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58.31314 第108回 大学

(音声:22分10秒、テキスト:約6750文字)
 
♪~ BGM:On Brevity by Josh Woodward ~
 
【0分19秒~】
 
こうやさいさいしです。ラジオ、58.31314(ごじゅうはってん さんいちさんいちよん)、始めさせていただきます。よろしくお願いします。
 
今回は、大学ということを、考えて、話そうかなと思いました。大学通ってたのが18くらいの時なので、そっから今7年、約7年経ったわけなんですけど、ようやく、フラットな目線で、あの時のこと考えることできたり、大学というものに対して、見れるように、落ち着いたっていう感じですかね。
 
なおかつ、今3月の頭で、あと1ヶ月もしたら新生活ということで大学に通う方がいたりとか、身近な方が、お子さんとか、親戚のとか、兄弟とか、通う人がいるっていう方もいらっしゃると思うんで、このタイミングで1回話しとこうかなと思いました。
 
【1分26秒】
 
まず最初に、私の経験とか記憶とか、その当時思ってたことに関してお話ししようかなと思います。
 
私は大学に1年間と約5か月くらい、半年もいなかった、一年半もいなかったくらい在籍してまして、実質通学してたのは、4月から8月、入学してから、前期の単位を修める試験、受けるまでですので、5ヶ月間ですね。
 
この5ヶ月間私はずっとしんどかったです。楽しくなかったし、無意味と言うか、虚無感に浸ってたって言うか。
 
私は、英文学科、文学部英文科英文学科にいて、横浜で一人暮らしをしながら、大学に通ってたんですけど、授業は、もちろん英語メイン、英文学、特にアメリカ文学と、コミュニケーション イングリッシュみたいな。

Ernest Miller Hemingway

英語話者の教授がいて、一緒にテキストやったりとか、物語とか、読んだりして、どうのこうのっていう授業だとか。あとは、語学としての英語、発音だとか、規則性を見て、こういうのがありますよねっていうような、感じの、何て言うんですかね、英語をメインの授業と、あとは、学校がミッション系だったので、キリスト教の授業、これは必須でしたね。
 
【3分8秒】
 
そんで選択として、私は社会学の授業を2つ取ってました。
 
1つは家族コミュニティについてっていう授業だったんですけど、実質なんか統計学みたいな感じで、あんま面白くなかった、と言うか、思ってたのと違ったなという感じでした。
 
もう1個が、こっちが結構面白かったなっていうのがあって、高度経済成長期の文化だとか、教授がすごいフリーダムな方で、「飲み屋に行っておっさん達の話聞いてこい」みたいな。「それでレポート書けばいいよ」って言うような教授でした。
 
授業も授業というよりかは、私が一番覚えているのは、クレイジーキャッツの映画を何本か観たっていう、ただそれだけの授業。それ見て解散っていうような、授業を取ってました。

crazy cats

で、まあもちろん一年生なので、朝から夕方とか、下手しぃ、夜の8時ぐらいまでとか、高校の時より勉強してましたね。学校で勉強してました。
 
あとはサークル、サークルにも入りました。
 
ただこれが、エコ...そう、エコのためになんかしましょうねっていうサークルなんですけど、環境のために言いながら、これ環境破壊というか、無駄遣いしてないか?っていうようなことをしているサークルでしたね。本当に、何でこのサークルに入ったんだろうというようなところに入りました。
 
【4分48秒】
 
学校での生活はこんな感じで、休日、土日は、教習所に通ってましたね。毎週のように、学科と実技を、できるだけ詰め込んで通ってまして、そのおかげか、夏の、単位取得試験ぐらいには、もう取れましたね。
 
ていうのが、私の5ヶ月間の生活。大学入学前のイメージとか、私が、親とか兄から言われてた事っていうのは、まず、「遊ぶために大学へ行きなさい」とか、「いろんな人がいるから」とか、「授業をサボれるよ」「楽だよ」「今までの学校、学校生活とは全然違うよ」って、言われてたんですけど、これが全部ひっくり返された。
 
