さん。てか、鵺の姿のインパクトに会場騒然。千鳥風に言えば「鵺の癖が強い」衣装に負けない小駒さんの怪演に拍手!

蕎麦屋はきく麿師匠作の新作茶番。茶番になってもきく麿ワールド全開でした。相方の㐂三郎師匠のテンポも良く(余談ですけど、めちゃくちゃ運動神経良くないですか…)、キングオブコントみたいなコンクールでも普通に通じるクオリティではないでしょうか。

仲入りを挟んで最後もきく麿師匠の新作茶番。演者総出で「よしもの新喜劇みたいな」というオーダーだったそうで、落語「死神」パロディでわちゃわちゃと楽しい話。きく麿師匠、多才な人です…。死神登場シーンが特に爆笑でした。

会場では結構本格的に撮影してました。今後一般公開があるかは分かりませんが、まずはアーカイブが残るので後年、大きな遺産になるのではないでしょうか。それは真面目な人に考えて貰うとして、もっと色々見たいので早く第二回が開催される事を切に希望いたします。

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