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【今週も何とか生き抜いた】vol.32

2024年8月5日

思いコンダラ石川祐希、石川祐希、石川祐希!

今回は石川祐希への思い入れ、という勢いだけで(そう、勢いでしかない)綴っております

パリオリンピック競技の男子バレーボール。日本チームは準々決勝敗退。
長年(40年以上かな~怖)、バレーの国際試合や代表チームを見て来ていて、世間同様、もしかしたらそれ以上に、今回の大会へ私の思い入れは格別に大きかった(ま、ひとは皆そうこと言うよね)。
そんなチームに対し、負けてこれがオリンピックの最後のゲームとなってしまったイタリア戦を観終わったタイミングで自分の気持ちをぶちまけておこうと思う。

石川祐希は試合後にこのチーム最後となった円陣で「みんなにありがとう」を伝えたともことだ。
いくつかのウェブニュースによると、試合後のインタビューでは
「メダルを取るとずっと言い続けてきて、この結果。それはしっかり強く受け止めないといけない。このみんなで作ってきた集大成がこういう結果になってしまった。主将として力不足、エースとしても力不足。やっぱり最高のチーム。結果伴わなかったが、ベストプレー出してくれた。それに僕が最後1点とって結果を出すことができなかった。申し訳ない気持ちとここまで連れてきてくれて感謝の気持ちでいっぱい」
僕が、僕が、と溢れる自責の言葉。
この言葉に「責任を感じないで欲しい」みたいな意見もSNSでいくつも見たけど、そりゃこれくらい言うでしょうよ、彼はこのチームの主将なのだし、エースなのだから。
もちろん決して戦犯なんかではない。けれどそれくらい責任を感じてしまうほどの、石川祐希はそういうレベルの存在なんだもの。
だから私としては「まぁ、そうだよね」という気持ち。

東京オリンピック時はオレンジだったチームのシューズ、今大会は綺麗なイエロー。みんなアンヨがつば九郎みたいで可愛かった(個人の意見です)

この準々決勝であるイタリア戦。
第3セットでは24-21、最終第5セットでは15-14と日本が4度のマッチポイントを掴んでいた。けれどイタリアは一歩も怯まなかった。日本はイタリアチームの逆襲に押し返されてしまった。4連続、或いは3連続で得点を奪われ、まさかの逆転負け。
「今回は特別」みたいな感じで叫ばれる「1点の重み」ってやつ、この試合の前も後も何度も聴いた。
確かにそうだけど、もういい加減「1点の重み」って言葉には手垢がつき始めている。そんな意地悪だって言えてしまう。
「もったいない」でもない「惜しかった」でもない、ましてや「感動をありがとう」などという言葉も私にはピンと来ない。
負けた。
メダルのもっと手前でその手を放してしまった。
断言するけど今回が1番メダルに近かった。確実に射程圏内だった。
それが叶わなかったのだ。ああ。

ずーっと弱い(敢えて言うぜ、「勝てない」じゃなくて「弱い」、だ。)日本代表チーム(老害注釈だけど、昔はバレーボールチムの代表のこと「全日本」とか言ってました。でももう令和なので代表チームって言うように頑張ってます)を見てきたけど、今回ほどメンバーも揃ってスタッフも皆優秀で、何より監督が素晴らしい!と思えるチームはかつてなかった。こんなに素晴らしい日本代表チームを私は今まで見たことがなかった。
そう、石川祐希が言うように「最高のチーム」なのだ。

もちろん、チームの全員ホント「最高」だよ!