遊ぶために大学行けって言われても遊ぶ暇ないし、どうやって遊んだらいいか分からないし、サボれないんですよね。
 
授業とか、不正あったら、もう単位取得許さないどころか、その授業に参加してたこと自体取り消されるとか、朝から夕方まであって、いやこれ普通の全日制の高校とか、中学校、義務教育と同じやんと思ってました。
 
でなんで私の感じとことと彼らの言ってた、親とか兄貴達が言ってたことと、この乖離があるのかっていうのは、年(とし)、年数経っちゃってるからしょうがないんですよね。親の話なんてもう30年以上前ですし、兄、上の兄、下の兄がいて、下の兄とも私は歳が6個とか7個くらい離れているので、兄が大学に行った頃の話と、私が大学にいた時の話ですら5年以上差があるんですよ。
 
出席の取り方一つ、で、私の頃はもう親とか兄貴達の頃はもう抜け目がいっぱいあるかもしれないけど、私の頃は、厳重っていうか、結構厳しく管理されてたんですよね。
 
【7分9秒】
 
あとは、いろんな人がいるからとか、その波長が合う人間が必ずいるからって言われてたことに関して、私は、どっかで友人を作らなきゃいけないって思ってたんですよ。でも、周囲と合わないなっていうのは肌で感じてました。でも、必ずどっかにいるからっていう感じで変なサークルにも入ったし、一応いろんな人と話すようにはしてたんですけど、それは結構疲れましたね。
 
で、あとは、遊ぶために大学行けとか、楽しめって言われても、遊ぶって何?って。
 
私が住んでたのは、横浜の端の方、鎌倉寄りだったので、鎌倉の方にも行けたし、電車1本で、横浜、川崎、もうちょっと行けば東京まで出れたんですけど、どこ行っても合わなかった、息苦しかったですね。人混みあるし、交通量も多いし、私が心地いいと感じる環境を見つけることができなかったんですよ。

ていうので、ずっと苦しかったです。

馬車道

一応横浜の方にも、籍は移したんですけど、ちゃんとそのアパートで一人暮らししてたっていうのは、通学してた4月から8月まで。そのあと1年間休学してた時は、週に2日ぐらいは横浜のアパートの方に行って、一泊して、あとは全部つくばに戻って、実家の方に戻るような生活でした。
 
本当に、過ごした、横浜で過ごしたのは5ヶ月間、4月から8月だけです。そんだけ、もう場所が合わなかったですね。生活環境が合わなかった。
 
【9分2秒】
 
今回は、私がその当時の後悔の念とか、恨み節を言いたいわけじゃなくて、私が大学生だった時、学校通ってた時とか、あとは、今ようやく大学に関してフラットな目線で見ることができて思うことは、大学っていうのは、勉強するために行くところ、学問をするために行くところだなと、思います。
 
なおかつ、自分だったら、学問とか何か、勉強したいことに没頭するような生活をしてたんだろうなとか、そういった生活の仕方、過ごし方が合ってたんだろうなと思います。
 
それまでは、親とか兄貴達が言う通りに、大学はもうちょっと楽に勉強する場所だとか、いろんな人と出会うっていう、勉強以外のことに目を向ける場所だと思ってたんですし、そう思い込もうとしてたんですけど、今は逆ですね。ちゃんと勉強するところ、学問をするところ、没頭できる所って言うんですかね。好きなこと、学びたいことを、絞って没頭するところと思います。
 
【10分21秒】
 
そう思うきっかけっていうのが、ここ1か月、2か月で、2つありました。
 
まず1個目は、 ピクシブ(pixiv)って皆さんご存知でしょうかね。イラストとか漫画とかを投稿できるサイト、なんですけど、ある漫画のあるセリフがあって、まずそれを見た時に
 
まず、ざっくり世界観を説明しますと、ファンタジーで、この世界には、人間と吸血鬼と悪魔っていう、ざっくり分けて3つの生き物っていうか人種っていうか、生物が、まあその他動物とかいますけど、だいたいメインでこの3つが絡んでくるお話で、吸血鬼と悪魔っていうのは、身体能力が異常に高かったり、そもそも、姿形、能力っていうのが人ならざるものになってたり、なんですよね。
 
