空區地車の力学44.今年は二度オイシイ
今年は5月と10月の二度地車が曳ける。5月は言うまでもなく例大祭(本祭)、そして10月9日は東灘区政70周年記念巡が開催される。コロナ禍で、2度延期となったが、ついに開催される。
東灘区に現存する地車が32機が集い、東灘区内を巡行する。
神事ではないが地車を愛してやまない曳き手が1500名強も集うイベントだ。
かって高度成長期は曳き手不足だった。人々は仕事に邁進することに喜びを覚え、対価としてお金を儲け、消費することで心の開放を得ていた。だから仕事を休んでまで祭りに参加することがなくなった。そこに集うのは幼少期から祭りが生活の一部となっていた地元民だけ。次第に祭りは閉鎖的になり、よそ者の介入を阻止していく。
あげくに地元民でありながら祭りを避ける人まで出てくるようになった。
しかし今は生活するだけで息苦しい。消費は敵の時代、仕事や生活に疲れ果てる程に人は心の解放を求める。
祭りは心を開放し、頭を空っぽにしてくれる。
人々は見るのではなく、曳き手として参加する。その地区に住んでいる人ばかりでなく、友人・知人も参加する様になる。祭りを通じてあらたなコミュニティが生まれる。
誰に拒否されることなく、集う人々全ての心を開放する。
祭りは心の開放を求める曳き手が集うことで新たな転機を迎えた。
さて10月9日どんな漢達が集まってくるのか?
あと3日、全身に鳴り物が響く。
とばせっ、とばせ〜っ!