太平洋岸自転車道を走ってみた話。 #2
2日目
朝は部屋に付いているアラームで起きた。6時ごろに車内放送が鳴る。カーテンを開けると、めちゃくちゃ明るい。しかもくちゃくちゃの部屋が丸見えで、すごく恥ずかしい。外は通学・通勤のちゃんとした人たちばかりで、すぐ閉めてしまった。
名残惜しいが、急いで出る準備。昨日のようにモタモタしていると、人に迷惑がかかってよくない。歯磨き・荷物整理。ばっちし。早めに部屋を出て、連結部で待機。朝も早よから鉄ちゃんボーイズがウロウロウキウキ。楽しそうやなぁ。
到着。
発車とともに写真を撮ろうと、待機。しかしなかなか発車しない。10分くらい待っても出ないので、諦めて先頭部まで歩き、写真を撮る。なんだ、最初からこうすればよかった。
東京駅は当たり前だがめちゃくちゃ人が多くて、自転車はとんでもなく邪魔だ。
気を遣いながら乗り換え。あれ?切符はどうすればいいんだ?
駅員さんに聞いて、みどりの窓口へ。みどりの窓口はどこやねん。
いちいち自転車を背負っているので、移動が段取り良くいかないとイライラする。
すごい行列になっているみどりの窓口にたどり着く。
並んでいると、イカれたおばさんが、「45分の電車に乗らないといけないの」といって、抜かそうとしてくる。何か言うこともできず、かといって後ろに多く並んでいるのに私が譲る訳にもいかず、(というか譲りたくない!)無視。駅員さんは優しく促しはするが、結局おばさんは「譲ってもらったの!」と言い張って順番抜かし。これでいいのか?なんだかモヤモヤ。
変な人はどこにでもいるもんだな。
切符を入手し、ホームへ。
ホームはどこ?
あー、ややこしいよ。分かんねぇ。
朝の時間は下りのエスカレーターがない、とか、人混みの中自転車抱えて、あっちゃこっちゃ行くのは無理すぎる。人にドコドコぶつかりながら、もみくちゃになりながら、乗りたい電車になんとか乗車。
自転車が邪魔すぎるが、仕方ないな。2席分を占領して乗せる。
電車に乗ることそこから3時間ほど。
やっと銚子に到着。いっぱい寝れた。
もう10時過ぎで、暑いのなんの。
ヘロヘロになりながら、駅を出る。自転車を組み立て、荷物を取り付ける。
身軽になったところで、駅を散策。
おしゃれな駅だった。
ピアノは置いてあるし、銚子らしい漁師のグッズやらが飾ってあるコーナー、写真もあった。
いい駅だなー。
写真を撮って、市場や漁港まわりを回る。特に計画はないので、手当たり次第。
出てすぐにチーバくんを発見。ここが起点ね。
漁港や市場を見て回ったが、結果から言うと時間が遅かったのもあってか、しょぼい。というか何も見つけられなかった。そらそうか。着いたばっかりの水揚げしている漁船、セリをやってる市場、そんなもんは昼間に見れないわな。残念。
それもそうだし、人がいねぇ。
やっぱ漁師さんは減ってるんだろうなぁ。建物や施設も古く、さびれた雰囲気。
だけど、色んなところに海鮮料理の店があるし、漁業に関わる会社も沢山あった。梱包や加工。
漁業の町なんだなということはすごく感じた。
生臭い魚の匂い。これが銚子の匂いなんだな。
一通り回ってみたものの、あまり成果は得られず。そら、一般人がホイホイ大事な職場に入っていけるわけないもんね。
仕方ない。
ウオッセ21という市場があったので立ち寄ってみたが、あいにく夏休みなようでほとんどの店は閉めていて、それらしいものは見ることができなかった。タイミング悪い。
嘉平屋というところで昼ごはんに海鮮丼。つみれ汁おかわり自由。素晴らしい。つみれ汁がいい香りで、何杯でも飲めそう。
海鮮も、ぷりっぷりで最高。なのだが、量が多すぎた。
半分ほどでお腹がいっぱいになってしまった。残念。海鮮って、たくさん食べたいのに、そんなに入らないのよね。不思議。
お茶で流し込みながら、ゆっくり食べて、なんとか完食。つみれ汁はおかわり出来ず。
フラフラになりながら店を出る。
外のベンチで一休み。