人間は人間のままの能力なんですけど、人間と吸血鬼が契約を交わすことによって、人間の身体能力がアップするんですよ。自然治癒力だとか、まぁ単純に、脚力とか、物理的な力とか。で、この契約した吸血鬼と人間が、悪魔を討伐するっていうようなお話なんですよね。ていうのが大筋、お話の大筋です。
 
【12分0秒】
 
で、肝心の、ある漫画、あるワンシーン、ある場面の話なんですけど、まあ人間と吸血鬼が、同じレベルの訓練をしてたんですよ。もちろん人間の身体能力アップするとはいえど、吸血鬼、大元の契約相手の吸血鬼には及ばないですけど、その人間は、契約した吸血鬼と同じレベルの訓練をしていました。
 
吸血鬼が、「何でそこまで強くなろうとするのか?」と問いかけるんですよね。で、言われた人間は、「むしろそれが出来るのに何でやらないの?」って返すんです。この人間の言葉、それができるのに何でやらないの?っていうセリフを読んだ時に、ふと、私は行けるところまで行くっていう気持ちがあれば、大学に通うことも苦じゃなかったんだろうなとか、大学に通うっていう資格とか、立場とか、環境を活かせたんだろうなと思いましたね。
 
この漫画とか、このセリフ、このコマを、初めて見たわけじゃないんですけど、ここ1ヶ月で読み返して、また改めて見た時に、なぜかそういう思考回路になりました。
 
これがまず1つ目。
 
【13分28秒】
 
きっかけの2つ目は、『コンテナ物語』っていう本を読んだんですよね。『コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった』という、マルク・レビンソンさんの本なんですけど、この本の内容は、コンテナの発明だとか、コンテナ輸送、あの箱に物を詰めて運ぶっていう。

その当時は、まだ直接モノを船に積んで輸送してたのを、もう箱ごと移動するとか、箱ごとトラックに繋げたり、箱のまんま、こう、入れ物のまんま、船に積んで、海運するっていうような。
 
この発明だとか発想によって、輸送、労働、経済がどう変化していったかっていうお話なんですけど、この本の中に出てくる発明者、コンテナっていうもの自体というか、箱の仕組み、運送の仕組みの発明者の快進撃みたいなのが痛快で面白かったんですけど、それプラスで、訳してくれた翻訳者が良かったなと思いました。
 
【14分49秒】
 
村井章子さんという方で、元々、フランスを学んでた方、フランス語を学んでた方で、フランス語から日本語に訳すっていう仕事をしてたんですけど、最近だと、ビジネス書を訳す、ビジネス書、英語の本を訳すっていう、そういった仕事が、メインでやってる方なんですけど、この方の訳がねぇ、非常に面白かったです。
 
例えば、この本の名前っていうのは、『コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった』っていう名前なんですけど、原題、英語の名前、題名っていうのが、『The Box: How the Shipping Container Made the World Smaller and the World Economy Bigger』、なんですよね。
 
直訳すると、『箱。輸送コンテナはどのようにして世界を小さく、世界経済を大きくしたか』っていうような直訳になると思うんですけど、これはよくある訳し方っていうか、日本語の表現として、こうやって変化させるって言うのはまあまあよく見る表現だと思うんですけど、例えば、作中の訳というか日本語の表現として、コンテナの発明者、生みの親が、もうどんどんコンテナ輸送をシステムとして組み込んでいくんですよね。そして収益を上げたりとか、輸送量も増えたり、輸送先を増やしてって、順調に見えたが「そうは問屋が卸さなかった」だとか。

container

あとは、「コンテナ輸送、このシステムがよちよち歩きを始めた頃だった」、ていう表現があったんですよ。「そうは問屋が卸さない」、「コンテナ輸送が、よちよち歩きを始めた頃だった」っていうのは、元々どういった英文を見て、こういう表現とか、こういう訳し方をしたのかなって思いましたね。
 
