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58.31314 第103回 新しい用語や枠組みが増える現状

(音声:19分38秒、テキスト:約5950文字)

♪~ BGM:On Brevity by Josh Woodward ~

【0分19秒~】

こうやさいさいしです。ラジオ、58.31314(ごじゅうはってん さんいちさんいちよん)、始めさせていただきます。よろしくお願いします。

今回は、とても題名をつけるのが難しいお話なんですよね。なので、早速私のお話、思考の流れみたいのを、皆さんにお話ししようかと思います。

まず、私が以前も配信したと思うんですけど、心療内科で自閉症スペクトラム指数を測る診断テストをやったっていうお話ですね。その時に、先生が言ってたのが、「あなたという人間を我々が理解をするために、このテストを受けてもらった。」

【1分7秒】BGMオフ

あの、今まで会話を重ねて違和感はなかったんですけど、職場で苦労しているっていうことを私から聞いて、もしかしたら、ひょっとしたら、っていうふうには思ってたみたいで。

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「でも、その割りには会話に違和感が無い、じゃあとりあえず自閉症スペクトラム指数っていうテストをやってもらおう。まぁしたら、思ったより点数が自閉症の人、完全にこの人は自閉症ですっていう人達のそれと同じくらいで、いやびっくりしました」みたいな、ことを言われたんですよね。

で、また、私が職場で、あの何ですかね、この人がいると雰囲気がピリつくとか、ちょっと嫌な感じじゃないけど、みんなの動きがぎこちなくなってるなっていうの私が感じたら、和ませるためにわざとちょけるっていうお話をした時に、「ああ、あなたは、HSP、ハイリーセンシティブパーソンかもしれないね」っていうお話をされたんですよ。

その時も似たような内容のお話、「我々はあなたという人間を理解するために、人格を理解するために、心理学からそういった知識とか言葉とか枠組みを当てはめて考えてみてるんです」っていうようなお話をしてましたね。

【2分37秒】

さらに、私が役所の窓口で、自立支援医療の認定を受けた時の話ですね。自立支援医療とか、自立支援っていう、そういった制度があるんですよね。これは、私の場合は、精神疾患で、精神疾患っていうかうつ病で、もう何年だ?、10年まではいかないけど、まぁ5年以上ですね、私の場合は。継続的に重度な疾患だから、通常、医療費が3割だけど、指定の病院と薬局で診察と処方箋受け取ると1割になりますよっていう制度があって、その認定を受けに行った時、窓口の人からですね、「自立支援医療と一緒に、障害者手帳の申請もできますよ。どうしますか?」って言われたんですよ。

私はその時に「何か変わるんですか?」っていうか、「やった方がいいんですか?」みたいなことを訊いたら、「いや、ぶっちゃけ、あんまり変わんないんですよね。ただ、用紙がちょっと違うんで、一応どうするか訊いたんですよ」って、言われまして。

で、結果、私は「じゃあ、いっすわ。とりあえず自立支援医療の方だけお願いします」って言って、申請をしました。

ここで一旦まとめときますと、まず、心療内科での話ですね。先生が、私を自閉症スペクトラムとかHSPであてはめたんですよね、1回。それは、先生が私を理解しやすくするためとか、まあひいては、その悩みを解決するために、一旦そういった枠組みを当てはめてみたと。

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で、また、自立支援医療の認定のお話、役所でのお話だと、私が私をそういった障害者手帳とか、障害者手帳3級って言われてたかな、そん時。まあ私が私を、特に利がなかった、利益がないなって思ったから、その枠組みは使わないですっていう、障害者手帳っていう枠組みは、私は使わずにいましたし、今も使ってないですと。

【5分10秒】

この話を受けて何が言いたいか、まとめみたいなことをサクっといきますけど、今、心理学で使われてた言葉が、日常生活でも目にすると思うんですよね、HSPもそうだし。とか、あとは、いろんな疾患も細い枠組みで増えてきている。精神疾患が一番分かりやすいかなと思うんですよね。とか、学問とか病気に関わらずとも、職業とかもう色んなのあるじゃないですか、細かく分かれてたり。

で、昔に比べたら、今の方が多分細いと思うんですよね。学歴・職歴なんかも、そうだなと感じます。特に私が学生の頃、中学生とか高校の頃って、アルバイトって職歴には書けませんって言われてたんですよね。だけど、まぁ普通に書いても、「あ、こういう仕事でこういうことを経験なされたんですね」って面接の人もちゃんと見てくれたりとか。

