挫折の意味を知るV6のリーダー坂本昌行くん、そして新たな目標(後半)
【四半世紀のアイドルファンが想うこと★V6★ vol.85】
前半はこちら。
おそらくは、坂本くんは、俺は若い時の勢いでなんでそんな世界を手放してしまったんだ、ああ、あの時もっと真面目にやっていればという後悔の日々だったのだろう。芸能界の意味、一つ一つの仕事の意味を誰よりも反芻(はんすう)していたはずだ。
もちろん他のメンバーだって、芸能界での仕事が他に代えがたいものだとは知っているはずだ。
特に坂本くんは、挫折によって、失ったものの意味を存分に考え、覚悟のもとで戻って、そして歌もダンスも、どんどん仕事に磨きをかけていった。
挫折した時に、失ったものの意味を考えるのは結構しんどい、更にもう一度やり直して技術などに磨きをかけていくのはもっとしんどい。
でもその世界の意味を知っていれば、「またこの世界でやれる」という喜びに満ちたものとなり、挫折前よりも進化できる可能性大だ。
挫折を乗り越えた人は強いとよく言われるが、そういうことだろうかと坂本くんの話を聞いてて思う。
今回のV6の解散についても、報道ベースだが、メンバーの中で、坂本くんが最後まで反対だったとのことだ。V6としての活動自体は事実上しなくなっても、V6の名を残したい、とのことだった。
坂本くんは、ファン以外の人からすれば、テレビにもほとんど出ないから、私は周りの人から「坂本くんて仕事してるの」って言われたことがある。
なんのなんの、舞台では、ミュージカル俳優として高い評価を受け、ほぼ毎年、多いときは年3本、主演で舞台に出続けている。ほとんどが、ジャニーズ主催ではない、外部公演だ。
それでもジャニーズの力だって思われるかもしれないが、ジャニーズのタレントさんで外部のミュージカル公演にこんなに出続けている人はいないと言われている。
坂本くんは、このように個人で仕事がバンバン来ているので、V6という箱がなくても困らない状況だ。
それでも、V6の解散には反対だった。
坂本くんは、V6でデビューした時も、当時の森田剛くんと三宅健くんの”剛健コンビ”の人気が凄まじくて、坂本くんのダンスの位置も彼らの後ろだ。
でも、坂本くんは、華やかな景色の意味がわかっていたから、「剛健、もっと行けもっと行け」と思っていた(本人談)。剛健コンビが行けば行くほど、V6として華やかな景色をたくさん作ることができる。
そして、V6として、26年間(正確には27年目の1日まで)、華やかなな景色を見続けることができた。
その上、ずっとファンを続けていると、彼らがものすごく仲がいいこともよく伝わってくる。
ファンクラブの会員に、最後、6人が映った どでかいカラーと白黒の写真を送ってきた。三宅健くんはそれを「家族写真」と表現する。
そんな6人で繰り広げるコンサートやテレビ番組などは、坂本くんにとっては他の人とでは代えがたい景色を魅せ続けてくれたのだろう。
坂本くんは、自分が輝く意味も、V6として見る華やかな景色の意味も、両方知っている。
11月1日のコンサートの最後で、メンバー 一人一人の言葉の時、リーダー坂本くんは、こう言った。
僕はまた新たな目標が見つかりました。今日この景色が最後ではなく、またこの景色を見るために、頑張っていきたいと思います
その時の坂本くんの表情は、ちょっと笑顔で、これで終わりじゃないぞという表情だった。
この言葉をどう捉えるかは人によって色々だろう。グループの復活を意味するのか、それとも名前はともあれ、6人の再結集を意味するのか。
もちろんV6の解散は、挫折ではない。メンバー6人が年単位の時間をかけて考え抜いた前向きな結論だ。
それじゃあ、こんな言葉を口にする坂本くんは、失ったものにしがみついているのだろうか?
いいや違う、坂本くんなら、「新たな目標」を達成して「またこの景色を見」た時に、我々にも更に進化した形を見せてくれるはずだ。