【16分51秒】
 
そう、例えばなんですけど、「よちよち歩きをする」「よちよち歩く」っていうのは、「toddle」っていう単語があるんですよね。人とか赤ちゃんが「よちよち歩く」単語はあるんですけど、「toddle」っていうのは、人とか動物以外にも使えるのか、「コンテナ輸送がよちよち歩きを始めた頃だった」っていうのを、本当に直訳する表現はあるのか。
 
コンテナ輸送が「よちよち歩く」って、比喩表現っていうか、コンテナ輸送が実際によちよち歩くわけじゃないですよね。だから、もっと無機質な英文だったのを、日本語で分かりやすくするんだったら、「よちよち歩く」かなって村井さんが訳したのかなとか。結構考えるポイントポイントがありまして、それを脳内でやってたりとか、感想として、あそこの表現はどうだったんだろうとか、こういう表現は元々どうだったんだろうって考えてた時に、あぁ、私は英語をこう勉強したかったんだなと、思ったんですよね。
 
【18分10秒】
 
私が大学の授業でやってた英語とか、周りのみんなが、こうして将来は英語を使いたいとか、こういう英語を勉強したいみたいな。それは、コミュニケーションとして英語を取り入れたいっていうような感じだったんですよね。まあ、留学したいとか。

bay bridge

 だけど、私はコミュニケーションとして使うために英語を勉強したいんじゃなくって、語学の対象として、学問の対象として英語を勉強したかったっていうか、まぁ、分析したかったっていう感じですかね。
 
英語を、自分で使うための、じゃなくて、日本語と英語の相違みたいな、そういったのを勉強したかったんだなーって考えるタイミングがありました。
 
こういったきっかけが重なって、短期間であったんですけど、私は、今、大学に戻りたいとか思わないし、今から独学で英語を勉強するって気にはならないんですよね。単体とか、単発、その瞬間だけ、グって調べたり、いろんな文献あさったりっていうのが、距離感として一番合うかなと思います。
 
【19分29秒】
 
最後、繰り返しにはなるんですけど、大学ってめちゃくちゃ金かかるじゃないですか。入学金、授業料とか。奨学金もらえたとしても、将来的には返さなきゃいけない。うちのアニキ達もそうでした。卒業した後に、まあ、言い方悪いけど借金なので、それを返すために、何年間は、奨学金返すためにっていう生活をしてました。
 
だから、もちろん大学に行く理由だとか、目的っていうのは人それぞれではあるけれども、何より大学っていうのは、勉強するために、専門的な学問をするために行く所っていうのは、忘れないで欲しいなと思います。

library

それこそ私だったら、大学っていうのは、いろんな地域から、1つの学校とかキャンパスに集まって、いろんな人はいるけど、
 
【20分21秒】 ♪~ BGM:Inertia by Josh Woodward ~
 
別に、その人たちに目を向ける必要はなかったなと思います。一つのことに没頭する、学問っていう事に没頭するっていう選択肢を、あの時持ってたら、私がいた環境とか、立場っていうのは、もっと活かせたんだろうなと思いましたね。
 
この『コンテナ物語』に関してはね、もともと、私が、自発的に読みたいって思った本じゃなくて、職場の人が、「こういう本を読んでる」っていうふうに言われて、「あ、じゃあ読みますわ」って言って読んだんですけど、その人にね、なかなかこの本に関しての感想をぶつけるタイミングがなくてね、今、非常にモヤモヤしています。不完全燃焼な感じ。その人とはフロアが違うので、なかなか、ずっと顔を合わせて話すっていうタイミングがないんですけど、「『コンテナ物語』、読みました」とは言ったんですけど、それ以上の話がなかなかできないので、タイミング見計らって、また話をぶち込んでみようかなと思っております。
 
以上でございます。ここまでお聞きいただき、ありがとうございました。それでは皆様ごきげんよう。さようならー。

Team Radio Lyrics

こうやさいさいし

Podcast 58.31314


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