【今週も何とか生き抜いた】vol.36
(9/2〜9/8)
ラブコメは観ない。でも映画の話をする。
そう、ラブコメ映画は観ない。暫く観てない。これからもあまり観ないと思う。
何故か?
なんでだろう?
「羨ましい」のひねくれ方程式の解なのか、、、?
そんな気がする。
私が観たいちばん最新のラブコメは、、、「SATC2」とかかしら?
なのでイメージが、「恋人たちの予感」とか「ブリジット・ジョーンズの日記」とか「プリティ・ウーマン」あたりで止まってる。「She's Gotta Have It」はラブコメ?
でも最近、ラブコメは衰退しつつある、という言説もチラホラと聞く。私が情報に触れてないだけ、そうでもないのかなー?
とにかく。ラブコメは観る機会は確実に減ってはいる。
すーーーっごく昔だけど、インスタグラムで「#私を構成する9本」というタグが流行っていた。要は「今の自分を自分たらしめた映画を9本選んで投稿するっていうやつなんだけど、(マイ・フェイバリット・ムービーじゃない、てのがミソ) それを時々自分で取り出して「確かにこの9本かもネ・・・」と相変わらず思っているのでここにも改めて記しておこうと思う。
こういうの、案外面白いよね。
私を構成する9本
「12人の怒れる男」1957年 アメリカ
高校生の時に文化祭でなんかお芝居?寸劇?をクラスでやることになり、その出し物を提案するのに、どうしようネタがないよとウンウン唸っていたら、担任の先生がこの映画のビデオを貸してくれた。
白黒の昔過ぎる映画だったけど、まぁ面白かった。が、しかし。
「ここここ、これをやれってことなのか?!」
と、1人で一晩でこのお芝居を「高校の教室で盗難事件が発生し、アイツ絶対怪しいだろ、を話し合いで覆し真犯人は別にいるぜ!」というパロディにして書き上げて、それを台本にして全校生徒の前でパフォーマンスしました。
ありゃあ、大変だったな、、、
という思い出はさて置き、「物事を多面的に見る・考える」の大切さや言葉の信頼性みたいなことをすごく色々感じることが出来て、これを高校生の時に観たのって結構デカい。
映画の教養という面でもこの経験は今でも活きてる気がするな〜
「シェルタリング・スカイ」1991年 アメリカ
とんでもなくレベルの高い恋愛映画(と、私は思っている。なのでそこの咀嚼はムズいのよ)でありながら、カメラワークと音楽がとてつもなく美しくて、ああ映画ってこういう楽しみ方もしていいんだわね〜と思えた作品。
ひたすらに物語の舞台であるアフリカが美しくて、土地の人たちが神秘的なので、主人公のアメリカ人夫婦がそれまでの私の中の「アメリカ人」「アメリカ」のイメージと全然違う!と新鮮な気持ちになりました。
それまでの私は「海外では」(出羽!)という時、大抵はまずアメリカを思いアメリカをイメージするけど、アメリカだけが海外じゃない(当たり前)を改めて思ったし、「海外から見たアメリカ」みたいな視点も大事じゃんつうのを学びました。
「チョコレート」2001年 アメリカ
人種差別はよくないよね、というのは現代の基本的なコンセンサスなんだけど、この作品で、差別に至る人のキャパだとか差別を目の当たりにした際の懊悩だとか、そのリアルな感じを垣間見た感じがしている。
登場人物たちを観てそれぞれに「自分だったらどうしたかしら?」の問いがやめられなかった。
これもまたアメリカだよなーとしみじみした気持ちは今も。
「ディス・イズ・イット」2009年 アメリカ
私はマイケル・ジャクソンおばさんなので、私のマイケル・ジャクソンおばさんみをガツンと掴まれる映画。
公開された当初は、マイケルがこの世にいないということが信じられなくて、涙なしには見れなかった。でも改めて思うと、私が洋楽を聴き出した時期にマイケルの音楽をたくさん浴びることが出来たのは何て幸せだったことだろう。
自分の好みの音楽というものを縁取って形にしてくれたのが、マイケルの音楽だったなぁという気持ちが年々強くなる。