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学歴、学歴だって、中退とかしたら書けないみたいな。私がまさにそれなんですよね。「大学中退だから、あなたは高卒で、履歴書には高卒って書かなきゃいけないですよ。そっから先は書いても意味ないですよ」って言われてたのが、あの、選択肢のあるアンケートとか、もうネットで、例えば面接申し込むみたいな、そういった時に選択肢としても、ちゃんと「大学中退」みたいな選択肢が、高卒とは別にあったりとか。そこで増えたというか、ああ、変わったな、細かいふうにそういった枠組みが新たにできてんだなーって思ったりとか。

まあそれこそ、LGBTもそうだと思うんですよね。今、だって、LGBTQ…なんちゃらかんちゃらって、私やったけど、もう覚えてないんですけど。こうやって増えてる、こういう人たちも結構いるよねって、一人とか二人とかその人だけじゃなかったんだよね、みたいなふうで、どんどんどんどん細い枠組み増えてきてるじゃないですか。

【7分35秒】

で、ここでクエスチョンとして、『それは良いことなのか?』、『もうこれ以上枠組み増やすなってことなのか?』っていうのが議論されるっていうか、まぁ、私はどうなんだろうなと考えた時に、私は、『増えていいと思ってる』、『これからも増え続けてもいい』と思ってます。

それは、生きやすい人が増えるからいいんじゃない、今苦しんでる人が少し生きやすくなるような世の中になるんだったらいいんじゃないかなと、思ってますね。なかばどうでもいいというか、それもあるけど、私自身は、そういった枠組みがあるって知って救われたし、自分の特性を知って、じゃあ次からこうしようとかどうしようとか、こういうふうに考えてみようって、こういうふうに感じるけどまあそれはそれはそれとして、自分が何か悪いわけではないから、まあ別にいいかって、毎日がちょっと生きやすくなってますよね。

自分だけかな?と思ってたのがそうでもなかったし、名前があるって知って、「あ、じゃあ、それもありなんだ」と。そうやって生きてる人もいるし、私もそうやって生きてみようかなとか、あとは、もうやんなくていいかなとか、それこそ、職場で和ませるために、わざとちょけたりとかね。そういったことも、なんかやんなくていいな、私疲れるだけだからいいやって、考えを緩めることができました。

【9分9秒】

また別なクエスチョンも上がってきまして、特に病気とかLGBTとか、まぁ職業もそうかな、学歴とかもコンプレックスある人もいるでしょうけど、そういったことを受け入れられない人って、どうするべきなのか?、どうしたらいいのか?

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いうか、そういう人たちがいたら、どう声をかけようかっていう、お話なんですけど。たとえば、それを病気とか発達障害みたいな、ADHDとか、薬を飲むべきか飲まないべきかみたいなんで悩んでる人がいたら、私は、診断されたとか、そういった存在があって、知って、自分にも当てはまるってなったとしても、自分をその枠とか、その条件に、わざわざ当てはまりに行く必要はないな、と伝えたいですかね。

それこそ、薬を飲む飲まないの決定権はあなたにあるから、私はこうです・ああですっていう時とか、自分はこうだ・こういう属性なんだとか、決めるのはあなたにありますよって、最終的には全て決定権はあなたにあるんだよ。だからまあ、もしそういったモヤモヤが、ちょっと苦しいとか、病気・症状で、現状がどうしてもしんどくなったら、カッコ仮みたいな、自分に当てはまるかもなーみたいな、そんな感じで、やりくりしてもいいかもなーと思いますね。

現状打破したいとか何とかしたい時に、そういった枠組みとか属性とか、まあそれこそ薬とかに頼った方が楽になるんだったら、一瞬、「仮(かり)よー」みたいな、当てはめてみるのもいいし、条件とか、こういう症状が当てはまる人はこうですってなって、いくつかそれが自分に当てはまったとしても、それ以外は「そうか」つって、「当てはまらないなー」って隠しちゃえばいいかなーと思います。

言うのは簡単ですけどね、そういう、自分がこういった属性になっちゃってるような気がする、自分がこういう症状とか病気とか、もしかしたらマイノリティな属性・存在を知って、自分にも当てはまる、ショックだ、ちょっと受け止めらんないなってなる人もいるし。私が言ったように、そう簡単に、臨機応変にっていうのは難しいと思うんですけどね。でも、悪いことじゃないんじゃないかなと思いますよ。

【12分14秒】

この話を私は、何日もずっと考えていた時に、『障害』っていう言葉がまた新たに浮かんできて、『障害者』とか『障害』とか。以前、何かのドキュメンタリーを見てた時だと思うんですけど、いわゆる『障害者』、障害を持っている人が、「私は障害者じゃないんですよ。私は日常生活を送るのに、皆さんが思ってるような苦労とか、そういったことを私自身感じてないので、私は私のことを障害者と思ってないんですよ」って、お話があったんですよね。

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「障害っていうのは、社会が生み出してるようなものなんですよ」って。「あなたたちの目がそういうような障害者っていうのを生んでるんですよ」っていうお話をしてて、改めて障害ってどういう意味なんだろう?って思って、調べたんですよね。

