自然の力で室温低下!ガーデンデザインから猛暑対策を考える。No.1
日本の夏は年々暑くなってます。30~40年前は30度を超える日を暑いといってたそうです。そしてクーラーどころか扇風機なしで過ごせていたこともあるそうです。しかし今は35度を超える日を暑いと呼び、クーラー無しだと熱中症にかかる人がでるほど。もはや対策を真面目に考えなければならない社会問題となってきてます。
日本の夏の高温化の主な原因は、取り沙汰されることが多い地球温暖化と共にヒートアイランド現象にあるとのこと。
今回は、上記の影響の抑制を実現する「パッシブデザイン」と呼ばれる手法の紹介です。
パッシブデザインとは住宅設備の性能に頼るのではなく、自然の影響効果を利用して快適な暮らしを創造することです。
そして私の専門である住宅の外側からガーデンデザインの目線で、どう住宅に組み込めるかを考えました。
■人が体感温度を左右する要素■
例えば昔ながらの土間のある民家は体感で涼しく感じることはないでしょうか?これは単に室内温度のみに関連するものではなく、様々は周辺環境に関係するものも多くあります。
【放射】直接触らなくても、温度の異なるものの間では熱が移動します。
日射で温められた建物は外壁の表面温度が高くなり、室内に熱が移動して暑く感じます。
【対流】空気が動いて皮膚に当たると、皮膚の表面から熱が空気とともに移動し涼しく感じます。
団扇や扇風機など、室内気温はそのままでも風があたると涼しく感じるのはその為です。
【蒸発】液体が気体となり「蒸発」すると気化熱を奪い、その周辺の温度を下げます。
汗が蒸発することで、熱を逃がし体温を調節する効果にあたります。
【伝導】ものを触ると、熱は手からものへと移動「伝導」し、温度差が少なくても熱の移動スピードが速いため冷たく感じます。
温度差は少ないのに金属製のドアノブなどを触ると冷たく感じるのはこの効果です。
この4つの効果を上手に組み込めば、同じ間取りの住宅でもエアコン無しとは言わずとも、稼働時間は少なくて済むでしょう。
具体的にどのように活用するかは、次回にお話ししたいと思います。