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おバイク一人旅~福島県只見町→金山町→三島町→柳津町(復路)2020.10.4

1日目はこちら

南会津旅の2日目は薄曇り。お日様は見えないが、雨の心配はなさそうだった。
前夜の立ちゴケで愛機の損傷がどうか、朝食の前に見に行ったところ、わかっていたウインカーの割れ以外、傷や故障は見当たらず、大きく胸をなで下ろした。
この日は前日の続きで、会津高原の北側を走ると決めていた。

まずは前日の終点、道の駅きらら289まで、湯野上温泉の宿からR289で戻り、ツーリングを再開させた。
山の中腹に雲がかかっているのを見て、ひどい霧なんだろうな、でも上まで行けば雲海が拝めそうだな、などと思った。勿論、真っ白な雲の中を走る度胸など、あるはずもなく、予定は変えなかったけれど。

会津地方は米どころで、水も綺麗なことから、とても美味しいお米やお酒ができる。
アルコールを受け付けない体質の私でさえ、会津の日本酒の味は好きで、大さじ1杯程度を、時間をかけてゆっくり、飲むと言うより舐めるほどの美味しさだ。
収穫間近の、黄金色の田んぼは本当に美しい。この日は、稲刈りもだいぶ進んでいたが、ところどころで金色の波を見ることができた。

R289で南会津町を抜けて、只見町へ。奥会津の最も西の町。
本当は、只見町の中でも西側の、田子倉湖まで行ってみたかったけれど、前日の立ちゴケの後遺症で、心はしょぼんと縮みまくっている。日が短い季節ということもあり、カーブが多いそちら側へ行くのは諦めて、R252で北側の金山町へと抜けた。
田子倉湖の風景は、今年の夏にでも、改めて眺めに行きたいと思っている。

金山町では、R252は只見川に沿うように走っている。
バイクを止めて、川を覗いてみると、水量豊かなグリーンの水鏡が、あふれる自然を美しく写しているのが見えた。
只見川は霧が素晴らしいと聞くけれど、どの季節の、どの時間帯にお目にかかれるのだろうか。
会津高原の北側は、南側ほどの自然の深さはないが、この只見川が景色の主役になる。どちらの景色も、今回のツーリング旅を快適に彩ってくれた。

立ち寄った道の駅奥会津かねやまで、名物の赤かぼちゃを使ったソフトクリームを注文すると、バイクで来たんですか、と訊かれた。
なんと、ライダーは50円引きのサービスを受けられるとのこと!
ありがたくいただいたソフトクリームは、素朴なかぼちゃの味わいで、奥会津らしい美味しさだった。

ソフトクリームの後は、さらに只見川沿いを走り、お隣の三島町へ。
この街の道の駅、尾瀬街道みしま宿には、ポスターやカレンダーなどでよく使われる、只見線の第一橋梁が見える場所があるのだ。
遊歩道に木の板で作られた階段をあがり、只見川を見下ろすと、確かに写真で見覚えのある風景が広がっていた。
自然の奥深さに、ただただ見惚れてしまう。第一橋梁を撮り続けている写真家もいるらしいが、それも納得の絶景だった。
この風景がどんなふうに表情を変えるのか、別な季節に、また確かめに行きたい。

三島町から柳津町に入ると、奥会津の旅もそろそろ終わり。
柳津には粟まんじゅうという有名なお菓子があるが、おやつより食事がしたかったので、会津といえばお蕎麦と、道すがら見つけたお蕎麦屋さんに入った。
(後で知ったことが、友人のお気に入りの店らしい)
お蕎麦の味はもちろん美味で、店内のレトロな雰囲気も落ち着く。隣のテーブルにいた、ツーリングのライダーたちと話したり、私がこの日最後の客ということで、お店からサービスをいただけたりと、楽しく過ごすことができた。

お蕎麦のあとは、何とか明るいうちに帰りたいと、磐越道の会津若松ICから高速に乗り、無事に帰宅することができた。
奥会津は、温泉のとても良い地域でもある。金山町には、天然の炭酸温泉もあるくらいだ。ツーリングだけでなく、温泉巡りもとても楽しそうだ。
愛機と私をやさしく包んでくれた自然だが、冬には豪雪地帯となり、厳しい表情も見せる。
そんな奥会津には、派手なものや新しいものはないけれど、心を包まれるような独特の雰囲気があった。
今後は、地域を切り取りながら、何度でも奥会津を訪ねてみようと思う。

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