『障害とは、物事の達成や進行の妨げとなるモノ・コト』だそうです。じゃあ、障害者っていうのは、何かの症状のせいで日常生活を送れない人かな、ひいては、ある症状のせいで苦しんでるとか、悩んでる人のことかな、と。逆に、どういった病気とか症状とか、何か特徴が持ってる人でも、苦しんでる、悩んでるっていう人じゃなければ、障害者ではないんだろうなと思います。

じゃあ、マイノリティって迫害されてたわけじゃないですか。それこそ、LGBTとか精神疾患とかもね。そんな認知度がないときなんかは、隔離されたりとか。で、今、新しい枠組みとか、いろんな名前が付いて、あ、こういう特徴を持った人たちなんだ、そういう人たちもいるんだねってことで、社会が軟化してきてると思うんですよね。

柔らかくなってきたっていうか、ある程度、対応をしてくれるようになったっていうか、なんか…難しいな。とにかく、今、頑張って言葉探したんですけど、「軟化」が一番合ってるんだよなってことで、これ以上言葉が見つからないんですけど。少なくとも、マイノリティの人たち、少数派だった人たちにとっては、今、名前がついたりとか、いろんな枠組みが増えて、生きやすくなってると思うんですよね。

そうやって、障害が、あ、こういう病気なんだねとか。LGBTだって、もう、超昔は、それはおかしいとか、迫害とかあったじゃないですか。それが、こういった人たちもいるよねとか、性同一性障害って言われてたのが、それは障害じゃないんだよってなったりして、障害じゃなかったとか、なってったと。

【15分34秒】

で、それをまた逆に言いますと、そういったマイナリティな人たちとか、少数派の人たちを、おかしいとか、変だとか、新しい枠組みをいかがなものかと。そういったのがどんどん新しい言葉とか増えて、それっておかしくない?とか。そうなると、大げさなことかもしれないんですけど、私の言葉で言うと、「『障害者』は増えていっちゃうよね」と思います。

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もう一度言いますけど、障害者っていうのは、「ある症状とか特徴のせいで、日常生活を送れない人のこと」とか、「ある症状のせいで苦しみながら生きている人、悩みながら生きている人」のことを障害者とするんだったら、マイノリティを認めないとか、新しい枠組みとか、それおかしくない?とか、どうなの?って叩く人達がいるせいで、障害者、増えていくっていうか、減らない、生きづらい社会になっちゃうよね、というような結論に至りました。

【16分41秒】

そもそも、私がこの話をしたのって、HSP=「繊細さん」っていうような言葉に、めちゃくちゃイライラしたからなんですよね。そう、「繊細さん」ね、カッコ・わら(笑)、みたいな感じで、なめてんのかと。「HSP」が「繊細さん」って認知されるようになったっていうのが、本が出版されたんですよね。で、その本の著者の前書きを読んだところ、

・・・HSP、ハイリーセンシティブパーソンっていうのは、元々英語ですよね、HSP。それを日本語に訳すときに、「敏感な人」と訳されるんですが、私は親しみを込めて「繊細さん」と呼びますとか、呼ぶことにします・・・

と書かれてあったんですよ。これがそもそもの元凶です。私が、同じ著者、もう2・3冊読んで、別の著者のも読みました。なんか、

・・・Aさんがいまして、この方はこういった症状で悩んでます。

【17;51】BGM ♪~ BGM:Inertia by Josh Woodward ~

私がこの方にお話ししたのは、こういうふうな内容です。「それは強みですよ」とか、「疲れてしまいますよね。では、お風呂にゆっくりつかりましょう」・・・

とか、この本を読んで得ることはあるのかな?と思ってしまいました。

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まあ、私もそういった悩みを抱えてたっていうか、感じてたっていうことはあるんですけど、「じゃ、聞けばいいじゃん」とかさ、なんか、なんだろう、人の悩みを聞いて自分事のように考えてしまって疲れますとかさ、知らんがな精神で、スルースキルを活用しましょうとかさ、うん、私は申し訳ないんですけど、本をめくって、こういった内容を読む度に、この本を読む人達っていうのは、何か疲れとか、悩んでることに対して改善努力をしてんのかな?と思ってしまったんですよね。こっからがスタートでした。

「繊細さん(笑)、うわー、イラつくわー、なめてんのかな本当に」って思って、1日2日イライラして、もうちょっと落ち着いて考えてみようってなって、こういった内容を作りましたね。

以上でございます。ここまでお聴きいただき、ありがとうございました。それでは皆様、ごきげんよう。さようならー。

らじお詞黒板

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こうやさいさいし

20190414-こうや_text

Podcast 58.31314


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