ならば、これからだって「最高のチーム」をつくればいい。「最高」を更新していけば、と。
でも、と私は思ってしまう。
選手で言えばまず大型ミドルの3人が年齢的に離脱するだろう(小野寺はまんだ頑張ってくれるかも)。日本はこれまでずっとミドルの決定力の低さを指摘されていたけれど、選手本人たちも痛すぎる程それを自覚して、大げさじゃなく切磋琢磨して技を磨いてきた。最初に見た時に正直「ただデカいだけ」と思ってた選手がどんどん逞しくなっていった姿には何度も感動させられて来た。彼らのように時間をかけて強くなったミドルブロッカーの後継者がすぐに出て来るとは思えない。私はこの現ミドル陣の離脱が今後の代表チームにいちばん影響するんじゃないかと思っている。

感動的ですらある山内の成長ぶりよ…そしてこの3人を見ていつも「献身」という言葉を思い浮かべている私

セッターについてはどうか。まだ関田はやってくれるだろうか。或いは関田を超える存在の選手が4年後に出てくるのか。さらに今回のセカンドセッター深津の年齢を考えると、セカンドセッターもまた選び直しが必要だろう。
オポジットも育ってはいるが、今のところ西田と宮浦を脅かす存在の選手はまだいない。
であるならば、ブラン監督のように8年かけてチームを育てればいい。山内のように代表で10年かけて選手を育てたらいい。一瞬そんな風にも思うけど、それじゃダメだ。
何故なら、石川祐希のピークが過ぎてしまう。
私にとってすべての理由が石川祐希だ。

イタリアで強くなった石川。このイタリア戦、そういう意味でも勝ちたかったろうなぁ。

そのくらい日本のバレーボール界にとって石川は特別で稀有でアメージングでマッシブな存在だ。
石川祐希がいる間にメダルが取れないのであれば、日本は当分表彰台へは近づけないのでは、と私は思っている。
石川祐希がオリンピックで無冠?そんなことある?

石川がこんなにも特別な存在だと思える理由は、もちろん「バレー界の逸材」と言われるほどのバレーIQやスキルの高さということがあるけれど、そういったものをイタリアのリーグで加速させたというところが大きいと思っている。大学生の頃から海外挑戦をし、10年近くプレーをしているイタリアで「助っ人外国人」としてその地位を揺ぎ無いものにしていった選手は石川しかいない。
石川祐希ただひとり。

その石川のイタリアでの成功は、選手の海外挑戦を今までも何倍もの意味でポジティブにしてくれたことが本当に大きいし、私は彼についてそのことで日本のバレーを変えてくれた恩人だと思っている。
今迄も海外でキャリアの挑戦をしてきた選手は加藤陽一や越川優等、何人もいたけど当時のバレー界はそれを良しとして来なかった歴史がある。
(今じゃ考えられないけど、かつて代表選手は国内リーグの選手からじゃないと選出できないというルールがあった。このことはバカバカし過ぎて当時から意味がわからなかったけど、そう思ってたファンは多かったはず)

今やそのイタリアでもエースを張り、時にはゲームキャプテンまで担うまでに成長した石川祐希を(東京五輪から引き続き)キャプテンに据えて、最大限に理解・リスペクトをして石川を石川として活かしてくれたのが、フィリップ・ブラン監督だった。
石川祐希がチームに「個のチカラ」と求めたその言葉に呼応するように、いやその前からアンダーカテゴリーにまで「日本が目指すべきバレー」を徹底させ目を配り、有望選手を拾い上げて成長する機会を丁寧に与えてくれた。
フランス代表経験や、ヨーロッパで代表監督を歴任していただけあって他国とのパイプも持っており強豪国との強化試合や親善試合を実現しチームに貴重な経験を積ませてくれた。選手のヨーロッパリーグ挑戦もアシストしてくれた。
ブランじゃなきゃ出来ない事をたくさん携えてここまでやって来たチームだった。
石川のブランへの信頼や感謝はいかほどだっただろう。

私が40年以上(怖!)見てきた日本の代表チームにおいて、もちろん今までだって信頼やリスペクトはもちろんあっただろうけど、これほどまでに監督と選手が緊張感を持ちつつ相思相愛だったチームは観たことがない、気がする。日本チームを引き上げて行ったのは石川だと思うけど、押し上げてくれたのはブランだったと思っている。
石川祐希がブランとの以上の関係を今後監督と築けるかと言ったら、もうムリじゃないかと思えるほど。