「ドリームガールズ」2006年 アメリカ
60年代のアメリカのショービズのお話だけど、ファッションやインテリアがやっぱり好きだな〜と見るたびに思う。
カツラやつけまつ毛も笑っちゃうくらい大袈裟で、でも笑うの忘れるくらいゴージャス。
歌ったり踊ったりするステージの演出もコテコテで、これぞショービジネスよ!っていうのがスカっとする気持ち良さ。
あと、歌がバッチバチに上手い女性がたくさん出てくる。
歌の上手さってアッパーな曲でこそ活かせると思ってるんだけど、ポップスでこういうのに興奮しちゃうんだよなぁ、私は!と、(この映画もDVD持ってるので50回
くらい観てるけど)観るたびにコレ思うのよ〜
「プレシャス」2009年 アメリカ
黒人で女性で貧困層で、てなことで差別が何重にもなって襲いかかってくる話。これでもか、つう不幸が主人公にふりかかり、「プレシャス」ってタイトル(主人公の名前でもある)は皮肉なのか反語なのかと辛い気持ちで観続けてるとなんとか、ギリギリではあるけど、光が見えて来る。
いゃ、キツイ。キツイんだけど、私の好きなアメリカの絶対的な一部なんだよなと思える。
あと、主人公のママもかなりドイヒーで、なんなら私と感受性が近いんじゃないかと怖くなるし、襟を正したいと思える。
この映画、まともな男性が(レニクラ以外)ほとんど出てこないあたり、結構フェミニズムの意識が高いんじゃないかと思っていて、そういうことについても私を自覚させてくれた作品なのだ。
「釣りバカ日記」1988年~2009年 (全22作品) 日本
シリーズ通してハマちゃんの存在以外、全てのリアリティがえげつなくてとてもいい映画だと思う。
ハマちゃんだけがリアルにいたらトンデモ社員なんだけど、そのトンデモを受け入れる会社や取引先の人が妙にリアルなのだ。「あるよねー、あるある」を裏切らない。
釣りバカはいつも私に現実社会人ライフを教えてくれる教育映画。
あと、日本の色んなことも魚を中心にハマちゃんが教えてくれるのサイコーじゃないか!!!
「花様年華」2000年 香港
ハリウッド映画だけがオシャレな訳じゃない、ということを私はこの映画で知った。
香港の歴史を思う。女たちがチャイナドレスを日常に着ている時代を思う。
アジア人として、この映画をどう観たら十分に楽しめるかなーということもたまに考えたりする。
そういう意味で、映画の中の人物たちが箸を使って食事をしたりするシーンも1秒だって見逃したくないとか思ってる。映画を観てそんなふうに感じたのもこの映画が初めてだったなぁ。
やっぱり抑えに抑えた恋愛感情の表現も素晴らしくて、これこれ、これですよー大人というのは。ああ、こういうことがあるんだねーと。大人になるってこういうことかーと。
ミッドセンチェリーのセンスにグッと来たりするのも、西洋も東洋も一緒なのねと思ったりしたのもある意味学びでしたな。
「テルマ&ルイーズ」2001年アメリカ
こりゃもーシスターフッドでしょ!
シスターフッドが良すぎるでしょ!こういう価値観を礼賛して私は人生を生きて行きたいでしょ!
途中、テルマの危なっかしさにイラっとすることもあるけど、ルイーズがそれを事前に注意して、そしてテルマの代わりに怒りを爆発させて、テルマとまたオンザロードに乗る、ということがどんなに凄いことなのか、年々わかりみが深くなる。深くなるようなことは毎日毎年あちこちで起こっている。
どうも監督はこの作品に対して「フェミニズムとかそういうのじゃないんだ」的なことを言っているらしいんだけど、ま、確かにそりゃどっちでもいいやと思えるのは、「自分をしっかりやるんだよ!」とこの映画を観て喝を入れてもらえるからなんだよな。
そんなに数多く映画を観ている訳じゃないけど、内容を忘れてしまってるものも数少なくない。
なのでこの9本の映画は、確実に私の価値観にめちゃくちゃ影響されてるってことで間違いない。
そして、もう50も齢を過ぎて、ちょっとアップデートして見たい気もする。あと数年したら考えてみよう、そうしよう。