アイドルの解散と再出発と
【四半世紀のアイドルファンが想うこと★V6★ vol.148】
V6は昨年解散した。
私の推しは三宅健くんだが、V6のメンバーが全員大好きで、グループ全体で活動してるのも大好きだった。
だから、解散なんて人生に無いと思っていた。
解散からもうすぐ一年が経とうとしている。なのに、正直、全然慣れない。
もちろん彼らは全然悪くない。でも傷心し、解散前のビデオとか見れなくなっていた。
見るのはもっぱら解散後の彼らが出ている番組とかばかりだった。
そんな中、今週から三宅健くんのソロコンサートが始まった。心待ちでワクワクしてた。
それで今週観に行った。おお、健くんのパフォーマンスもコンサートの内容もすごくいい!正直、席もよく、健くんの顔が間近で見れた。
それなのに、最初は何か虚しかった。
なぜなんだ。
見慣れない。ステージには健くん一人だ。
そうか、改めて解散したという事実を突きつけられるからか。
解散前にもっと色々なことをやっておけばよかったという後悔もある。それも余計しんどい。
これが、グループだった時のソロコンなら、諸手を挙げて大喜びだっただろうに、コンサート中は、しばらくは虚しさと戦ってた。
でも健くんがおそらく相当に考え込んで作ったであろうコンサートの内容、相当に練習したであろう最高のパフォーマンスを見てて、そして、何より、最高の笑顔を届けてくれる健くんの表情を見て、少しずつだが、虚しさなんかに囚われてたらもったいないと思うようになってきた。
そういえば、解散時に信頼できる友人から言われた、それまで好きだったことを否定したらもったいないと。
何より、解散にあたって一番つらかったのは健くんだっただろう。私よりずっと若いのに、人生で大きな別れを決断しなければならなかった。
このコンサートの準備に当たっても、解散まではメンバーみんなで決めていたことを、スタッフの方々はいるとはいえ、対等に意見を言い合える仲間はいないから、一人に責任も何もかものしかかってくる。
それを乗り越え、こうしてステージ上で最高の笑顔を届けてくれている。彼らと出会えた奇跡なのに、私が心の中で傷つきっぱなしでどうする。
そうして、健くんの笑顔パワーのオーラに圧倒されたんだろう、コンサート中という短い時間の中で、次第に解散も彼らの一部だったんだと感じ始めることができるようになっていた。
そうしてコンサートを観終わって、家にいる今、解散前のビデオを見ている。このビデオは、解散の発表がされてからでは1年半経つ、その間見ることができなかったものだ。
色んな悲しみを乗り越え、プロとして我々の前に出て、最高の笑顔を届けてくれる健くん見て、私の中でも何かが少し溶けた気がする。
私は若い頃はアイドルとは全く無縁の生活を送っていた。解散の話を聞いてから、アイドルのファンにならなきゃこんな思いをしなかったのにと思っていた。でも解散も彼らの一部だとすれば、そんな色んな思いをさせてくれる彼らの存在は有り難いのだと思う。