途中でスタメンから下げられたアメリカ戦。ブランの英断よ、、、

だから、私の思い入れも(相当に)加味してだけど、本当に今年しかなかった。オリンピックでメダルを取るのは今年が、今のチームがマストだった。
残念過ぎる。

結局、、、私は(大げさではなく)この日本で、初めて遭遇したこの類稀なる才能の持ち主である石川祐希とその彼が感謝・信頼してやまないブラン監督と、この「最高のチーム」でメダルを獲って欲しかったし、メダルが獲れると思ってたし、メダルを獲るべきだったと思っていた。
それが叶わなくなってしまってふさぎ込んでいるのだ。

大会を通してずーっと高いパフォーマンスを維持していた西田には驚嘆と感謝の気持ちでいっぱいだ

フランスでのオリンピック。日本の試合ではアメリカと対戦してもイタリアと対戦しても必ずニッポンコールが観客関から自然発生していて、私は何度も感動してしまった。こんなこと、今までのオリンピックでもあったかしら。
決勝トーナメントに残った唯一のアジアチーム。背も低く身体も小さいけれど、ニンジャのようにどんなボールもレシーブをして繋ぎ、誰よりも高くジャンプしてスパイクを打ってくるチームは、観客はさぞかし驚いたり楽しんだりしてくれたのだろうと思う。
決勝トーナメントでイタリアに負けた後も、会場では日本チームを称える声援が止むことはなく、大げさじゃなく全員が赤い目をしてチームで記念撮影をしていたのは日本チームくらいじゃなかったか。
その涙は悔しさと解放感と感謝と惜別と、、、

ウェブ記事を読んだら、試合終了直後に、ブランは選手の何人かに「勝たせることができなくてごめん」と謝っていたらしい。
それを知ってまた、石川祐希とブランの嬉し涙と笑顔が観たかったという気持ちに拍車がかかってしまう。
石川は特別で稀有でアメージングでマッシブな存在だと書いたけれど、オリンピックのメダルというものはそれ以上に稀有でアメージングでマッシブなんだってことだ。自分でも何を言ってるか分からないけど、もう、拗ねているのでそういうことでいい。

年々、さらには大会ごとにどんどん強くなっていく代表チームを驚きと感動の気持ちで見れたことは、私にとっては初めての経験で本当に楽しかったし、決して大袈裟ではなくチームは生きる張り合いでもあった。
私が自分も競技者だったこともあり、バレーボールほど面白いスポーツはないと思っているので、これからも見続けるだろうけどもうこんなに思い入れのあるチームには出会えないかもなぁ。
だからこそ、、、(永遠リピート)

今、自分でもびっくりするくらいガックリ来てる。

追記:私が立ち直れないほど石川祐希と日本チームを倒して行ったイタリアチームは、その後あっさりと(て訳でもないが、そう言いたいやつ〜)フランスチームに負けていた。その後、ポーランドとの試合に負けたアメリカと3位決定戦を戦い、この試合にも結局3-0で負けてしまった。
日本は予選リーグでアメリカから1セット取っているし、何なら決勝を戦ったポーランドとも五輪前の親善試合で勝っている。
てことは!もうこれ、日本が2位か3位ってことなのでは?もうソレで良くない?
(優勝したフランス、準優勝のポーランド、3位になったアメリカ、、、チームや関係者のみなさん、おめでとうございます!イタリアチーム、気迫のガチンコ勝負をありがとうございました!)

口惜しさとガッカリは増すばかり。

ゲーム内容に言及しつつ将来の展望を語ってる記事の中で、最もフムフムしたのが山本隆弘の言葉でした。

ブラン監督ありがとうございました。
去年の天皇杯決勝を観に行った時、観戦に来ていたブラン監督と一緒に写真を撮って頂き、拙い英語で「チームを強くしてくれてありがとうございます。パリオリンピック、とても楽しみにしています!」と伝えられたことは一生の思い出です。
そして「日本には世界のバレーの潮流に精通した外国人監督が必要」と、自らが監督になることでブランを読んでくれた中垣内前監督にも本当に感謝。ガイチの功績、もっと称えられて欲しい。

関田を長男、石川を次男、髙橋藍と三男と呼ぶ、彼らの恩師・松永理生さんの話も面白かった。


※お写真色々ネットから拾いました申し訳ありませんありがとうございました

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