暑い。
ここに座っていても仕方がないので、出発。
太平洋岸自転車道のマップには、観光スポットが書いてある。そのたくさんある観光スポットの中で、面白そうなところをいくつか決めて、回りながら進んでいくことにする。
今日のスポットは、
①犬吠埼灯台
②屏風ヶ浦
③九十九里浜
の3つ。
①は、マップを見ていると灯台がたくさんあって、色々回ってみたいなという気持ちになったから。ヲカライダーの動画でも、灯台に登る動画があって楽しそうだったしね。
②は、①を見に行った時に、かっこいい写真を見たから。
③は、マップに載っている写真が綺麗だったから。写真ばっかりやないか。
直感を信じよう。
①に着く。どこから入るのか分からなくて、テラスに入る。2階にいい感じのテラスがあった。ハンモックや椅子があって、大きな窓からは海と砂浜が一望できる。エアコンも効いているし、なんて快適空間なんだ。
ここにずっといたい。
しかしこの時すでに14時ごろ。あまりのんびりしている余裕はない。
少し休んだら、灯台を探しにいく。でもいいところだったな。また来たい。
灯台は、99段を階段で登らなければならないらしい。しかも入場料がかかる。迷うけど…ここまで来たし、気になるなら入ろう。
外に白のかわいいポスト。しまなみかどっかに黄色のポストもあったな。色んな色のポストシリーズ見てみたい。
中には展示室。でかい扇風機みたいなレンズがある。おもろ。
この展示だけでもじっくりみたらいい時間になる。焦りながらどんどん先へ。
よし、灯台登るぜ。
意外と99段は登れた。上につくと、海風がすごい。こんなに涼しいもんか。いいねー。ここもずっといれそうスポット。けど揺れるのか、少し酔う。
人もじゃんじゃか来るし、降りよ。
さあ、次のスポットへ。
②は、大学の近くだった。
遠すぎて近くに行く気持ちにはなれず。でも壮大な地層が見られた。
昔、地層を巡るツアー行ったな。
地層も詳しくなったら面白いんだろうなー。
休憩して、次!
九十九里浜は、結構遠い。
ケツ痛いし、暑いし、疲れたし、ブーブー言いながら乗ること4時間くらいか。
しかし、この九十九里浜がこの日のハイライトであった。
風がなんともいえん気持ちいいし、ほぼ誰もいないし、見渡す限り水平線。波がざっぱーん。これが太平洋か。
日本海とは全然海の雰囲気が違うな。ワイルドな感じする。
今日の疲れが一気に吹き飛んだ。最高だ。このために今日は頑張っていたんだな。
頑張ってよかったな。
いいところだ。
癒されて、浜を後にする。全身、荷物も全部、砂まみれ。まぁ楽しかったしいいや。
途中の田舎道では、田んぼから急にまさかの野うさぎが出てきた。
アンデルセンの童話かよ。
野うさぎってマジでいるんや。初めて見た。しかも千葉。
千葉侮れん。
お宿へ行く。
銭湯が20時までなので、先に風呂。
松の湯というところ、入ると番頭におじいちゃん。え。
でも出るのもやしなぁ。てかほかに風呂屋近くは無いし。
じいちゃんに裸見られるのは正直めちゃくちゃ嫌だけど、諦めた。
お金を払って、服をすごい速さで脱ぐ。トイレに行きたかったが、トイレは見当たらない。大丈夫か?この銭湯。
浴室に入る。シャワーが出ないし、全体的に古くて汚い。
仕方ないので、湯桶に湯を溜めて流す。
石鹸持ってたのに、持ってくるの忘れた。あーあ。もういいや。
お湯でサッと流して、湯船に浸かる。お湯はさすがに綺麗か。
でもどことなく塩素臭い。やだなぁ。
暑い。汗が止まらない。
数分入って、すぐに出る。
なんか不気味だし、不快。
またサッと服を着て、銭湯を出る。
はぁ。
失敗だったな。
こういうこともあるか。
悲しい気持ちになりながら、ジョナサンで晩御飯。冷麺を食べる。
満腹になって、コインランドリーへ。
洗濯を済ませ、宿に行く。
もう21時過ぎ。手早く荷物をまとめ、歯を磨く。
少しゆっくりして、明日も早いので寝る。
色々あったけど、楽しかったな。