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空區地車の力学21.難所&見せ場コースガイド②
引き続き、難所&見せ場です。
⑥有馬道を上る
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有馬道は南北の上り坂です。有馬道は神戸電鉄(旧:神戸有馬電気鉄道)でいけるようになるまでは、有馬温泉客の主要ルートでJR住吉駅付近は相当栄えたとか。
道幅も広いので、肩を入れての旋回後は(下図⑪)、前輪を上げたまま後輪だけで進みます。曳き手と子供会の綱が一体となれば「ちどり」で上ります。
さらに上手くイキがあえば、500m先の空地区会館まで前上げのまま進めます(下図⑫)。鳴り物は「飛ばせ!」でかなりのパワーがいりますが、達成感は半端ないといえます。
しかし曳き手と子供会の息が合わなければ、ただダラダラと上り坂を進むだけです。疲労感だけが残るのです。
したがって、有馬道に入る時は旋回後、「肩を入れたままで上りきるんだ」と曳き手全員があらかじめ自覚し、イメージとしてデザインしておかねばなりません。
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⑦野村ハイツ前の急坂
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庚申塚から御影野村ハイツ前は空區屈指の上り坂です(下図⑬)。特に阪急電車にぶつかる手前の上りはキツイ!しかも、上りの頂点で肩を入れて東(3時の方向、下図⑭)に進路を変えなければなりません。
ただし、ここでは交差点横にある「親和保育園」の先生が応援してくれるので、卒園生の子供会の子たちは勇気をもらえます。
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⑧山幹から北に上る
山手幹線から側道に入り(上図⑮)突き当たりを北に上るのですが、道幅が狭く、肩を入れても一気に旋回できません(9時の方向、上図⑯)。「肩を入れる」のと「張る」のを組み合わせながら、狭い角を少しずつ旋回し地車を9時の方向に旋回し切ったら、上り坂を北に進みます。
ただし、このコースは定番ではありません。しかしながら私が巡行コースを決められる権限があれば必ず入れたい曲がり角です。
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側道のドンツキで北進するがこの角はチョー狭い
(ストリートビューより)
⑨とばせ、もどせ
道幅が広い東西の道なので例年ここで、「とばせ、もどせ」を行ないます(上図⑰)。この通りには、外国人が住むハウス群もあり見処となっています。
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⑩シーア前
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通称「シーア前」。JR住吉駅の北側ロータリのことで、普段は客待ちのタクシー専用のロータリとして使われています(下図⑱)。祭りの日はタクシー会社にお願いしロータリをあけてもらい、ここに多くの地車が集結します。また、シーアは「コープこうべ」が入る駅の商業施設とJR住吉駅の複合となっているので住吉で一番多くの人が集まります。
観客も、観客を欲する地車の曳き手たちも大いに盛り上がる格好の場所です。4日の町曳きでは、数騎の地車が集まりロータリを旋回し「三礼」や「とばせ、もどせ」を披露します(下図⑲)。また夜にも提灯を灯した地車が集結します。
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⑪宮入
4日夜の「蔵入」は、5日の「宮入」のリハーサルです。そして5日は本番の「宮入」となります。宮入での練りは、祭り最大の見せ場となります。年々観客も増えており、阪神電車の情報誌「ホッと!HANSHIN」や、阪急電車の情報誌「TOKK」にも住吉のだんじり祭りが掲載されるようになりました。
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空區地車は坂道との闘い
住吉の地車は基本的には坂道との闘い「強力伝」です。特にJR神戸線より以北は坂道がどんどん急勾配になり、阪急神戸線以北は坂道仕様の「つぐコマ」(=スパイク)装備の山田區地車しか上れません。
空區はJR神戸線から阪急神戸線の間にあるので、坂道の始まりから急坂の麓の間を巡行します。空區地車は「鉄コマ」仕様なので、子供会の綱を助けに巡行します。そんな訳で、空區地車の難所は総て坂がらみとなります。
地車の扱いが難しい”難所”ほど曳き手にとっては盛り上がり、見せ場となるのです。