煮田芋の『煮』〜炊く理由〜
田芋を炊く理由知ってますか?
沖縄県民の方なら聞いたことある方いるかもしれません。
むしろこっちの方が聞き馴染みのある方が多いかもしれません。
『煮田芋』(にたいも)
煮た後の田芋のことを指します。
現在は煮た後の田芋を煮田芋ではなく『田芋』として販売されることが多いです。
では、なぜ田芋は炊くのか?
少しでも長く日持ちさせるため
田芋は収穫した後は実は真っ白。
これは田芋農家しか知らない事実。
煮て初めて皆さんが馴染みある『紫色の田芋』になるんです。
沖縄県民も知らない人の方が多い!
この真っ白の田芋、収穫後に外に置いておくと数日で酸化が進み、赤く変色してしまいます。
そうなると商品として販売するのが難しくなります。
美味しい田芋を見分けるため
一番大きな理由はこれ。
田芋は煮て初めて『美味しい芋』がわかります。
サーターアンダギーが弾ける様子を沖縄では『笑う』と表現し、縁起物とされるように、田芋のヒビも『笑う』と言います。
『笑う芋』が美味しい田芋!
逆に美味しくない芋は笑いません。
笑わなくて、水っぽく、芋くさい。
舌触りはジャクジャクしてる。モチモチよりベチャベチャ。
田芋農家はこの田芋を『ぐすぐすー』って言う。
昔は生の田芋が売っていた
今でも地域の共同売店とかでたまーにみる生の真っ白の田芋。
農家の先輩によると、農業として田芋が始まった頃は生の田芋の流通も多かったそうです。
ですが、煮てから選別した美味しい田芋を販売したところ、こっちの方が売れるようになり、煮るのが一般的になったと言う話を聞きました。
おそらくその名残で、『煮田芋』という名前が使われてるのだと思います。
地域で違う炊き方
田芋農家さんはみんな自分の『釜』を持っています。
サイズ感や形もバラバラ。
バーナーで炊くのか、薪で炊くのか。
水道水を使うのか、天水を使うのか。
これがそれぞれの農家のこだわりなんです。
生芋を自分の家の鍋で煮たことある方いますか?
おそらく薄い紫になった方が多いんじゃないでしょうか?
実はあの綺麗な紫色を出すのも、農家の技。
水の量、炊く時間、釜の素材、水の性質。
全てが重なって、出される色なんです。色も農家の個性。🌱
たまに田芋好きさんに聞かれるんです。
『煮田芋の中でも白っぽくてホクホクしたものと、紫でモチモチしたものの違いはなんですか?』
これに気づいてる方は、むちゃくちゃ色々な田芋食べてる方だ…本物だ…と驚かされます。
一概には言えませんが、
白っぽい田芋▶︎蒸している
紫色の田芋▶︎煮ている
の違いだと言われてます。
知られてませんが、実はこんな違いがあったりするんです。
なんで産地で炊き方が違うんか…この謎は未だわからず。。
なんとなく見過ごしてる田芋の色、是非注目してみてください。
あなたの好みの田芋が見つかると思います🫶
下のリンクのYouTubeも興味ある方は是非見てみてください。
引用文献
▼宜野湾の田芋の炊き方
▼金武町の田芋の炊き方