空區地車の力学57.飾付けプラスワン
4月29日の祝日は雨が降らなければ例年、地車の飾付けと決まっています。各地區の地車や本住吉神社でも飾付けが始まります。
空區でも地車を愛する年寄り(世話役)の指導の下、若手が中心になり飾付けを行ないます。
3年間コロナ禍で休止していたが昨年ようやく地車を出せました。しかしながら、飾付けは最小限にとどめ、今年は4年振りに本格的な飾付けが行なわれました。
衣装についても今回テスト的に、4日の宵宮は岸和田だんじり祭風の”股引”と”鯉口シャツ”に”法被”というイデタチになりました。
その昔は、”腰巻”に”チャンチャンコ”、さらに”腰巻”に”法被”、そして今回は”股引”に”鯉口シャツ”姿にチャレンジする初の試みです。
本住吉神社の8地区の中でも、最近は”腰巻”から”股引”に変える地区が出だしています。
執行部によると衣装変更の理由は、”腰巻”の生地である「ネル」が調達できないことからだといいます。
ネルはもともとアウトドアやワークウェアとして厳しい環境下で使われる生地ですが、ウクライナ侵攻が影響しているのか高価で品薄、入荷しにくいらしい???知らんけど。
”腰巻”は本住吉神社例大祭の伝統ですが、今年の宵宮の空區は伝統の”腰巻”から”股引”に変わるのです。
股下になり動きやすさは格段に上がりますが、危険は倍増する。よって対策が必要になるでしょう。また神戸の地車は、岸和田のように走る地車ではなく優雅さがウリなので、果たして”腰巻”から”股下”に簡単に切替てよいものか?
伝統を一掃するのは大変な力を必要とします。
しかし、ダメだろうではなく何とかするという強い意志が、物事の価値を変える唯一の方法でもあります。
私の年齢以上の地車で育ったジモPの年寄りにとって、衣装変更はどんな風に映るのか?それは祭りが終わった後にも大きな議論となるところでしょう。
”股引”と”鯉口シャツ”は各位1セットが配布され、サイズがS、M、L、LL、2L、3Lのため腹回りでサイズがきまります。したがって、中年太りは股下が長くなりツラい。自腹で買えば同じサイズでも股下の長い・短いがあるようですが今回は配布なので体系は問題外です(笑)。
ともあれ、着慣れない衣装なので明日からイキな着こなしをググりつつ研究しなければなりません。
恐らく私だけではないはず。新たな試みにはとかく準備に時間がかかるものです。
ただし今回はテストなので4日の宵宮のみ、5日は本宮なので”腰巻”に”法被”の正装に戻ります。
いかにも空區らしい慎重な配慮ですが、自分の評価と他人の評価、両方を聞けば可能性は広がるし、良きにつけ悪しきにつけ先が見えるものです。
こればかりはオーディエンスの評価ではなく、年寄り(世話役)も含め当事者(空區若中)の評価が重要になるでしょう。